時短読書のすすめ

「あたまにスッと入るあらすじ」作者が厳選するあらすじ特選。その本を読んだことがある人は記憶のリフレッシュのため、読んだことがない人は、このあらすじを読んでからその本を読んで、「時短読書」で効率的に自己啓発してほしい。

2014年05月

祝!アジアカップ優勝!なでしこ力 佐々木則夫さん監督の本 再掲

2014年5月25日再掲:


なでしこジャパンがベトナムで開催されたアジアカップを制した。

今大会好調な岩清水選手の得点も良かったし、川村選手の守備もよかった。





決勝トーナメントではフォワードの中核の大儀見選手を欠き、決定力不足が心配されたが、1点を守り抜き、チーム力の勝利だった。

筆者もテレビ観戦した。後半は攻め込まれる場面が多かったが、なんとか守り抜いた。新しい選手も出てきており、徐々にではあるが新旧交代も進んでいるという印象を受けた。

佐々木監督の手腕はたいしたものだと思う。なでしこジャパンのアジアカップ優勝を祝して、佐々木則夫監督の「なでしこ力」を再掲する。


2014年3月24日初掲:






会社で佐々木則夫さんの講演を聞いたので、読んでみた。

ちょうどソチ冬季オリンピック開幕前だったので、「今の時期は、なでしこは"ソチのけ"で…」とかいったおやじギャグを飛ばすノリの人だった。

レジリエンス・ジャパン(国土強靭化計画)のポスターでは精悍なイメージがあるが、めちゃくちゃ面白い人だ。

佐々木監督





























出典:国土強靭化HP

講演を聞いただけだったら、「人を楽しますことを常に心がけている気配りの人」という印象で終わっただろうが、本を読んで驚いた。

帝京高校のサッカー部が全国優勝した時のキャプテンなので、都会出身の順調な人生を送ってきた人かとおもったら、大変な苦労人だった。


「観葉植物」

この本で「観葉植物」という一節がある。ここで佐々木さんの生い立ちを書いている。

佐々木さんは山形県尾花沢市出身。関東地方に出稼ぎに出ていた両親と別れて、山形の祖母の家に預けられていた。一人っ子だったので、おばあさんと二人で暮らし、佐々木さんが小学校2年の時におばあさんを看取った。

だんだん衰弱していくおばあさんに気づいて、常におばあさんのことを気遣っていたから、相手を気遣う性格が養われたのだろうと。

おばあさんが亡くなると、両親と一緒にお父さんの土木工事会社の従業員との共同生活を始めた。

土木工事会社なので、作業現場に近いところに住み、現場が変わると、また次の現場の近いところに住むということで、毎年のように転校していたという。転校ばかりしていたので、悪い仲間に誘われ万引きの見張りをやらされそうになったこともあった。

6年生のころは、サッカー仲間が出来た学校から転校するのが嫌になり、2時間かけて通って、友達の家に居候させてもらった時期もあったという。

埼玉県の芝中学時代は足が速く、運動神経抜群だったので、1年生でレギュラーになったが、スキーに行って足を怪我してしまい、その後怪我の連続で、結局公式戦は出場ゼロだった。

中学のサッカー部の先生の口利きで、帝京高校に入り、持ち前の走力を生かして1年生からレギュラーになり、帝京高校サッカー部のキャプテンで高校日本一となり、高校全日本代表チームのキャプテンを歴任した。

明治大学を経て、ノンプロのNTT東日本(現在の大宮アルディージャ)に就職してからも貧乏くらしだった。

今の奥さんと付き合っていて、実家に招いた時に、畳の隙間から雑草が生え出ていたのを、「観葉植物」だと冗談で言った。これで嫌気がさすようであれば、付き合うのをやめようと思っていたという。幸い奥さんは気にせず、結婚して今はお嬢さん一人と犬がいる。

これが「観葉植物」の由来だ。


男子選手と女子選手の違い

佐々木さんはNTT東日本で現役サッカー選手を引退後は、サッカー部の監督もやったが、24年間ずっと平社員だった。NTT東日本時代は、滞納者からの未払い料金回収や、利用者の苦情に対応する電話料金担当や、広報担当などをやっていた。

