時短読書のすすめ

「あたまにスッと入るあらすじ」作者が厳選するあらすじ特選。その本を読んだことがある人は記憶のリフレッシュのため、読んだことがない人は、このあらすじを読んでからその本を読んで、「時短読書」で効率的に自己啓発してほしい。

2013年09月

ライク・ア・ヴァージン リチャード・ブランソンの成功哲学



ヴァージングループ総帥のリチャード・ブランソンさんの成功哲学と、読者からの質問に答えるQ&Aをまとめた本。

ブランソンさんは現在でこそ「サー」・リチャード・ブランソンだが、バッキンガムの高校を中退して自分の雑誌を作り始めたころは、問題児だった。実は失読症と注意欠陥障害だったのだという。失読症(英語ではディスレクシア、Dyslexia)という病気の名前を初めて知った。

失読症とは、知的能力に異常がないにもかかわらず、読み書き学習に著しい困難を抱える障害である。トム・クルーズが告白して有名となり、レオナルド・ダヴィンチ、エディソン、アインシュタイン、ジャッキー・チェン、キアヌ・リーブスなども失読症だったという。

「マンガ・リチャード・ブランソン」という本にブランソンさんの子供のころの話が載っている。アマゾンの”なか見!検索”に対応しているので、ここをクリックして出だしのところを見てほしい。



ヴァージングループは現在世界に400社ある。ブランソンさんは高校を中退して「ストゥーデント」という雑誌の出版を始め、それからレコード店経営、レコード会社経営、さらには航空会社、フォーミュラ1レーシングチーム、宇宙旅行会社、失敗に終わったヴァージン・コーラなど様々な事業に乗り出していった。

この本では、自分の成功哲学を具体例を挙げて語るとともに、今まで受けた代表的な質問に対するQ&Aという形式で、ブランソンさんがヴァージングループの経営理念や、モーターボートでの大西洋横断、熱気球世界一周などの冒険に乗り出したことなどを自由に語っている。

この本はなんといっても翻訳がいい。いかにもブランソンさんが語っているような口ぶりで、頭にスッと入る。一部を引用しておこう。

「ぼくはだれかの下で働いたことがないので、この本は創業者の視点に立っている。でも、ここに書いたアドバイスは、企業で働くことの難しさに直面しているすべての人に当てはまるものだ。」

Q. 朝起きて、最初に考えることは?

A. 「普通の人と同じさ。『今何時かな?』って考えるよ。それから『どの国にいるんだっけ?』と。

Q. 朝、ベッドから起き上がる原動力となる言葉を一つ挙げると?

A. 「正確に言うと三つかな。『リチャード、いいかげん、起きなさい!』っていうグラスゴー訛りの妻の声だよ」

Q. 成功のカギとなる言葉を、三つ挙げてください。

A. 「ヒト、ヒト、ヒト」

Q. まだ手に入れたいものはある?

A. 「孫が欲しいよ。妻と一緒さ。どうか願いが叶いますように!」

Q. ヴァージン・ブランドを表現する単語を三つ挙げると?

A. 「革命的、おもしろい、お値打ち価格で質の高いサービス。最後のは単語じゃないけど、大目に見てもらえるかな」

というような具合で、テンポがよく軽妙だ。

参考になる話も多い。いくつか紹介しておく。


麻薬被害を減らす戦略

ブランソンさんは、もともと麻薬と戦うことが社会にとって最善の策だと思っていたが、「薬物政策に関する世界委員会」に加わったことをきっかけに考えが変わったという。

ポルトガルでは、2001年に薬物の使用と所持を非犯罪化し、ここ10年は麻薬犯を一人も刑務所に送っていない。ヘロイン使用者のための病院を設置し、注射や中毒治療用の合成麻薬剤メタドンを提供するとともに、医学的治療を施した。その結果、薬物使用者は大きく減少した。注射針を使いまわすことによるエイズも70%減少した。強盗の件数も大幅に減っている。

スイスも同様だ。通常は麻薬の使用者であり末端の売人でもあった中毒患者にヘロイン代替物を支給することにより、一般市民と麻薬組織とのパイプ役がいなくなったのだ。

ヴァージンでは他の国で成功した事例を研究し、どうすれば新しい市場に移植できるか考える。麻薬に対する戦いも同様だと。


CEOになりたいなら

CEOになりたいなら、会社のすべてを知り尽くす必要がある。ヴァージン・ブルー(今のヴァージン・オーストラリア)のCEOだったブレット・ゴドフレイは、幹部社員全員が航空会社のすべての業務を体験しなければならないというルールをつくった。ブランソンさんもチェックド・バゲージの積み込みをやって、整骨院に通うことになったという。

