時短読書のすすめ

「あたまにスッと入るあらすじ」作者が厳選するあらすじ特選。その本を読んだことがある人は記憶のリフレッシュのため、読んだことがない人は、このあらすじを読んでからその本を読んで、「時短読書」で効率的に自己啓発してほしい。

企業経営

技術大国幻想の終わり 日本産業界の生きる道は「価値」の追及



失敗学の権威・畑村洋太郎東大名誉教授の近著。

この本のカバーに結論が書いてある。

「技術では負けていない!」という思い込みを捨てよ。

「品質」、「機能」はもはや競争力にはならない。これからは人々の欲しがる「価値」を突き詰めろ。


まさにその通りだと思う。

畑村さんは、まずご自身が昔読んで感銘を受けたという「碧素(へきそ)・日本ペニシリン物語」を紹介する。



第2次世界大戦中にアメリカ・英国で実用化されて、多くの傷病兵を救うことになるペニシリンが開発されたという事実を、戦争中にドイツから戻った潜水艦が持ち帰った医学誌で知った日本の医学者が、非常な努力の末、10カ月という短期間で開発に成功する話だ。

戦後50年の日本は、次の絵のように、闇夜に光る灯台のように「答えは存在する」という事実があるだけで、人はその方向に向かって努力し続けられてきた。畑村さんは灯台に向けて和船で漕いでいる絵をシンボリックに掲載している。

ちなみに、この絵は西伊豆の戸田(へだ)で、和船を漕いだことがある人にはピンとくるはずだ。そう、戸田湾の湾口突破すると、左に灯台が見えるのだ。

畑村研究室(現在は中尾研究室)は、毎年研究室の夏合宿を戸田で行っているから、この和船の絵になったのだと思う。

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出典:本書20ページ

しかし、それに次ぐ20年は、「答え」を自分で探さなくてはいけなくなって努力の方向を見失った20年間なのだと畑村さんは語る。

日本の産業界が行き詰っている原因は日本の製品の品質が世界一だという品質幻想だ。品質幻想には次の3つがある。

1.「日本人がつくるものが優れている」という幻想。
 たとえば、日本でつくる日本車のほうが、海外でつくる日本車よりも品質は優れているというような幻想だ。実際には、日系自動車会社ではブラジルで作っている日本車と日本でつくっている日本車の品質は変わらないという。むしろブラジルのほうが、生産性が高いので、日本より良いという。

2.「職人の技幻想」
 たとえばアップルのiPodのステンレスケースは、当初新潟県の燕の金属加工業者が加工していた。ところが、そのうち中国でもできるようになり、燕への注文は来なくなった。職人の技がデジタル制御の加工機械に置き換えられているのだ。

3.品質という言葉に対する間違った理解
 品質とは、あくまで消費者の要求に応えているかどうかで決まってくる。「品質の良いものをつくれば売れる」というのは誤解だ。消費者が求めているのは、良い品質だけではない。「適切な品質」、「適切な価格」、「デザイン」、「必要な機能」、「使いやすさ」、「楽しさ」、「サービス」といった要素すべてで、これらを満たす製品が良い製品なのだ。

もう一度消費者と向き合い、市場を観察しないと、まさに闇夜に海図も持たないで漕ぎ出すことになってしまう。

消費者の求めているものをつくるということを徹底しているのが、韓国のサムスンだ。

この違いは、「価値」を考えることの重要性を理解しているかどうかだ。

畑村さんは、インドに出張した時に、現地企業の社長から、「日本の企業はたしかにどうやってつくるかという構造を考えるのはうまい。でもその土地や土地に住んでいる人々が大切にしている文化のことはあまり考えていません。これは日本企業が価値について真剣に考えてこなかったからではないですか」と言われたことを紹介している。

たとえばインドで売れている電気冷蔵庫は、鍵がかけられ、停電しても何時間は持たすように冷気が上から降りてくる構造だ。サムスンやLGなどの製品がよく売れているという。

畑村さんは、サムスンの元常務だった吉川良三さんとHY研という研究会をつくっている。

以前あらすじを紹介した「『タレント』の時代」の著者の酒井崇男さんはHY研のメンバーだ。



畑村さんは、酒井さんの本から、ある大手通信系の研究所は優秀な若者たちの就職先として知られているが、実際には市場で通用する研究成果がほとんど出てこないまま、毎年数千億円規模の研究費を消化し続けていることを紹介している。

まさに「価値」を考えていない結果である。

サムスンは毎年何百人かの地域専門家を海外各地域に送り出している。

語学研修を終えた後、現地の人と同じように生活することで、その現地の人の習慣や欲求、考え方を吸収していく。現地の文化を身につけた人間を養成することで、はじめて現地の人の価値観にあった商品をつくりだすことができると考えているからだ。

サムスンが変わったのは、1997年の韓国における通貨危機がきっかけだという。このとき韓国は国家の存亡の危機にさらされたが、そんな状況の中で社員の多くが危機意識を持ったことが当時進めていた様々な改革につながったという。

この本では、畑村さんが見聞した世界各地の事例が紹介されていて参考になる。

・中国では自転車はほとんど姿を消し、いまでは見た目はスクーターと変わらない電気自転車が主流だ。年間3,000万台生産しているという。原理的には電気自転車を2台組み合わせれば、電気自動車ができる。

電気自動車が主流になると、電気製品のように組み合わせ技術でつくられるようになる。製品のデジタル化・モジュール化・コモディティ化が進めば、世界のどこで生産しても同じものができるようになる。

・スティーブ・ジョッブスは、いままで機能を中心に考えられていた電化製品の見た目の格好良さ、肌触りといった五感のイメージに徹底的にこだわった。たとえば、iPhoneが入っている紙箱のコストに、600円かかっているという試算があるという。筆者も、他の電気製品の箱はすぐにリサイクルに出してしますが、アップル製品の箱は取っている。なるほどと思う。

・インドの自動車産業は2020年には1,000万台を超えるという予測があり、これは現在の日本の自動車生産台数と同じだ。中国はすでに日本の生産台数の2倍を超えて、2014年では2,400万台を生産した。

中国の自動車生産能力はすでに5,000万台を超えているという見方もあり、いずれ輸出市場に出てくることが予想される。すでに南米ペルーでは、中国車が日本車の半分の価格で売られているという。

・中国で成功している日中合弁の自動車会社は、車体は日本で高級車の部類に入る2,000CCクラスのものを基本にして、そのシートをレザー製にして高級感を出すが、エンジンは1,500CCのものを使ってコストを抑えており、それが市場のニーズに見事に合っているという。

・ホンダベトナムは、密輸された劣悪な中国製コピーバイクに席巻された市場を、コピーバイク修理用にホンダの純正部品を売るという商売で業績を回復し、さらにベトナムで製造した部品をつかったバイクを中国製の倍の価格で売り出して、いまは市場の7割を抑えている。

・インドのニューデリーの地下鉄は日本のJICAの技術援助で建設された。非接触ICカードトークンなどの技術を導入しているが、日本から買った電車は、わずか一編成のみで、その後は自分たちでつくっている。これは中国が日本から新幹線を買ったときとまったく同じやり方だ。日本は単なる製品輸出より、その後のメンテナンスや運用も含めたビジネスを考える必要がある。