料金担当は、ユーザーから様々な要望が寄せられるので、臨機応変な対応が求められ、やりがいのある仕事だったという。その経験がコーチ業にも活かされている。

その後、日本女子サッカー代表チームのコーチに就任した時、すぐに足を怪我して、選手の練習に付き添えない状態だった。

この時、冗談まじりで「コーチになったけど、怪我したので、すぐにクビかも」と一人の女子選手に言ったら、チーム全員が佐々木さんを気遣っていたという。

女子選手はみんな相手を気遣う気持ちが強いので、たとえコーチであっても、誰かの不安が伝播して、共有してしまい、チーム全体の士気に影響することを初めて知ったという。

佐々木さんは講演の中で、「必ずやろうと思うこと」の一つに、「トイレ使用後、トイレットペーパーを三角に折ること」を挙げていた。

筆者はトイレットペーパーを三角に折るのは、掃除の人が掃除が終わった印だと思っていた。まさか、男性で三角に折る人がいるとは!初めて知った。佐々木さんの人柄を表しているエピソードだと思う。

この辺が気配りの人・佐々木さんが女子サッカー指導者としてまさにハマるところだろう。


指導者の11の心得

佐々木さんの指導者の11(イレブン)の心得は次の通りだ。

1.責任
2.情熱
3.誠実さ
4.忍耐
5.論理的分析思考
6.適応能力
7.勇気
8.知識
9.謙虚さ
10.パーソナリティ

講演では、ここまでをスライドで示し、そして次のスライドで、11.コミュニケーションと追加した。

まさにコミュニケーションの達人、佐々木さんが最も言いたいところだろう。

しかも、これらの11項目は、足し算ではなく、掛け算で、一つでもゼロがあるとすべてがゼロで、その人に指導者の資格はないと語る。

サッカーはチームとしての「集団的知性」(”多くの個人が協力したり切磋琢磨しあうことにより、その集団自体に知能や精神が存在するかのように見える知性”)が大事で、めざすはソーシャル・フットボールだと講演でも語っていた。

しっかりとした考え方のもとで、チームを育成する様々な気配りの一端が紹介されている。

なでしこらしい選手のイメージは、ひたむき、芯が強い、明るい、礼儀正しい、の4つだ。他国のチームの選手が、試合前に上着を投げ捨ててスタッフに拾わせているのに対し、なでしこジャパンの選手は自分できちんと折りたたんで、並べて置いて、他チームの監督にも感心されたことがあったという.

ちょうどアルガルベカップが開幕したところで、なでしこジャパンは世界最強の米国と引き分けた。 ぜひ優勝めざして頑張ってほしい。



なでしこジャパンを率いるのに最適の人。それが佐々木監督だと思う。これからも、なでしこジャパンを応援したくなる本である。


参考になれば次クリックお願いします。


統計学が最強の学問である あたまにスッと入らない統計学のすすめ



家内が図書館から借りていたので読んでみた。

町田の図書館でも10冊蔵書があり、80人が予約していて、なかなか人気のある本だ。まさに、本はタイトルで売れるという好例だろう。

同じ著者・西内啓さんの、「1億人のための統計解析」の読んだ。こちらは、「統計学が最強の学問である」に輪をかけて理解できなかった。

エクセルを使うと相当高度な分析までできることはわかったが、ケースもあまり興味を惹くものではない。実際にエクセルを立ち上げて、試してみればまた違うのかもしれないが、そこまで興味が持てなかった。

ちなみに、ケースは1.和食レストランの夜の売り上げを増やす、2.事務機器販売の販売戦略を立てる、3.情シスの手助けなしで、ECサイトの顧客行動を分析する、4.画像処理機器の過去5年のデータを元に販売予測を立てる、というものだ。



さて、この「統計学が最強の学問である」という本だが、はっきり言って「統計学のすすめ」であって、「入門書」ではない。

しろうと向けに書かれた本にしては、難しすぎる。あたまにスッと入らないし、この本を読んでも単語の意味すらわからない。

たとえば、この本でよく出てくる「カイ(χ=ギリシャ文字)二乗(じじょう)検定」と「p値」だが、言葉の説明すらない。その部分を引用すると(本書83ページ)、

「こうしたクロス集計表(ある企業のA/Bテストの結果が前に出てくる)について『意味のある偏り(かたより)』なのか、それとも『誤差でもこれぐらいの差は生じるのか』といったことを確かめる解析手法に『カイ二乗検定』というものがある。…」

