時短読書のすすめ

「あたまにスッと入るあらすじ」作者が厳選するあらすじ特選。その本を読んだことがある人は記憶のリフレッシュのため、読んだことがない人は、このあらすじを読んでからその本を読んで、「時短読書」で効率的に自己啓発してほしい。

2014年03月

からのゆりかご おどろくべき英国の強制児童移民の実態

からのゆりかご―大英帝国の迷い子たち
マーガレット ハンフリーズ
近代文藝社
2012-02-10


英国が英連邦各国の白人優越主義を守るため、私生児や孤児など恵まれない児童を1900年頃から1980年頃まで、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、ジンバブエなどに送り出した児童移民計画を明るみに出した本。

"Oranges and Sunshine"という題で映画化もされている。



オレンジと太陽 [DVD]
エミリー・ワトソン
角川書店
2013-03-29



著者の英国ニッティンガム在住のソシアルワーカーのマーガレット・ハンフリーズさんは、仕事の延長で養子問題を調べるプロジェクトを1984年に立ち上げた。

そして2年後の1986年に、ハンフリーズさんは彼女の養子問題研究を知ったオーストラリアのアデレード在住の女性から手紙を受け取る。

彼女は早くして両親を亡くして孤児院に入り、4歳でオーストラリアに移民してとして送られてきたのだという。

ハンフリーズさんは、4歳の子供を移民に出すなど、ありえないと思ったが、調べてみるとこの女性以外にも子供の時にオーストラリアに一人で移住して、自分の出生証明書も持っていないという人が多くいることがわかる。

これらの児童移民の英国での親族、ルーツ探しに協力しながら、ハンフリーズさんは児童移民は1900年ころからキリスト教の福祉施設やクリスチャン・ブラザースなどの修道士などが、英国の身寄りのない、あるいは親が何らかの事情で子供を育てられない子供を英国連邦の各国に児童移民として送り込んでいることを知る。

判断力のない子供を移民に送り込むなんてありえないと、ハンフリーズさんは考えたが、調べていくとその数は80年余りで10万人にも上ることがわかった。

特に太平洋戦争が始まった前後は、日本軍がシンガポール、インドネシアと侵攻してきて、オーストラリアまで迫る勢いだったので、オーストラリア軍を増強するために、数年すれば兵士になれる10代前半の子供を積極的に受けいれていたことがわかった。

英国もこれらの英連邦諸国の要請にこたえ、児童移民を組織的に送っていたのだ。

ハンフリーズさんの活動は、BBCでドキュメンタリー化され、オーストラリアでも番組が作られた。

そして映画化された。



中には、親には養子に出したと偽って、子供を英連邦諸国に送り込んだケースもあるという。

豪州政府、英国政府は事実を認め、2009年〜2010年に首相が謝罪している。

この本では、ハンフリーズさんが何度もオーストラリアや英連邦諸国を訪問して、元児童移民の人たちの親族や親、故郷のことなどを、移民の記録や孤児院の記録など、多くの記録を探しながらたどっていく様子がノンフィクションとして紹介されている。

子供を勝手に移民させてしまうという、あり得ない話だが、実話である。

冒頭の表紙の写真だけ見ると、子供たちはちゃんとスーツを着て、良い待遇でオーストラリアに着いた様に見えるが、実はスーツは写真を撮るためだけに着せられたのだと元児童移民は語っている。

ハンフリーズさんの活動を好ましく思わない何者かに、ハンフリーズさんは狙われる危険を冒して、元児童移民に尽くしていたことが紹介されている。

感動の実話である。


参考になれば次クリックお願いします。


中国はもう終わっている 二人の帰化日本人の対談



中国からの帰化日本人の石平さんと、台湾からの帰化日本人の黄文雄さんの対談。

この本はアマゾンの「なか見、検索!」に対応していないので、ちょっと長くなるが、”なんちゃってなか見、検索!”で目次を紹介しておく。

第1章 中国経済の崩壊でこれから何が起こるのか
・中国の株価下落でなぜ世界が大騒ぎしたのか
・いまごろリーマン・ショックのつけが表面に
・中国でシャドーバンキングはなぜ生まれたのか
・中国の不良債権は300兆円
・地方政府の崩壊が秒読み
・ますます信用できなくなっている中国の統計
・続々と撤退する外国資本と大量失業者の発生
・中国社会を崩壊させる2つのグループ