畑村さんが経験した具体例が紹介されていて参考になる本である。


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イッシューからはじめよ 問題解決のハンドブック



元マッキンゼーで、脳神経学の博士号を持つ安宅和人さんの本。

安宅さんは現在はYahoo!のCOO室長、CSO(Chief Security Officer)として活躍している。安宅さんのツイッターのアカウントもある。

問題解決では、以前元BCGの内田さんの「仮説思考」を紹介した

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法
内田 和成
東洋経済新報社
2006-03-31


「仮説思考」は筆者が読んでから買った数少ない本の一つで、大変参考になった。

「仮説思考」と同様に、この本も大変参考になる。

ほぼ日で糸井重里さんと安宅和人さんの対談が紹介されている。糸井さんはこの本を読んで、「一人ひとりが読み、チームで共有したい本」だと感じたという。

新刊.jpというサイトに、この本に関する安宅さんへのインタビューが載っており、この本のエッセンスが簡潔に紹介されているので、参考にしてほしい。

最初に、この本の主張が次のように整理されている。

★「問題を解く」より「問題を見極める」

★「解の質を上げる」より「イシューの質を上げる」

★「知れば知るほど知識が湧く」より「知り過ぎるとバカになる」

★「一つひとつを速くやる」より「やることを削る」

★「数字のケタ数にこだわる」より「答えがだせるかにこだわる」


「犬の道」には踏み込むな

バリューのある仕事とは、安宅さんの定義だと、イシュー度が高く、解の質も高い仕事だという。

バリューのある仕事をやるためには、「根性」で一心不乱に大量の仕事をしてはいけない。それを安宅さんは「犬の道」と呼んでいる。

問題かもしれないという問題が100あるとしたら、そのうち2つか3つが本当に白黒つけるべき問題なのだと。理系の研究者の研究テーマは、このような考えで絞り込むのではないかと思う。

直観でこれが解決につながりそうだとか目星をつけてはいけない。じっくり考えて、なにが問題解決につながるイシューなのかを見極める。

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出典:本書32ページ

このようなアプローチをとれる人と取れない人では、一週間の仕事の進め方に次のような差がでる。

犬の道の人

月曜 やり方がわからずに途方にくれる
火曜 まだ途方にくれている
水曜 ひとまず役立ちそうな情報・資料をかき集める
木曜 引き続きかき集める
金曜 山のような資料に埋もれ、再び途方にくれる

イシューからはじめる人

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出典:本書34ページ


もっと前にこの本を知っていれば…

この本には上記の全体図のように図が多く使われ、コンサルなどの専門家でなくとも、わかりやすくイシュードリブンの問題解決法が理解できるようになっている。

またイシュードリブン、仮説ドリブンなどのステップではさらにいろいろな図が使われている。

たとえば、イシューを見極めるコツとして、1.一次情報に触れる、2.基本情報をスキャンする、3.集め過ぎない・知り過ぎないの3つが紹介されているが、次が2.の基本情報をスキャンする場合の図だ。

真ん中の四角で囲んだ部分がマイケル・ポーターの「ファイブ・フォース」であり、それに6.技術・イノベーション、7.法制・規則を加えたFAW(Forces at Work)である。

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出典:本書82ページ

惜しむらくは、事例があまり少なく、具体的でないことだが、現在会社に勤めていたり、研究に携わっている人は、経営者でなくても、自分の業務に当てはめて応用してみるとよいだろう。

たとえば、次の図は、イシューを分解するうえで、意味のある分解と意味のない分解を図示したものだ。これがMECEだと言われれば、納得できるだろう。

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出典:本書109ページ

筆者も2002年から2007年まで、子会社のネット企業を代表取締役副社長として経営していたことがある。今思えば、業界の全体図、伸びる分野、自社の占めるポジション、SWOTなどのビッグピクチャーをよく理解せずに、ただ日々の問題を解決するのに手いっぱいという感じで経営していた。全く汗顔の至りだ。

もっと前にこの本を知っていれば…と思う。

筆者の読んだものは、第10版で、本の帯には8万部突破と書いてある。

アマゾンの売り上げランキングでも全体の1,210位で、このブログで紹介した内田さんの「仮説思考」が1,718位、必読書「ロジカル・シンキング」が668位、バーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」は1,464位だ。






つまり、これらの名著と同じくらい売れているということだ。

ハンドブックとしても役に立つ。この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応しているので、ここをクリックして目次に続く、コンテンツをパラパラめくってほしい。

仕事の役に立ちそうなことがわかると思う。


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分析力を武器とする企業 データ分析の教科書

分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学
著者:トーマス・H・ダベンポート
販売元:日経BP社
発売日:2008-07-24
おすすめ度:4.0
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データ分析を経営に生かす実例とその理論や分析ツールを解説したデータ分析の教科書。

英国のデータ分析専門会社の人から紹介されて読んでみた。。

この分野は筆者が特に興味を持っている分野なので、いままで「CRMの実際」という日経文庫や、流通業界では世界最高峰の英国TESCOのCRMを取り上げた「TESCOの顧客ロイヤリティ分析」などを読んで研究してきた。

CRMの実際 (日経文庫)CRMの実際 (日経文庫)
著者:古林 宏
販売元:日本経済新聞社
発売日:2003-04
おすすめ度:3.5
クチコミを見る

Tesco顧客ロイヤルティ戦略Tesco顧客ロイヤルティ戦略
著者:C. ハンビィ
販売元:海文堂出版
発売日:2007-09
おすすめ度:2.5
クチコミを見る

日経文庫は2003年の本だが基本を抑えるのには適している。

TESCOの本は、ポイントカードを使ったCRMはどうあるべきかという実例を詳しく紹介しており大変参考になった。このブログでも原著の第2版のあらすじを詳しく紹介している。

ポイントカードを使った顧客管理を突っ込んで研究したい人は、2004年に出た第1版の翻訳である日本語版の「TESCO顧客ロイヤルティ戦略」よりは、テスコクラブカード戦略の見直しまで取り上げている2008年に出た英語の第2版「Scoring Points」の方をおすすめする。

Scoring Points: How Tesco Continues to Win Customer LoyaltyScoring Points: How Tesco Continues to Win Customer Loyalty
著者:Clive Humby
販売元:Kogan Page Ltd
発売日:2008-09
クチコミを見る