というぐあいに、結局「カイ二乗検定」というものが何なのか、わからずじまいだ。

同様に、この本で頻出する「p値」だが(本書84ページ)、

「この『実際には何の差もないのに誤差や偶然によって、たまたまデータのような差(正確にはそれ以上に極端な差を含む)が生じる確率』のことを統計学の専門用語で「p値」という。

このp値が小さければ(慣例的には5%以下)、それに基づいて科学者たちば、『この結果は偶然得られたとは考えにくい』と判断する。」

この「カイ二乗分析」や「p値」といった消化不良の専門用語が、この本のところどころに出てくるので、フラストレーションが溜まる。

目的がいわゆるビッグデータに興味がある人なら、以前このブログで紹介したトーマス・ダベンポートさんの「分析力を武器とする企業」が世界的ベストセラーで、具体例を満載しているので、こちらの方が良いと思う。

分析力を武器とする企業
トーマス・H・ダベンポート
日経BP社
2008-07-24


ちなみにダベンポートさんの本では、この本にも取り上げられている「オムツを買う人は、ビールも一緒に買う」という事例のルーツを調べた結果、それは都市伝説であろうと結論づけている。

ともあれ、参考になる点をいくつか紹介しておく。

★あみだくじ必勝法
あみだくじにも当たる確率がある。この本で紹介されている8本の縦線、4本の横線のあみだくじの場合、4番目の線の当たる確率が21%で、一番右の8番目の線は3.3%だという。

★ダイレクトメールで売上を上げる方法
西内さんがかかわった案件で、いままで漫然と送っていたダイレクトメールを、「どういった顧客には送り、どういった顧客には送らないか」を最適化することで、同じコストで、売上を6%上げる「ズル」ができたという。

DMによるマーケティングの高度化に興味がある人には、まずはこのブログの詳細なあらすじを読んでから、「TESCO顧客ロイヤルティ戦略」を読むことをおすすめする。

Tesco顧客ロイヤルティ戦略
C. ハンビィ
海文堂出版
2007-09


★サンプリングが情報コストを激減させる
分析対象のデータをすべて分析対象とする実務上の必要はない。「標準偏差」という考えが80年以上前に統計学で生まれた。

たとえば失業率が6%、標準偏差が0.5%だったとしたら、失業率が6%+/ー1%の5〜7%に収まっている確率は95%だということだ。

ある一定数のサンプル数があれば、それ以上増やしても、標準偏差の差は小さい。たとえば10万人の顧客のデータを調べる時、8,000名まで調べれば、標準偏差は1%となり、実務上はかなり正確なデータとなる。

ちなみに、前述のTESCOは、以前は全英のスーパーマーケットの売上POSデータの5%を分析対象としていた。競合のSainsburyは100%分析しているので、現在はもっと精度を上げてきているかもしれない。

★世間にあふれる因果関係を考えない統計解析
この説明も参考になる。たとえば、ある商品の購入者にその商品の広告を見たかと聞くと、5割近くが見た・たぶん見たと回答したとする。これで単純にキャンペーンの効果があったと結論づけることはできない。

非購入者にも、その商品の広告を見たかと聞くと、非購入者の方が広告を見たという結果が出ることがあるからだ。

「広告を認知していたから商品を購入した」のか、「商品を購入したから広告をその後も認知していた」のかがわからないのだ。これが「因果関係の向き」だ。

★「ランダム化」は最強の武器
現代統計学の父として、この本で紹介されているロナルド・フィッシャーは、ミルクティーは牛乳を先に入れるか、紅茶を先に淹れるかで議論になったときに、それぞれの淹れ方のカップを10個用意して、ランダムに置き、婦人にテストさせた。1920年代末のことだ。

これがランダム化比較実験の最初だという。その他にもフィッシャーは、農地を40に分割して、ランダムに20カ所選んで、肥料Aと肥料Bをテストするといったランダム化実験を行っている。

ちなみに婦人は正確に違いを言い当てたという。その後2003年に英国王立化学協会は、牛乳は75度を超えると変質するので、牛乳は紅茶の前に注がれるべきだと発表しているという。

なるほど、だから低温殺菌牛乳は65度とか75度とかで加熱殺菌しているので、味が変わらないのだろう。



もっとも、日本の普通の牛乳の場合は135度で数秒殺菌しているので、日本の牛乳でミルクティーを作れば、どちらが先でも味は変わらないかもしれない。

★「ミシンを2台買ったら1割引き」で売上は上がるのか?

