マスコミは、もはや政治を語れない 徹底検証:「民主党政権」で勃興する「ネット論壇」 (現代プレミアブック)
著者:佐々木 俊尚
販売元:講談社
発売日:2010-02-26
おすすめ度:
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ネット関係の著作を量産しているジャーナリスト佐々木俊尚さんの2010年2月の本。
タイトルの「マスコミは、もはや政治を語れない」というのは、2009年の民主党の圧勝は小選挙区という選挙手法によるもので、全得票率では議席数ほどの差がついていないことをマスコミはどこも語らないことを指している。
他にも日本のマスコミ特有の問題として、記者クラブ問題を取り上げている。
そもそも記者クラブは、日本とアフリカのガボンにしかないと言われているそうだ。
民主党公約の記者クラブ開放が結局、外国メディア増加と雑誌記者への開放のみに終わり、フリージャーナリストなども含む開かれた記者クラブとはほど遠くなった。
しかしブログなどのネット論壇が登場し、記者クラブを通して政府が言論をコントロールする時代は終わりつつあると佐々木さんは語る。
しかし全くマスコミにグリップが効かない状態もリスクがあるという。
たとえば既存マスコミが強くなかった韓国では、ネット論壇が世論を形成し、根拠のないデマが流布して、女優のチェ・ジンシルなどが自殺するという事態まで発生している。
「ネットで書かれたことは、瞬時に全国民に伝わる」というのは恐ろしいこともあるのだと。
インターネット大家族
フェースブックは日本ではあまり普及していないが、世界で3億人のユーザーがいる世界最大のSNSだ。
高齢者の間でもフェースブックは浸透しており、最近ではフェースブック上で、祖父母と孫が連絡を取り合い、「インターネット大家族」のようなものができているという。
上記のような話題も含め、マスメディアでは報道されない見方が取り上げられている。印象に残ったものをいくつか紹介する。
★事業仕分けの歴史的意義
事業仕分けを仕切った枝野さんと蓮舫さんがそろって菅内閣の重要ポストに入ったが、事業仕分けの意義は、すべてが公開されたことだという。
いままで密室で決められていた予算折衝が白日の下にさらされる訳だ。
★池上彰さんの仕事
新聞が「ニュースをわかりやすく解説する」という本来の仕事を放棄しているので、池上さんの仕事が成り立っていると池上さんは語る。
知らないと恥をかく世界の大問題 (角川SSC新書)
著者:池上 彰
販売元:角川SSコミュニケーションズ
発売日:2009-11
おすすめ度:
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★亀井徳政令
亀井静香元大臣は「東京大学でマルクス経済学を学び、キューバのゲリラ指導者チェ・ゲバラを心から尊敬する極めて危険な社会主義者だから、甘く見ない方が良い」と、「金融日記」という人気ブログの作者の外資系投資銀行勤務の藤沢数希氏は語っているという。
経済学については、少なくとも昭和50年代までは東大のマル経、一橋の近経と言われていたので、元警察官僚の亀井さんがマルクス経済学のゼミを取っていても不思議ではない。
こんな色眼鏡のかけ方をしていると、昭和50年代までの東大経済学部の卒業生の過半数はマル経を取ったと思うので、すべて同じような社会主義者と見られることになるだろう。
日本のネット論壇はまだまだだと思うが、この本では背後からハミング、大西宏のマーケティング・エッセンス、漂流する身体などが紹介されている。
いずれ「ネット論壇」といえるようなものが日本でも出現するのかもしれないが、アメリカのネットメディア(たとえば"A Bright Fire"など)が影響力を勝ち得ているのに対して、日本ではまだ時間が掛かると思う。
いずれにせよ、情報ソースの拡大という面では意味があると思うので、この本で紹介されているブログのいくつかを時々チェックしてみようと思う。
参考になれば次クリック願う。
著者:佐々木 俊尚
販売元:講談社
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ネット関係の著作を量産しているジャーナリスト佐々木俊尚さんの2010年2月の本。
タイトルの「マスコミは、もはや政治を語れない」というのは、2009年の民主党の圧勝は小選挙区という選挙手法によるもので、全得票率では議席数ほどの差がついていないことをマスコミはどこも語らないことを指している。
他にも日本のマスコミ特有の問題として、記者クラブ問題を取り上げている。
そもそも記者クラブは、日本とアフリカのガボンにしかないと言われているそうだ。
民主党公約の記者クラブ開放が結局、外国メディア増加と雑誌記者への開放のみに終わり、フリージャーナリストなども含む開かれた記者クラブとはほど遠くなった。
しかしブログなどのネット論壇が登場し、記者クラブを通して政府が言論をコントロールする時代は終わりつつあると佐々木さんは語る。
しかし全くマスコミにグリップが効かない状態もリスクがあるという。
たとえば既存マスコミが強くなかった韓国では、ネット論壇が世論を形成し、根拠のないデマが流布して、女優のチェ・ジンシルなどが自殺するという事態まで発生している。
「ネットで書かれたことは、瞬時に全国民に伝わる」というのは恐ろしいこともあるのだと。
インターネット大家族
フェースブックは日本ではあまり普及していないが、世界で3億人のユーザーがいる世界最大のSNSだ。
高齢者の間でもフェースブックは浸透しており、最近ではフェースブック上で、祖父母と孫が連絡を取り合い、「インターネット大家族」のようなものができているという。
上記のような話題も含め、マスメディアでは報道されない見方が取り上げられている。印象に残ったものをいくつか紹介する。
★事業仕分けの歴史的意義
事業仕分けを仕切った枝野さんと蓮舫さんがそろって菅内閣の重要ポストに入ったが、事業仕分けの意義は、すべてが公開されたことだという。
いままで密室で決められていた予算折衝が白日の下にさらされる訳だ。
★池上彰さんの仕事
新聞が「ニュースをわかりやすく解説する」という本来の仕事を放棄しているので、池上さんの仕事が成り立っていると池上さんは語る。
知らないと恥をかく世界の大問題 (角川SSC新書)
著者:池上 彰
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★亀井徳政令
亀井静香元大臣は「東京大学でマルクス経済学を学び、キューバのゲリラ指導者チェ・ゲバラを心から尊敬する極めて危険な社会主義者だから、甘く見ない方が良い」と、「金融日記」という人気ブログの作者の外資系投資銀行勤務の藤沢数希氏は語っているという。
経済学については、少なくとも昭和50年代までは東大のマル経、一橋の近経と言われていたので、元警察官僚の亀井さんがマルクス経済学のゼミを取っていても不思議ではない。
こんな色眼鏡のかけ方をしていると、昭和50年代までの東大経済学部の卒業生の過半数はマル経を取ったと思うので、すべて同じような社会主義者と見られることになるだろう。
日本のネット論壇はまだまだだと思うが、この本では背後からハミング、大西宏のマーケティング・エッセンス、漂流する身体などが紹介されている。
いずれ「ネット論壇」といえるようなものが日本でも出現するのかもしれないが、アメリカのネットメディア(たとえば"A Bright Fire"など)が影響力を勝ち得ているのに対して、日本ではまだ時間が掛かると思う。
いずれにせよ、情報ソースの拡大という面では意味があると思うので、この本で紹介されているブログのいくつかを時々チェックしてみようと思う。
参考になれば次クリック願う。