筆者が読んだ時は、ハードカバーしかなかったが、現在はペーパーバック版が出ているので、アマゾンで2,500円で買える。

話が横道にずれたが、「分析力を武器とする企業」は、基本も抑え、各社の実例も広く浅く紹介している。

次の表のような顧客分析を生かす企業の実例が取り上げられている。

分析志向の企業リスト













出典:本書23ページ

分析力を武器にする企業は次の4つの特徴を持つという。

1.分析力が戦略的優位性のベースになっている。

2.分析に組織を挙げて取り組んでいる。

3.経営幹部が分析力の活用に熱心である。アマゾンのジェフ・ベゾスが良い例だ。

4.分析力に社運を賭け戦略の中心に置いている。


参考になった具体例をいくつか紹介しておく。

★ネットフレックス

オンラインDVDレンタル。日本のツタヤDISCUSや、テレビで盛んに宣伝しているDMM.COMのようなサービスだ。

DVDの送料は無料、貸出期限は無制限、延滞料は一切無し。借りたDVDを返せば、次のDVDが借りられるというシステムだ。

ネットフレックスは「シネマッチ」というアルゴリズムを組み込んだ映画リコメンドエンジンを持っている。顧客の好みを分析して、映画を推薦するのだ。

ネットフレックスは100万ドルの賞金を出して、社内外の力を借りて「シネマッチ」のアルゴリズムを10%以上改善したという。

ネットフレックスの最優先顧客はめったに借りない会員だという。月額料金は固定なので、めったに借りない人の方が利益率が高いので、この種類のお客をつなぎ止めておくことが重要だ。

いずれはDVDレンタルはオンラインダウンロードに変わるだろうが、ネットフレックスは自社の分析力さえあれば、バーチャルに移行しても利益は上がると自信を持っているという。


★ボストンレッドソックス

データ分析をプロ野球に利用して成功したオークランド・アスレティックスの例は、「マネーボール」という本に詳しい。この本も近々読んでみる。

マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)
著者:マイケル・ルイス
販売元:ランダムハウス講談社
発売日:2006-03-02
おすすめ度:4.5
クチコミを見る

まだ松坂大輔が加入する前、ボストンレッドソックスは2002年に野球のデータ分析の専門家を雇って、成果を上げ、2003年にはアメリカンリーグのチャンピオンシップシリーズに進出する。

しかしヤンキーズとのチャンピオンシップシリーズでは、監督のグレディ・リトルはデータ分析の専門家の意見を退け、優勝がかかる第5戦先発のペドロ・マルティネスをデータ分析による限界の105球を超えて8回にも登板させた。

データ分析ではペドロ・マルティネスは、105球までなら相手チームの打率は2割3分だが、106から120球だと打率は3割7分に上がっていたのだが、監督は自らのガットフーリング(直感)を信じたわけだ。

筆者は今でも覚えているが、たしかこの第7戦の大逆転劇で、松井が同点のホームを踏んで、躍り上がって喜んでいたことを思い出す。YouTubeにその時のビデオが載っている。



2003年で監督はクビ、翌年は分析力と戦力補強が役立ち、86年間の「ベーブ・ルースの呪い」を破って念願のワールドシリーズを制覇したのだ。


★ロッキー・マウンテン・スチール
昔鉄鋼原料を取り扱っていた筆者には懐かしい名前だ。ロッキー・マウンテン・スチールはオレゴンスチールの子会社でシームレス鋼管を製造していたが、不況で生産中止していた。

筆者の記憶が正しければ、この会社は昔のUSスチールの工場ではないかと思う。戦争中に万が一敵が西海岸に侵攻してきても、ロッキー山脈のあたりにあれば、爆撃にも平気だということで建設した工場ではなかったかと思う。

鋼管市況が高騰したので、社内外の生産再開を求める声に対し、副社長のロブ・サイモンは"profit insight"というソフトウェアで再開時期を分析し、製品販売での逸失利益を出すことなく工場再開を決めたのだという。

ロッキー・マウンテン・スチールは今はEvrazという会社の一部門になっているようだ。


★マス広告の問題点

マス広告の問題点は、デパートの先駆者のジョン・ワナメーカーが嘆いたように「広告費の半分は無駄に失われている。だが、それがどの半分かがわからない」点だ。

それを科学的に分析するのが、現代の広告業界が力を入れている分野だという。DDB Worldwide社の子会社のDDBマトリクス社が有名だ。

ちなみにDDB Worldwide社のホームページには"Fun Theory"という、人は面白ければ動くという一連の広告活動が紹介されている。

階段をピアノの鍵盤のように改造して、音が出るようにしたら、エスカレーターより階段を使う人が増えたという。フォルクスワーゲンの広告で、興味深い実験が紹介されている。


データ分析のウソ

★英国の名宰相ベンジャミン・ディズレーリは「嘘には3種類ある。嘘、大嘘、統計だ」と語ったという。恣意的な統計は人を欺くこともできる。

★紙おむつとビールの伝説は都市伝説
オスコというドラッグ・ストアチェーンが話の元らしいが、オスコではビールと紙おむつと一緒に陳列したことはないし、そもそもビールを売っていない店もあるという。

この例を紹介して、データ・マイニング・ソフトなどを使ってデータを分析するだけでは不十分で、統計分析のスキルを備えたデータ分析のアナリストが社内に必要だと力説している。

興味のある人向けに、用語解説とツール解説を続きを読むに載せる。

データ分析の用法、手法、ツールなど、広く浅くトピックスを取り上げていて参考になる本だった。


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不格好経営 特に不格好とは思わないけど…

不格好経営―チームDeNAの挑戦
南場 智子
日本経済新聞出版社
2013-06-11


元マッキンゼーのパートナー(役員)で、DeNAの創業者の南場智子さんの最初の著書。

南場さんの生い立ちと経歴、DeNA創業に至った経緯から、最近のDeNAのモバイル事業展開まで、創業者の目から見た事業の立ち上げ担当者の舞台裏の努力が描かれている。


不格好というよりは、筋書きのないストーリーがIT業界なのでは?

本の帯に「経営とは、こんなにも不格好なものなのか。だけどそのぶん、おもしろい。最高に。」という南場さん自身の言葉が書いてある。

南場さん自身は「不格好経営」と言うが、特に不格好と思える点はない。

「コンサルタントが頭の中で考えるストーリーのようなスマートな展開は、実際の経営ではできないよ。」という意味で、「不格好」と言っているのではないかと思う。

筆者も2007年まで5年弱、IT企業経営をしていたので、後で思い返せば、「もっとうまくできたのに…」、「なんでわからなかったんだろう…」と感じることが多々ある。その意味では「不格好」そのものである。

しかしIT企業の成功ストーリーに筋書きはない。楽天だって、泥臭く地道に営業に励むことと、体育系のノリ、金融業界出身の三木谷さんの金融業シフトで、ここまで大きくなった。

アマゾンもここまで大きくなるとは、誰も予想しなかっただろう。さらに、アップルがマイクロソフトを時価総額で凌駕するとは、だれも予想していなかったはずだ。

DeNAも、インターネットオークションでは、ヤフオクに大きく差をつけられた第2位だったが、いち早く携帯電話向けサービスを開始し、モバオク、そしてゲームに進出しモバゲーで急成長した。

筋書きのないストーリーがIT業界そのものの歴史だ。


社員の顔が見える本

IT企業のトップが書いた本は、別ブログでもいくつか紹介している。楽天の三木谷さんや、サイバーエージェントの藤田さん最近、刑期を終えたホリエモン倒産したインデックス会長の落合さんなどだ。