アメリカで成功したキャンペーンの事例だ。このキャンペーンにより、顧客はわざわざ友人や隣人を誘って、共同購入を呼び掛けた。つまり、優秀なセールススタッフを雇い入れるのと同じ効果があったのだ。

ミシンを2台も買う人はいないので、不発に終わったキャンペーンでは?という第一印象だったが、なるほどと思う。こんな考え方もあったのだ。

この本の後半はかなり専門的な説明で、回帰分析一般化線形モデル重回帰分析ロジスティック回帰、テキストマイニングの「形態素解析」、ベイズ派と頻度論派の確率をめぐる対立、といった話題が紹介されている。

筆者が大学の教養課程で受けた統計学の授業の教官は、たしか村上さんだったと思う。てっきり、村上陽一郎教授だとばかり思っていたが、村上正康教授かもしれない。村上正康教授は、「統計学演習」という本を出している。

統計学演習
村上 正康
培風館
1989-01



チャレンジしてみたい人にはいいかもしれないが、統計学の入門書としては、ちょっと難しいので、統計学のすすめとして読むのが良いと思う。


参考になれば次クリックお願いします。


分析力を武器とする企業 データ分析の教科書

分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学
著者:トーマス・H・ダベンポート
販売元:日経BP社
発売日:2008-07-24
おすすめ度:4.0
クチコミを見る

データ分析を経営に生かす実例とその理論や分析ツールを解説したデータ分析の教科書。

英国のデータ分析専門会社の人から紹介されて読んでみた。。

この分野は筆者が特に興味を持っている分野なので、いままで「CRMの実際」という日経文庫や、流通業界では世界最高峰の英国TESCOのCRMを取り上げた「TESCOの顧客ロイヤリティ分析」などを読んで研究してきた。

CRMの実際 (日経文庫)CRMの実際 (日経文庫)
著者:古林 宏
販売元:日本経済新聞社
発売日:2003-04
おすすめ度:3.5
クチコミを見る

Tesco顧客ロイヤルティ戦略Tesco顧客ロイヤルティ戦略
著者:C. ハンビィ
販売元:海文堂出版
発売日:2007-09
おすすめ度:2.5
クチコミを見る

日経文庫は2003年の本だが基本を抑えるのには適している。

TESCOの本は、ポイントカードを使ったCRMはどうあるべきかという実例を詳しく紹介しており大変参考になった。このブログでも原著の第2版のあらすじを詳しく紹介している。

ポイントカードを使った顧客管理を突っ込んで研究したい人は、2004年に出た第1版の翻訳である日本語版の「TESCO顧客ロイヤルティ戦略」よりは、テスコクラブカード戦略の見直しまで取り上げている2008年に出た英語の第2版「Scoring Points」の方をおすすめする。

Scoring Points: How Tesco Continues to Win Customer LoyaltyScoring Points: How Tesco Continues to Win Customer Loyalty
著者:Clive Humby
販売元:Kogan Page Ltd
発売日:2008-09
クチコミを見る

筆者が読んだ時は、ハードカバーしかなかったが、現在はペーパーバック版が出ているので、アマゾンで2,500円で買える。

話が横道にずれたが、「分析力を武器とする企業」は、基本も抑え、各社の実例も広く浅く紹介している。

次の表のような顧客分析を生かす企業の実例が取り上げられている。

分析志向の企業リスト













出典:本書23ページ

分析力を武器にする企業は次の4つの特徴を持つという。

1.分析力が戦略的優位性のベースになっている。

2.分析に組織を挙げて取り組んでいる。

3.経営幹部が分析力の活用に熱心である。アマゾンのジェフ・ベゾスが良い例だ。

4.分析力に社運を賭け戦略の中心に置いている。


参考になった具体例をいくつか紹介しておく。

★ネットフレックス

オンラインDVDレンタル。日本のツタヤDISCUSや、テレビで盛んに宣伝しているDMM.COMのようなサービスだ。

DVDの送料は無料、貸出期限は無制限、延滞料は一切無し。借りたDVDを返せば、次のDVDが借りられるというシステムだ。

ネットフレックスは「シネマッチ」というアルゴリズムを組み込んだ映画リコメンドエンジンを持っている。顧客の好みを分析して、映画を推薦するのだ。

ネットフレックスは100万ドルの賞金を出して、社内外の力を借りて「シネマッチ」のアルゴリズムを10%以上改善したという。

ネットフレックスの最優先顧客はめったに借りない会員だという。月額料金は固定なので、めったに借りない人の方が利益率が高いので、この種類のお客をつなぎ止めておくことが重要だ。