こうすることで、会社がどれだけ成長しても、適切な人材に仕事を任せられるようになる。部下が相談に来たときも、現場を直接知っていれば、適切なアドバイスができる。

それと、CEOは会社が振り出すすべての小切手に自らサインし、少なくとも6週間に1回はすべての発注書に目を通さなければならない。こうすることによって会社のお金の流れがわかる。

ブランソンさんはヴァージングループでも長年これを続け、半年のうち1か月はすべての小切手にサインする。グループ会社の社長にも同じことを求めているのだと。

会社のお金の流れをつかむというのは、基礎的だが重要なことだ。筆者の友人でも励行している人がいる。


量産可能な航空燃料プロジェクト

ブランソンさんは、工場のCO2を含む排ガスを利用して、航空燃料に変えるプロジェクトを紹介している。ニュージーランドのランザ・テックと開発しているのだと。

オーストラリアでは小型ユーカリ樹のマリーを使って、やはり航空燃料を生産するプロジェクトを推進している。これはヴァージン・オーストラリア、ダイナモーティブ・エナジー・システム、リニューアブル・オイルなどと組んでいる。


アップルのiPod, iTunesはエイプリルフールのジョークにインスパイアされた?

ヴァージンは世界各地にレコードショップのヴァージン・メガストアを経営していた。これの息の根を止めたのが、iPod, iTunesのアップル勢だ。

ブランソンさんは、ある年のエイプリルフールに、「イギリスに設置した巨大なコンピューターに、あらゆるレコード会社のあらゆる楽曲を保存し、音楽ファンがどこでも好きな音楽をダウンロードできるような”ミュージックボックス”という端末を発売する」と発表し、昼ごろにジョークだと発表した。

レコード会社の面々は真に受けて、「やめてくれ」と泣きついてきたという。ところが、スティーブ・ジョッブスはこれにインスパイアされて、数年後にiPod, iTunesをつくったのだという。

この話の教訓は、「エイプリルフールのジョークを仕掛けたら、最後まで自分でやれ」ということだと。

アップルのデザインやマーケティングはすばらしく、iPhoneによって携帯電話市場を席巻してしまった。それからiPadで出版業界に攻めてきた。


ヴァージンは新しいアイデアに対してオープンであり続ける

ヴァージン・レコードを始めたのは、マイク・オールドフィールドが、ほかのレコード会社に断られ続けた「チューブラー・ベルズ」を売り込みにきて、その価値に気が付いたからだ。マイクを助けるためにレコード会社をつくることにしたのだ。



ヴァージン・レコードは1990年代には世界最大の独立系レコード会社になった。今はヴァージンはレコード会社とレコード販売事業を売却してしまったが、音楽祭を主催するなど音楽との関係は保っている。



ヴァージン・メガストア事業からの撤退が遅れたことに関して、ブランソンさんは自分がタイムズスクウェアや、オックスフォードストリートなどの一等地に旗艦店を置くことにこだわったからだと語っている。

これらの旗艦店は知名度を上げるのに役立ち、グループの歴史にも深く結びついていたので、これらを失うことが怖かったのだと。


バーチャルネットワーク・モデルで事業展開

1990年代末には、携帯電話でTモバイルと組んでヴァージン・モバイルを立ち上げ、若者向けに割安な価格で提供し、同じモデルで世界各国でも事業展開した。

既存の会社と組んで、「ヴァージン」ブランドを冠したサービスを提供する”バーチャルネットワーク・モデル”がうまく機能した一例だ。


ABCD戦略

ブランソンさんはヴァージングループの戦略としてABCD戦略を挙げる。Always Be Connecrting Dots(ひたすら点と点を結べ)だ。故・スティーブ・ジョッブスの有名なスタンフォード卒業式スピーチを思い出させる。

次のスピーチの最初のテーマが"Connecting Dots"だ。ビデオの5分くらいから、"Connecting Dots"の教訓が語られている。



最初にヴァージン・アトランティック航空をスタートした時は、本業(ヴァージン・メガストア)と何の接点もなかった。

当時の航空会社のサービスはあまりにもお粗末だった。もっと質の高い仕事をすれば、大きなチャンスがあるはずだと思ったのが参入のきっかけだ。

実際に事業を始めて、機内エンターテインメントに最高の音楽と映画を持ちこみ、お客様の世話をするのが好きというスタッフを集め、居心地のよくモダンな内装を設計し、すべてを割安な値段で売り出すことにより、点と点がつながった。