IT業界ではないがワタミの渡邉美樹さんの本も紹介している。

これらの本のほぼすべてに共通していえるのが、本人以外に登場する社員が少ないことだ。特に三木谷さんの最近の本と、ワタミの渡邉さんの本に至っては、本人以外にはほとんど誰も社員が登場しない。

南場さんの本は、これらの本と対照的だ。この本には多くの社員が登場する。実際に社員の写真も載っていて、まさに社員の顔が見える本だ。

筆者はピッツバーグから帰任した2000年末に、新規ビジネスの相談に幡ヶ谷のフロスビルにあるDeNAオフィスを訪問して、守安さん、春田さんから意見をお聞きした経験があるので、大変興味深く読めた。春田さんは「取締役 総合企画グループ担当ディレクター」、守安さんは「システム開発グループ」という肩書のない名刺だった時代だ。

南場さんは、最初はもっと多くの社員の名前を紹介していたが、社外の人には読みづらいものになってしまったので、減らしたのだと語る。

しかし、本書に登場していない社員のひとりでも欠けてしまったら今のDeNAはないという。

気配りの人、社員を第一に考える経営者、それが南場さんなのだと思う。

この本では「読者が『DeNA』号に乗ってジェットコースターのような展開をともに体験できるよう、事実をそのまま伝えることを重視したという。

たしかに、面白い。南場さんの生い立ちや、旦那さんのがんの治療のために、DeNAの社長を退任した事情なども紹介されていて、南場さんの人となりや考え方がわかる。

この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応しているので、ここをクリックして目次をみてほしい。

第9章の「人と組織」の、「コンサルタントと事業リーダーの違い」も納得できるし、「MBAは役立つか」では、「学びがゼロかというと、そうではないが、そのために2年間も使うのか、を問いたいところ」と語っている。

自分がMBAに行っていないだけに(その代わり2年間の語学研修でスペイン語はペラペラだが)、MBA信仰のある筆者にとっては、警鐘となった。


DeNAクオリティ

楽天の成長のコンセプトは次の5点だ。

1.常に改善、常に前進
2.Professionalismの徹底
3.仮説→実行→検証→仕組化
4.顧客満足の最大化
5.スピード!!スピード!!スピード!!

これに対して、DeNAクオリティは次の5点だ。

1.デライト (Delight) 顧客のことを第一に考え、感謝の気持ちを持って顧客の期待を超える努力をする
2.球の表面積 (Surface of Sphere) 常に最後の砦として高いプロフェッショナル意識を持ち、DeNAを代表する気概と責任感を持って仕事をする
3.全力コミット(Be the best I can be) 2ランクアップの目線で、組織と個人の成長のために全力を尽くす
4.透明性 (Transparency & Honesty) チームワークとコミュニケーションを大切にし、仲間への責任を果たす
5.発言責任 (Speak Up) 階層にこだわらず、のびのびしっかりと自分の考えを示す

楽天と似ている部分もあるが、DeNAらしさがでていると思う。

筆者は個人的にはDeNAに大変感謝している。というのは、DeNAが横浜ベイスターズを買ってくれたので、郷土の球団としてずっと応援してきたベイスターズファンから卒業するきっかけができたからだ。

今は野球のひいきチームはない。ベイスターズファン時代は、長年不満がうっ積していたが、きれいさっぱりファンを卒業して、いまの気持ちは棋士の羽生さんではないが、「玲瓏」(れいろう)(もとは「八面玲瓏」)、あるいは「明鏡止水」である。


南場さんは文才もあり、ストリーも面白い。三木谷さんのように「夢を見るのは若者の特権だという。美しい言葉ではあるけれど、僕は間違っていると思う。」というような鋭いツッコミもない。

楽しく読める本である。


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ダイヤモンドの就職人気企業ランキングで住友商事が文系男子No.1に

ダイヤモンドの就職人気企業ランキングで、住友商事が初めて文系男子の人気No.1になった

須藤元気率いる人気パフォーマーグループ World Orderを使った「全力世界だ」というコンセプトビデオが人気のようだ。

楽しめるビデオなので、ぜひ一度見てほしい。



「今年は違うぞ」という感じだ。

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暴力団排除条例ガイドブック これを読んでいればみずほ銀行の事件は防げたはず

暴力団排除条例ガイドブック (BUSINESS LAW JOURNAL BOOKS)暴力団排除条例ガイドブック (BUSINESS LAW JOURNAL BOOKS)
著者:大井哲也
レクシスネクシス・ジャパン株式会社(2011-12-22)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

みずほ銀行が子会社のオリコを通じての暴力団関係者への融資を、金融庁にも隠していたことが大きな問題となっている

ほとんど報道されないが、この背景には暴力団向けの商行為を禁止した暴力団排除条例が平成22年4月以降、全国の自治体で制定・施行されたことがある。

つまりこの事態は、暴力団排除条例が全国であいついで施行された時に、公にして契約を解除していれば防げたコンプライアンス問題なのだ。

そこで各都道府県で制定・施行された「暴力団排除条例」対応のための模範文例まで完備したマニュアルのあらすじを紹介しておく。

この本は大手弁護士事務所のTMI総合法律事務所の弁護士と、福岡県で暴力団排除条例の制定にかかわった警察庁のエリート・黒川浩一氏、それと(株)エス・ピー・ネットワーク総合研究室という企業危機管理専門会社の共著。平成23年12月の発刊だ。

アマゾンのなか見!検索に対応しているので、詳しくはここをクリックして目次をチェックして欲しい。


この本の構成

この本の構成は次の通りだ。(カッコ内はその章の担当著者)これを見ればわかる通り、いろいろな切り口からの暴力団排除条例への対応マニュアルであり、具体的な模範文例も載っているので、非常に実用的だ。

第1章 反社会的勢力の侵入手口と企業の対応(SPネットワーク)
  機〆廼瓩糧深匆馘勢力排除の動向
  供ヾ覿箸悗糧深匆馘勢力の侵入(関与)事例 3件(上場・不動産)、(上場、小売)、(非上場・倉庫/運輸)
  掘“深匆馘勢力排除の内部統制システム

第2章 反社会的勢力のチェック方法(SPネットワーク)
  機,匹海泙任鯣深匆馘勢力とするのか
  供“深劵船Д奪のポイント

第3章 暴排条項の導入(TMI総合法律事務所)
  機,覆舎叔咯鮃爐必要なのか
  供)叔咯鮃狷各の留意点
  掘)叔咯鮃爐離丱螢─璽轡腑

第4章 契約の拒絶・解除の実務(TMI総合法律事務所)
  機〃戚鹹結前の取引拒絶
  供〃戚鹹結後の解除の法的リスク
  掘ヾ存取引先との関係解消の実務

第5章 海外の反社会的勢力(TMI総合法律事務所)
  機.哀蹇璽丱襪瞥彑舛亡悗垢觝廼瓩瞭宛
  供ヽこ鞍深卩喀の取り組み方
  掘ヽこ鞍深丗弍のための英文版誓約書・暴排条項