いずれはDVDレンタルはオンラインダウンロードに変わるだろうが、ネットフレックスは自社の分析力さえあれば、バーチャルに移行しても利益は上がると自信を持っているという。


★ボストンレッドソックス

データ分析をプロ野球に利用して成功したオークランド・アスレティックスの例は、「マネーボール」という本に詳しい。この本も近々読んでみる。

マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)
著者:マイケル・ルイス
販売元:ランダムハウス講談社
発売日:2006-03-02
おすすめ度:4.5
クチコミを見る

まだ松坂大輔が加入する前、ボストンレッドソックスは2002年に野球のデータ分析の専門家を雇って、成果を上げ、2003年にはアメリカンリーグのチャンピオンシップシリーズに進出する。

しかしヤンキーズとのチャンピオンシップシリーズでは、監督のグレディ・リトルはデータ分析の専門家の意見を退け、優勝がかかる第5戦先発のペドロ・マルティネスをデータ分析による限界の105球を超えて8回にも登板させた。

データ分析ではペドロ・マルティネスは、105球までなら相手チームの打率は2割3分だが、106から120球だと打率は3割7分に上がっていたのだが、監督は自らのガットフーリング(直感)を信じたわけだ。

筆者は今でも覚えているが、たしかこの第7戦の大逆転劇で、松井が同点のホームを踏んで、躍り上がって喜んでいたことを思い出す。YouTubeにその時のビデオが載っている。



2003年で監督はクビ、翌年は分析力と戦力補強が役立ち、86年間の「ベーブ・ルースの呪い」を破って念願のワールドシリーズを制覇したのだ。


★ロッキー・マウンテン・スチール
昔鉄鋼原料を取り扱っていた筆者には懐かしい名前だ。ロッキー・マウンテン・スチールはオレゴンスチールの子会社でシームレス鋼管を製造していたが、不況で生産中止していた。

筆者の記憶が正しければ、この会社は昔のUSスチールの工場ではないかと思う。戦争中に万が一敵が西海岸に侵攻してきても、ロッキー山脈のあたりにあれば、爆撃にも平気だということで建設した工場ではなかったかと思う。

鋼管市況が高騰したので、社内外の生産再開を求める声に対し、副社長のロブ・サイモンは"profit insight"というソフトウェアで再開時期を分析し、製品販売での逸失利益を出すことなく工場再開を決めたのだという。

ロッキー・マウンテン・スチールは今はEvrazという会社の一部門になっているようだ。


★マス広告の問題点

マス広告の問題点は、デパートの先駆者のジョン・ワナメーカーが嘆いたように「広告費の半分は無駄に失われている。だが、それがどの半分かがわからない」点だ。

それを科学的に分析するのが、現代の広告業界が力を入れている分野だという。DDB Worldwide社の子会社のDDBマトリクス社が有名だ。

ちなみにDDB Worldwide社のホームページには"Fun Theory"という、人は面白ければ動くという一連の広告活動が紹介されている。

階段をピアノの鍵盤のように改造して、音が出るようにしたら、エスカレーターより階段を使う人が増えたという。フォルクスワーゲンの広告で、興味深い実験が紹介されている。


データ分析のウソ

★英国の名宰相ベンジャミン・ディズレーリは「嘘には3種類ある。嘘、大嘘、統計だ」と語ったという。恣意的な統計は人を欺くこともできる。

★紙おむつとビールの伝説は都市伝説
オスコというドラッグ・ストアチェーンが話の元らしいが、オスコではビールと紙おむつと一緒に陳列したことはないし、そもそもビールを売っていない店もあるという。

この例を紹介して、データ・マイニング・ソフトなどを使ってデータを分析するだけでは不十分で、統計分析のスキルを備えたデータ分析のアナリストが社内に必要だと力説している。

興味のある人向けに、用語解説とツール解説を続きを読むに載せる。

データ分析の用法、手法、ツールなど、広く浅くトピックスを取り上げていて参考になる本だった。


参考になれば次クリックお願いします。


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