第2章 習近平体制は間もなく破綻する
・身内を攻撃する習近平
・習近平と江沢民派との闘いが始まった
・習近平は「大政奉還」を狙っている
・毛沢東路線に回帰する習近平
・習近平が煽るウルトラ・ナショナリズム
・憲政をめぐって分裂する中国
・中国で民主化は可能なのか
・李克強は習近平に取って代わるか
・胡錦濤と習近平の「最終戦争」

第3章 日中はこうして激突する
・アベノミクスを執拗に攻撃する中国
・中国とともに沈没する韓国
・オバマに「宿題」を突きつけられた習近平
・スノーデン問題で冷え込む米中関係
・着々と進む安倍政権の「中国包囲網」
・TPP経済圏の出現に焦る中国
・中韓接近で変化する朝鮮半島情勢
・中国と接近した国の末路
・中国は尖閣問題をどうしたいのか
・中国の本当の狙いは南シナ海か
・習近平が恐れる軍部の暴走
・靖国問題はもう中国のカードにならない
・沖縄問題と反原発に媚中派が結集
・沖縄は中国に飲み込まれるか
・台湾も香港も中国離れが進む

第4章 2014年世界から見捨てられる中国
・偽りの経済成長で深刻化する大気汚染と疫病蔓延
・350年前の人口爆発から始まった環境汚染
・環境悪化が中国の経済成長を不可能にする
・ウイグル問題の爆発が迫っている
・世界から締め出される中国
・日本は中国崩壊に備えよ

目次を読むだけでも、大体の内容が推測できると思う。最近の話題が多く、刺激的なタイトルばかり並んでいて、すぐにでも習近平体制が崩壊しそうな印象を受ける。

そんなに危ういのか、にわかには判断ができないが、参考になった点を紹介しておく。

ちなみに、石平さんは、結構激しいことを言っている。

「私から見ると、まるで中国と韓国は「ドラえもん」のジャイアンとスネ夫ですね。共倒れ同士がお互いを慰めあって、連携して日本に無理な要求をしている。彼らが生き残る道は、頭を下げて日本といい関係をつくるしかないのに、変な意地を通している。とくに、韓国を待っているのは、中国の属国になって中国と共倒れになるという、哀れな将来ですよ。」

まるで長谷川慶太郎さんのようだ。

破綻する中国、繁栄する日本
長谷川 慶太郎
実業之日本社
2014-01-31


★中国の高度成長は終わった。これでせっかく生まれた中産階級は冷え、不動産が暴落し、地方政府の財政が破たんする。富裕層はますます海外に逃げ出す。

★2013年7月に卒業して、9月に就職する中国の大学生は約700万人いる。2013年5月時点で就職内定率は16.8%で、「史上最悪の就職氷河期」と言われており、大量の大学卒業生が職にあぶれることになる。都市と農村の中間地区に集団で暮らす蟻族(平均月収は2,000元=2万6千円以下)が増加する。

★習近平は訪米して、オバマ大統領と8時間も費やして会談したが、延々と日本批判を繰り返す習近平に対して、オバマは「それまでだ。日本はアメリカの同盟国であり、友人だ。あなたはその点をはっきり理解する必要がある」と反論したという。子供の教育問題で時間がないという理由で、習近平の奥さんもオバマ夫人と会えなかった。