第6章 雇用関係等からの反社会的勢力排除(TMI総合法律事務所)
  機―抄醗に対する属性確認義務
  供―抄醗が反社会的勢力に該当する場合の対応
  掘ゞ般外兮スタッフの場合

第7章 上場審査の実務及び出資者・株主への対応(TMI総合法律事務所)
  機‐緇貎該困鮗ける場合
  供“深匆馘勢力との関係発覚による上場廃止
  掘―仍饉圈Τ主への対応

第8章 暴力団排除条例の解説(黒川浩一・前福岡県警察本部組織犯罪対策課長)
  機‐鯲秬定の背景と経緯
  供‐鯲磴亮腓糞定
  掘‐鯲秬定の狙い
  検)塾話弔紡个垢詬益供与の禁止規定の解説
  后)塾話弔紡个垢詭承疎澆靴龍愡
  此)塾話弔箸量接交際
  察仝共事業からの暴力団排除
  次〔唄峪業からの暴力団排除
  宗”堝飴瑳莪からの暴力団排除
  勝)塾話弔琉厠詫用そのものの禁止
 将機(_県条例の改正
 将供,泙箸
 資料 各都道府県の暴力団排除条例における特徴的な規定


暴力団の現状

平成22年度末の暴力団の構成員と準構成員総数は78,600人となっており、前年より2,300人減少しているものの、準構成員は増加している。

最近の判例では、広島のホテルが結婚式を予定していた暴力団関係者との契約を解除したことが有効と認められたり、暴力団関係者であることを隠して銀行から融資を受けた暴力団組員が詐欺罪で起訴されるというような事例を紹介している。

銀行業界では暴力団やそれに準ずる者には口座を開設させず、すでに開設された口座も解除することを決めており、全銀協が暴力団データベースを加盟行に提供している。

不動産業界、自動車販売業界、生命保険業界、旅館・旅行業界などの暴力団排除は進んでいるが、「密接交際者」の島田紳助が引退を余儀なくされたように、テレビ局や芸能界は「密接交際者」に対して甘い点があるという。


反社会的勢力のチェック方法

企業の法務担当者や総務とかでないと、法的手続きのマニュアルが役立つことはないかもしれないが、営業関係者でも時として反社会的勢力が支配する会社との商売の話が出てくることもあるので、第2章の「反社会的勢力の端緒チェックリスト」は参考になると思う。

このチェックリストは次のような構成のチェック項目を含む網羅的なリストとなっている。

・取引経緯等(8項目)
・商業登記情報(14項目)
・不動産登記情報(11項目)
・データベーススクリーニング(7項目)
・企業情報(13項目)
・事務所(7項目)
・社長・役員(4項目)
・従業員(4項目)
・商品・技術(5項目)
・サービス(4項目)
・風評(8項目)
・行為要件(4項目)
・支払い(6項目)

特に商業登記情報分析は重要だ。反社会勢力に乗っ取られたような会社は、次のような兆候があるという。

・主要事業の変更(業種転換)
・事業目的間の関連性が低い。事業目的が多岐にわたりすぎている。大幅に変更されている。
・短期間での大規模な増資や小口の増資、減資などが続く。
・商号、本店所在地、役員が頻繁に変わっている。
・複数役員が一斉に退任している。
・会社の合併、分割がある。
・商業登記簿謄本が存在しない。
・登記内容の変更手続が常態的に法定期間を超えている。

その他、インターネット上の風評や、業界情報なども与信管理という意味からも重要である。


個人情報保護法との関係

ひと言でいうと、反社会勢力との対応は、個人情報保護法の例外規定に該当し、本人同意取得や利用目的の通知など、ほとんどの個人情報保護法の義務は免除される。


暴力団排除条例の実際の活用

暴力団排除条例施行以前は、暴力排除条項を盛り込む根拠は政府指針及び企業の監督官庁の指導だけだったが、条例ができたことにより明確な根拠ができ、反社会的勢力と手を切る大義名分ができた。

たとえば東京都の暴力団排除条例は次のように規定している。

「第十八条 事業者は、その行う事業に係る契約が暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる疑いがあると認める場合には、当該事業に係る契約の相手方、代理又は媒介をする者その他の関係者が暴力団関係者でないことを確認するよう努めるものとする。

2 事業者は、その行う事業に係る契約を書面により締結する場合には、次に掲げる内容の特約を契約書その他の書面に定めるよう努めるものとする。
一 当該事業に係る契約の相手方又は代理若しくは媒介をする者が暴力団関係者であることが判明した場合には、当該事業者は催告することなく当該事業に係る契約を解除することができること。」

つまり上記の18条2項で、契約書に暴力団関係者だと分かった時点で即時解除ができるという条項を入れることが努力義務となったのだ。この条項は紙の契約書のみならず、インターネットなどの約款にも盛り込む必要がある。


模範文例まで載っていて実用的

既存の契約相手先と契約を変更することが難しい場合は、相手から暴力団関係企業ではないという誓約書を出してもらうやり方を紹介している。

取引先への説明文案、誓約書のひな形まで掲載しているので便利だ。

暴排条項のサンプルも、最高水準から一般水準、簡易版、再委託をカバーしたひな形、全銀協、日本建設業連合会(日建連)、不動産流通4団体などの具体例、さらに契約解除通知ひな形もあり、非常に実用的である。

従業員や株主についても誓約書のひな形を紹介している。


警察による暴力団情報の提供

アマゾンのカスタマーレビューでは、警察が平成23年12月22日付けの新通達で、従来の「暴力団排除等のための部外への情報提供について」(平成12年9月14日付)を廃止して、事業者が条例上の義務を履行するために必要と認められる限度で情報の提供をするとして、従来の方針(不可欠の場合だけ情報提供をするという消極的な方針)を転換していることを指摘している。

警察も消極的な姿勢を改めたようなので、もし相手が暴力団ではないかという疑念があれば、警察にまずは相談すべきだろう。


反社会的勢力データベース

海外の反社会的勢力については、各種の国際規制違反者リストや、インターポールのMOST WANTEDリストなど、LexisNexis社などが提供する50弱の有償データベースを紹介しており、日本企業と同様に、暴力団排除条例に従った、英文版誓約書のひな形や、解除条項の英文版のサンプルを紹介している。


Q&Aが参考になる

一般人が読んで一番役に立つのは第8章の暴力団排除条例の解説だ。暴力団排除条例を日本で初めて制定した(平成21年10月制定、平成22年4月施行)福岡県の条例起草担当者の黒川氏が説明しているので、大変参考になる。

意見にあたる部分は黒川氏の私見であるとことわっているが、次のような十分突っ込んだ内容の実用的なQ&Aとなっている。(答えは続きを読むに記載したので、参照してほしい)

Q2.暴力団との関係を遮断したいが、報復が怖い。警察は守ってくれるのか?

Q3.機関紙の購読を依頼され購読料を支払った。条例違反になるのか?

Q4.暴力団の世話になったが、謝礼金の代わりに別会社を下請けに使ってほしいと言われた。条例違反になるのか?

Q5.暴力団事務所と知って宅配ピザを届ける行為は、条例違反となるのか?

Q6.オフィスの内装工事を暴力団員経営の会社と契約すると条例違反となるのか?

Q7.暴力団員との親密な交際を噂されている芸能人をイメージキャラクターとして起用したいが、問題はないか?

Q8.宅配便の配送先が暴力団だったが、配達すると条例違反になるか?

Q9.商店会の福引で暴力団組長が当選したら、賞品を渡すと条例違反になるか?

Q10.どんな行為が「暴力団の活動を助長する」か判断できない。条例の規定は問題あるのではないか?

Q12.暴力団事務所に電気、ガス、水道を供給することは条例違反となるか?

Q13.暴力団事務所に新聞を配達することは条例違反か?

Q14.暴力団から損害賠償訴訟を起こされ、和解金を払うことは条例違反か?

Q15.暴力団にスポンサーとなってもらい、利益を得ることは条例違反となるか?


要は相手が暴力団だとわかるまではやむないが、暴力団関係者だとわかったら、取引はしないというきっぱりした態度が肝要だろう。

この本の言うように暴力団排除条例ができたことを理由に、疑わしい相手からは暴力団関係者ではないという誓約書を取り付けるということがまず第一歩だろう。そして万が一暴力団関係者だとわかったら、条例を根拠に取引を止めることだ。

誓約書や契約書、通告文書などの文例も紹介されており、すぐに使えるマニュアルである。

企業の法務や総務担当者でなくても、基礎知識を得るために一度読んでおくことをおすすめする。

Q&Aの答えは”続きを読む”に簡単に書いておくが、実際の回答は詳細にわたるので、是非本書を参照してほしい。


参考になれば次クリック願う。

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マッキンゼー流入社1年目の問題解決の教科書 これが教科書?

マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書 [単行本]
マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書
マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書 [単行本]
著者:大嶋 祥誉
出版:ソフトバンククリエイティブ
(2013-04-27)

エクゼクティブ・コーチングなどの人材育成コンサルタント会社、センジュヒューマンデザインワークス社長の大嶋祥誉(さちよ)さんの本。

大嶋さんは、上智大学卒業後、米国デューク大学でMBAを取得。マッキンゼー勤務のあと、ウィリアム・エム・マーサーワトソン・ワイアット、三和総合研究所などの人材コンサルティング会社やヘッドハンターで勤務した後、2002年に独立した。

編集者は「マッキンゼー流」というタイトルをつけて、売らんかなという姿勢なのだと思うが、アマゾンの、カスタマーレビューでも辛口のコメントが多いようだ。

この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応しているので、ここをクリックして目次を見てもらえれば、大体の内容が推測できると思う。

著者の大嶋さんは、独立して人材育成コンサルタント会社を興しているのは、スゴイとは思うが、マッキンゼー流のフレームワークを学ぶのであれば、読むべきなのは、この本ではない。

別ブログで紹介している「ロジカル・シンキング」と、「ロジカル・ライティング」の2冊だ。

ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution) [単行本]
著者:照屋 華子
出版:東洋経済新報社
(2001-04)

ロジカル・ライティング (BEST SOLUTION―LOGICAL COMMUNICATION SKILL TRAINING)ロジカル・ライティング (BEST SOLUTION―LOGICAL COMMUNICATION SKILL TRAINING) [単行本]
著者:照屋 華子
出版:東洋経済新報社
(2006-03-24)

これらの本の著者の照屋さんは長年、マッキンゼー等で、コミュニケーションのプロとして多くのコンサルタントを教えている。

筆者も読んで、当時大学生だった長男にプレゼントした。

長男は昨年就職して、現在はある会社の地方の寮にいる。

家から持っていた本の中には、「ロジカル・シンキング」と「ロジカル・ライティング」そして、バーバラ・ミントの「考える技術、書く技術」が入っていた。よほど気に入ったようだ。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則 [単行本]
著者:バーバラ ミント
出版:ダイヤモンド社
(1999-03)

照屋さんの本こそ、フレームワークのことを理解するための必読書だということを、この本を読んで、あらためて気づかされた。

2冊とも2,300円と結構高いので、どちらか一冊ということなら、「ロジカル・ライティング」をおすすめする。

照屋さんの「ロジカル・シンキング」は2001年発刊の本、バーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」は1999年の本だが、どちらも、いまだにアマゾンの売り上げ600位くらいに入っている。

本物の「教科書」はどういうものかがわかるだろう。


参考になれば次クリック願う。

勝ち続ける経営 日本マクドナルドの原田社長が経営改革を語る

勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論
著者:原田泳幸
朝日新聞出版(2011-12-07)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

日本マクドナルドの原田社長が朝日新聞のAERAビジネスセミナーで、2010年12月と2011年6月に、経営改革を語った講演録。最初の100ページが講演で、60ページ余りのQ&Aが収録されている。Q&Aも面白い。

セミナーのタイトルは「非常識を常識に マクドナルドの経営改革」というものだったという。

原田さんはマクドナルドに移る前の33年間はIT業界で仕事をしていた。アップル・ジャパンには14年間在籍し、最後の7年間はアップル・ジャパンの社長を務めていた。その原田さんが2004年にアップル・ジャパン社長から日本マクドナルドの社長に転職したときは「マックからマックへの転職」と言われたものだ。

原田さんが日本マクドナルドの社長になる前には、稀代のベンチャー起業家で、創業者の藤田田さん経営の末期で、日本マクドナルドの業績は既存店売上高が7年間マイナスというどん底の状態だった。そんな日本マクドナルドの業績を原田さんは、7年連続プラスに変えた。

このセミナーはそんな原田さんが語る日本マクドナルドの経営改革だ。読んでみると「非常識を常識に」というタイトルは、全く当てはまらないと思う。すべて基本に忠実なオーソドックスなアプローチだったことがよくわかる。


新しいバス

原田さんが入社して、すぐ全社員を集めて次のように宣言したという。

「今から新しいバスが出発する。新しいバスのチケットを買いたい人は買え。買いたくない人はバスに乗らなくてかまわない。」

当時のマクドナルドの年商は4,000億円、それが現在は6,000億円まで拡大している。

日本マクドナルドは1971年の銀座三越での初出店後、20年間で1,000店まで拡大し、その次の10年で3,000店まで拡大した。これが既存店売り上げの減少をもたらし、結果的に経常利益は減少した。創業者の藤田田さんは2002年に社長を退き、2004年に原田さんが社長として着任して経営改革を実施した。


経営不振の原因:QSCの欠如

原田さんが社長として着任した時に、経営幹部からは出店過多でカニバリゼーション(店舗がお互いに客を奪い合っている)が起こっていると説明を受けたが、原因はもっと単純なことだったという。

それはQSCという基本中の基本ができていなかったからだ。Q=クオリティ、S=サービス、C=クレンリネスだ。それにV=バリュー(価値ある食事体験)を入れてQSCVとも呼ぶ。

外食産業では店の売り上げは店長の能力に大きく左右される。急成長したマクドナルドは人材の育成が追い付いていなかった。店長次第で、クルー=アルバイトの満足度も変わる。クルーの満足度は離職率に影響し、離職率が上がるとQSCは低下し、顧客満足度が下がり、売り上げも下がるという悪循環となっていたのだ。