★オバマ大統領の最大の関心事は、サイバー攻撃問題と北朝鮮問題で、習近平主席からかなりの譲歩を取り付けた。しかし習近平にはたいした成果はなかった。

★中国によって侵害されているアメリカの知的財産権は年間3,000億ドル(30兆円)にも上る。ハッキング、情報窃盗に協力しているという疑いが、華為技術(ファーウェイ)にかけられている。華為は1988年に人民解放軍の元幹部の任正非社長が人民解放軍の仲間と設立した。

★アジアの中で日本を嫌いなのは中国と韓国だけ。安倍政権の「中国包囲網」は着々と進んでいる。日露間でも2+2(外務大臣と防衛大臣による安全保障協議委員会)設置で合意した。インドとの協力関係も進んでいる。安倍政権は、戦後初めて国益に基づいた戦略的外交を展開している。

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出典:本書134ページ

★韓国軍の統帥権は、朝鮮戦争以来アメリカにゆだねられており、これが2012年に返還される予定だったが、2015年に延長してもらった。それ以降は韓国軍が自ら作戦を指揮しなければならない。韓国は日本の集団的自衛権に反対しているので、韓国が攻撃された場合、アメリカは当然韓国を支援するだろうが、日本は韓国を支援することはできなくなる。

★現実的に中国軍が尖閣に上陸して、占領することは、アメリカが尖閣を日米安保条約の適用範囲と明言しているから不可能。せいぜい、国民に見える形でギリギリの挑発を繰り返すしかない。あわよくば、それで何とか安倍政権に圧力をかけて屈服させたいと思っている。

★南シナ海が中国の本当の狙い。アメリカの軍事力に対抗するために、南シナ海の海底に原子力潜水艦の基地をつくって、そこからICBMでアメリカ本土を核攻撃できる体制をつくることができる。これが中国の対アメリカの切り札となり、南シナ海こそ「核心的利益」だ。

★中国のアフリカ援助は、中国人を派遣し、現地に雇用を生まない「ひもつき援助」なので、ザンビアのマイケル・マタ大統領は、「中国資本をたたきだせ」、「彼らはインベスターではなく、インフェスター(寄生者)だ」と主張して2011年の大統領選挙に勝利した。また、ボツワナのイアン・カーマ大統領も「中国が労働者をつれてくるなら、それは『ノー』だ」と語っているという。

★日本は中国とは正反対のやり方で、直接見返りは求めずに、無償援助や技術移転を中心にアフリカ外交をやっており、中国は脅威に感じている。


石平さんと黄文雄さんは、中国と韓国を悪く言い過ぎではないかという気もするが、ここまで日本の肩を持ってくれる帰化中国人も少ないと思う。

中国、韓国の今後の動向が、この本の指摘するようになるのかどうかはわからないが、いずれにせよ目が離せないことは間違いない。一つの見方として参考になる本だった。


参考になれば次クリックお願いします。


世界一受けたい授業の常連 東大石井教授のミスター日本優勝ビデオ

日本テレビの「世界一受けたい授業」の常連でこのブログで大ベストセラーとなった「スロトレ」や「筋肉まるわかり大辞典」などの著作を紹介している東大の石井教授は、1981年と1983年の2回ミスター日本になっている。

スロトレ
石井 直方
高橋書店
2004-06-18


石井直方の筋肉まるわかり大事典
石井 直方
ベースボール・マガジン社
2008-11-22



最初にミスター日本になった時のコンテストの模様がYouTubeに公開されているので紹介しておく。



そうそうたるボディビルダーに続き、17:40頃から20:30頃まで石井教授が登場する。石井教授の後は、ゲストポーザーの杉田さんと須藤さんで、最後に表彰式の場面が収録されている。

石井教授の前が白田さんといって、石井教授より1年年上、学生ボディビル出身のライバルだ。

ボディビルは、バルク(筋肉の量)と、ディフィニション(キレ)の両方で審査する。

いずれのボディビルダーも鍛え抜いているが、そのなかで優勝するほどのボディビルダー現役時代の石井教授のすごさがわかると思う。


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