だから原田さんが社長となった最初の年から、今まで「基本に立ち返れ。基本以外はなにもするな。QSCが一番大事」と言い続けているという。


当たり前のことをやる

当たり前のことをやることがビジネスでは最も難しいのだと。当たり前のことをやり、その会社「らしさ」を取り戻したという例は、業績回復企業には共通して見られるという。

原田さん着任前のマクドナルドは、一時はカレーライスやチャーハンを出していた。経営改革の第一歩はマクドナルドらしさを取り戻すため、基本に立ち返るものだった。


ブランド力の向上

マクドナルドのブランドはブランド・ジャパンの評価で、2007年に81位に入ってから毎年上昇し、2011年には4位にまでなった。これは根拠があってのことだという。

それはブランド・ジャパンの評価の4機軸である、フレンドリー、コンビニエント、アウトスタンディング、イノベーティブの4つにあわせて次のような戦略を展開してきたのだ。

★つくり置きをやめて、オーダーを受けてからつくり、”メイド・フォー・ユー”というキャッチフレーズで、味を向上させた。

★100円マックというバリュー商品を打ち出しながら、8年間で6回値上げを実施した。

★地域別価格、24時間営業、マイナスイメージを払拭するためのヘルシーメニューの導入

その結果競合とのQSC差は拡大し、見事に客数の増加につながったという統計が紹介されている。

従業員満足度も忘れてはならない点だという。マクドナルドでは毎年クルーの技能コンテストを開催するほか、16万人いるアルバイトのトレーニングはニンテンドーDSで行っているという。

アウトスタンディングについては、メガマックやマックグリドル、クオーターパウンダーなどのボリュームメニューの効果をマクドナルドらしさの例として説明している。そのための広告戦略にも大変気を使っていることがわかる。ビッグアメリカ・シリーズのハンバーガーは広告効果もあり爆発的な売り上げを記録したという。

マクドナルドのコーヒーはベストクオリティのコーヒーを低価格で提供している。しかしマクドナルドのコーヒーは他の競合店と競争するためのものではなく、あくまでビックマックを売るためのものなのだと。


常に新陳代謝

店舗の新陳代謝も積極的に実施している。2007年の店舗数は3750店余りだったが、不採算店を閉鎖し、新規に出店を重ね、2011年には3,280店になり、店舗当たりの売上高も増加している。

フランチャイズのオーナー・オペレーターは440人から200人に減った。しかしフランチャイズ比率は30%から65%まで増やし、1オーナーあたりの店舗数も増やして、キャシュフローを向上させた。


レストランはピープルビジネス

原田さんはレストランビジネスはピープルビジネスだという。コストダウンで一番大事な点は、コストを削るのではなく、同じコストで売上げを拡大することだ。”もっとお金をつかって、もっと売る提案を持ってこい”と社員には言っているという。

人材への投資は惜しみなく行う。

サービス残業訴訟があったこともあり、クルーの残業を肩代わりしていた店長に残業手当を出すようにした。しかし今はクルーを増やしているので、店長がクルーの代わりに残業するという事態はなくなり、店長の残業手当支給はほぼゼロだという。


経営理念

三木谷さんの「スピード、スピード、スピード」は有名だが、原田さんもビジネスではスピードが何よりも大事と語る。だからeクーポンに力を入れ、ニンテンドーDSを使ったマックでDSも力をいれている。

マクドナルドの経営では、成果主義を徹底し、年功序列を廃止したという。マクドナルドでは降格は決して恥ずかしいことではないという文化が生まれつつあるという。

原田さんは社員に3年以内にどういう後継者を作りますかとよく聞くという。人材のパイプラインが重要なのだ。


マクドナルドの場合は”Think Global, Act Local”

楽天などの企業はThink Global, Act Globalなのだろうが、マクドナルドの外食産業の場合は、Think Global, Act Localなどだと。だから日本語で考えて、日本語でしゃべれ。英語で考えて、英語でしゃべれ」と社員には言うという。


原田語録

講演の最後に、原田さんがいつも社員に言っている言葉が紹介されている。大変参考になるので紹介しておく。

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出典:本書101ページ


Q&Aも面白い

60ページにわたるQ&Aも面白い。印象に残った回答を箇条書きで紹介しておく。

★マネジメントはなんといってもコミュニケーションが一番大事。

★マックフライポテトは独自性のない商品のように見えるかもしれないが、あの長さでカリカリに揚げるのは大変なノウハウ。ポテトは揚げたあと7分で廃棄するという。テイクアウトしてレンジで温める人が多いのが残念だと。

★やはりチーズバーガーが一番おいしい。
(気持はわかる。筆者はダブル・クオーター・パウンダー・チーズのケチャップをスプーンで取り除いてから食べるのが一番うまいと思う)

★キャリアを自分で考えるな。キャリアとは周りからくるものと思え。

★チームのパフォーマンスを最大化するのがリーダー

★社長は職位ではない。職種であり、現場に行くのも自分の命題の発見のために行く。たとえばコーヒーのクリームとガムシロップのパッケージが同じ白で、間違えやすかったのに気づいて色分けさせたが、これは経営の課題。

★座右の銘はない。推薦書もない。

★学生時代のデパートの集金のアルバイトが役に立った。5000円の集金なら500円とりあえずもらい、毎週行って5000円回収できる。10人いれば、9人が”また来て”という答えだったという。生活設計にけじめのない人がツケで買っているということだ。

★風土はトップしか変えられない。


原田さんは最後に、「当たり前のことをちゃんとやれ」ということが、世間一般では驚くほどできていない、だから重要なのだと。あたまにスッと入る実践的経営論である。


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ポジショニング戦略 世界で30年間読み続けられるマーケターのバイブル

ポジショニング戦略[新版]ポジショニング戦略[新版]
著者:アル・ライズ
海と月社(2008-04-14)
販売元:Amazon.co.jp
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先日読んだ日本コカ・コーラ会長の魚谷さんの「こころを動かすマーケティング」に、マーケターの教科書として取り上げられていたので読んでみた。

こころを動かすマーケティング―コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられるこころを動かすマーケティング―コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる
著者:魚谷 雅彦
ダイヤモンド社(2009-08-07)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

邦訳第1版は1987年に電通出版事業部が自ら訳して出版している。いかに広告業界で広く読まれているかがわかる。

最初にマーケティングの泰斗フィリップ・コトラーの序文が載っている。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
著者:フィリップ・コトラー
朝日新聞出版(2010-09-07)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

コトラーによると、ポジショニングには次のような方法がある。

.「商品特性」によるポジショニング
ボルボは安全性というポジショニングで成功した。フォルクスワーゲンのビートルの広告は「シンク・スモール」だった。

.「価格」によるポジショニング
ハーゲンダッツは高級アイスクリームというポジションを確立した。ビールのミケロブは国産プレミアムビールという市場がなかったので、そこで成功した。

筆者も最初にピッツバーグに駐在した時は、ミケロブばかり飲んでいた。バドワイザーよりほんの少し(たしか6本で1−2ドル)高いだけだが、コマーシャルが高級感を与えていた記憶がある。

.「路線」によるポジショニング
下着メーカーのヘインズは、デパート向けとスーパー向けを別ブランドで展開している。

.「広告宣伝」によるポジショニング
ピザ・チェーンのリトル・シーザースは「1枚の値段で2枚のピザ」広告で成功した。ジャマイカを「カリブ海のハワイ」と呼んだ広告が成功した。

乾電池市場でナンバーワンだったエバレディを、アルカリ乾電池=デュラセルという商標で逆転した。

.「対抗」型ポジショニング
エイビス・レンタカーの「我々はナンバー2です。だからより一層努力します」という広告で、一位のハーツに近づいた。

敵のポジションを崩すことも有効だ。アスピリンをターゲットとしたタイレノールのCMは、アスピリンを飲むと胃が荒れることを攻撃した。


ポジショニング戦略は、穴を探してそれを埋めることだという。訳者あとがきには、ポジショニングとは「商品ではなく、消費者の側から発想せよ」というものだという。なんだかよくわからない説明だ。

著者のアル・ライズジャック・トラウトはマーケティングの専門家で、それぞれ自分のマーケティング会社を経営している。

この本は「ポジショニング」という新しい概念を広告業界に持ち込んだ最初のもので、成功したポジショニング事例、失敗したポジショニング事例を挙げておりわかりやすい。

一位と二位のポジショニングを紹介しておく。

★消費者の頭の中に入り込む簡単な方法は、一番乗りすることだ。コトラーは上記の類型を挙げているが、どんな形であれ一番乗りできればそれにこしたことはない。たとえばコカ・コーラは「ザ・リアル・シング」というコマーシャルを打った。世界トップブランドゆえにできるCMだ。

しかし既に他社が一番乗りしているケースがほとんどなので、2番手以降でどうポジショニングして一位を切り崩すかがポイントだ。

★一位を切り崩すことが容易ではない場合もある。たとえば米国のタイヤメーカーはすべてオハイオ州アクロンに本社がある。アクロンでは「グッドリッチが発明し、ファイアストンが改良し、グッドイヤーが売る」と言われているという。名前も似ているし、グッドリッチは、スティールベルト付きラジアルタイヤを発明したのに、いくらやってもグッドイヤーに勝てないのだ。

★コンピューターを発明したのはスペリーランドだが、消費者の頭の中にコンピューターという商品を受け付けたのはIBMだ。

アメリゴ・ベスプッチコロンブスとの関係でも言える。コロンブスはアメリカ大陸を発見したが、コロンブスは黄金を求めるあまり口をつぐんだ。アメリゴ・ベスプッチはコロンブスに5年遅れたが、アメリカをインドとは違うとポジショニングし、航海記を「新世界」として発表した。「新世界」は、40カ国語に訳された。

アメリカ大陸はベスプッチにちなんで命名された。コロンブスは獄中で死んだ(?)という。


身近な製品のコマーシャルが取り上げられているという点で、魚谷さんの本の方がわかりやすいが、その魚谷さんが推薦するマーケターの教科書ということなので、一読の価値はあると思う。


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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだらもし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
著者:岩崎 夏海
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2009-12-04
おすすめ度:4.0
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ドラッカーと女子マネという一見関係のないことを結びつけたビジネス小説。なんとアマゾンの本の売り上げランキングで第5位のベストセラーだ。

作者の岩崎夏海さんは、放送作家としてバラエティ番組に参加、AKB48のプロデュースなどを経て、現在はマネージャーとして芸能関係で働いている。この小説の登場人物も、AKB48のメンバーを意識して書いたという。先日の朝日新聞の土日版にも登場していたが、夏海という名前だが男性である。

この本の発端は、岩崎さんがドラッカーの「マネジメント」を読んで感動し、日本の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだらどうなるだろうという構想を思いついたことだ。その構想を自分のブログで発表したら、小説にしてはどうかという話がダイヤモンド社から寄せられ、この本が誕生した。

ダイヤモンド社はドラッカーの著作を多く出版している。

マネジメント - 基本と原則  [エッセンシャル版]マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]
著者:P・F. ドラッカー
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2001-12-14
おすすめ度:5.0
クチコミを見る

大学生の息子が買って読んで、大した本ではなかったと言うから、積ん読になっていたが、別ブログで紹介した柳井さんの「わがドラッカー流経営論」という本を読んだついでに読んでみた。

電車のなかでブックカバー無しで、おっさんが読むのは恥ずかしいような表紙だし、正直バカにしていたが、読んでみたら、これが結構面白い。


ドラッカーの経営論を高校野球のチーム経営に生かす

女子マネとマネージャーを結びつけたのは、奇抜な発想ではあるが、高校野球のチーム経営でもドラッカーの経営論が生かせる。顧客創造から始めて、マーケティングとイノベーションの2大武器と、知識労働者としてのスタッフを育成することで、高校野球のチームでも成功できるのだ。

筆者のポリシーとして小説は詳しいあらすじは紹介しない。簡単にだけ紹介しておく。

小学校の時に男子に混じって活躍していた野球少女が、しだいに男子との力の差を思いしらされ、野球をキライになる。野球に対してそんな複雑な気持ちを持つ女子高生が、病気入院中の親友に代わり高校野球の女子マネになる。

「マネージャー業」を学ぶするために、ドラッカーの超ベストセラー「マネジメント」で勉強する。そして先生や選手も含めて仲間をどんどん増やして、最後には強いチームを作り上げるというストーリーだ。

ところどころにドラッカーの教えが引用されて出てくる。

まずは「野球部の顧客は誰か」という質問から始まる。クイズ集の様に、自分でも考えてみると面白い。そして得られた高校の野球部の定義は、「顧客に感動を与えるための組織」というものだ。

ドラッカーの経営の2大武器の一つの、マーケティングは部員全員、部長(専門家というカテゴリー)、その他の関係者の野球部に対する期待をよく聞くことから始まる。

もう一つの武器のイノベーションは、野球部監督(東大野球部卆のこの高校のOBという設定)の持論である、高校野球を面白くなくしているバント多用主義とボール球を打たせる主義の2つの戦術に対するアンチテーゼの、「ノーバント・ノーボール」戦術だ。

練習方法にもイノベーションと競争原理を取り入れる。部員を3チームに分けてそれぞれ競わせて練習し、ピッチャーだけは別メニュー。

他の運動部との相互助け合いの一環で、陸上部との練習で走力をアップし、ピッチャーは柔道部と練習して足腰を鍛える。

小学生を招いて野球教室を開いたり、甲子園出場者を多く擁する私立大学有名野球部との交流とかの校外活動で、野球技術向上の機会をつくる。そして同時に応援の輪を広げる。

モデルケースを考えることも、頭の体操になって楽しい。

この程度の紹介にとどめておくが、少女漫画のような表紙を見て食わず嫌いにならず、是非中身を読んで欲しい本だ。


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