ヴァージングループのカスタマーサービスで長年大切にしてきたルールは「最初に問題を知った者が、最初に対処する」というものだ。これの例が挙げられている。

サンフランシスコ空港でフライトの出発が遅れたとき、乗務員が飛行機から飲み物のワゴンを持ち出して、ゲートでお客様にサービスを始めた。数か月後、この乗務員にブランソンさんは年間優秀社員賞を授与したという。


事業化で考慮すべきポイント

最後にブランソンさんは事業化で考慮すべきポイントを挙げている。簡単だが参考になるので、紹介しておく。

1.価格は適正化か?

2.設備が古くないか?

3.顧客になりそうな人々をリサーチしよう

4.サービスの幅を広げられないか?

5.収入の一部を地域の慈善事業に寄付しよう



翻訳が良いこともあり、スラスラ読める。本人は大変な努力をして、ヴァージングループを作り上げたのだろうが、労働者階級出身の人ではないので、底辺から這い上がったという感じはない。

気軽に読める成功哲学である。


参考になれば次クリック願う。

聞く力 阿川佐和子さんのインタビューとっておきの話



週刊文春で900回を超える長寿インタビューコーナーの「この人に会いたい」で聞き役を務めている阿川佐和子さんの本。

「○○の力」という池上彰さんの本のシリーズを真似た様なタイトルなので、このブログでも紹介している池上さんの「池上彰の情報力」の様なコンテンツを期待して読んだが、冒頭から様子がおかしい。

池上彰の情報力
池上 彰
ダイヤモンド社
2004-01-29


はじめに阿川さんは自分がインタビューが苦手で、いまだにインタビューに出かける前は、ビクビクどきどきしていることを告白しており、自分が「新書」を出すような柄ではないと謙遜する。



池上さんのような報道記者の「聞く力」とは、差があって当然かもしれない。

いくつか「聞く力」のヒントもある週刊誌のコラムの裏話と思って読むと良いと思う。

いくつか印象に残ったポイントを紹介しておく。

4.自分の話を聞いてほしくない人はいない。

5.質問の柱は3本。

6.「あれ?」と思ったことを聞く
  たけしとインタビューした時に、たけしが頻繁におしぼりで目を拭いている。バイク事故の後遺症で目が乾くのだと。「まわりはさ、もう治ったと思ってくれているけど、俺の中ではまだ治っていないんだ。あれでもう、北野武は終わったって、俺自身、思ったもん」

「HANA-BI」はたけしの自身の体験から生まれた映画なのだと。



12.会話は生ものと心得る
鶴瓶にインタビューしていた時に、途中でスタッフから今話題の「みそぎ」について聞けと言われ、阿川がスタッフに対してキレた。それをとりなした鶴瓶のセリフが「ま、ええやないですか。トークは生ものやさかいに」だったという。

22.「オウム返し質問」活用法
俳優の西村雅彦さんにインタビューした時に、西村さんに「僕、人に『えっ?』て言われると傷つくんですよ。」と言われ、それ以来「えっ?」の使い方には注意しているという。「えっ?」が出ないように、オウム返しで答えるのも有効だと。

32.憧れの人への接し方
憧れの人ジュリー・アンドリュースと会ったときは、ジュリー・アンドリュースが出演した「メリー・ポピンズ」から、「スパーカリーフラー…」とかを歌って見せたという。他人の参考にはならないだろうが、阿川さんの人柄がわかるストーリーだ。





35.遠藤周作さんに学んだこと−あとがきにかえて
遠藤周作さんは、阿川さんのお父さんの阿川弘之さんの友達だったので、子供のころからの知り合いだった。信心深い反面、茶目っ気があって周りを明るい気分にしてしまうキャラクターだったという。

その遠藤さんがインタビューアとなる雑誌の対談で、阿川さんがアシスタントをしていたところ、ある時遠藤さんがインタビューを終えて怒っていたという。「ダメだよ、あの人は。ちっとも具体的な話が出てこないんだもの。ちっとも面白くない!」

具体性が大事だと教えてくれたのは、遠藤さんだったという。本でも同じで、このブログで紹介しているのは、すべて具体的な話だ。やはり具体性がないと話は印象にも残らないし、面白くない。


気軽な話題が満載で楽しめる。そして、「聞く力」を考えるためのヒントになる本である。


参考になれば次クリック願う。

僕が電通を辞める日に絶対伝えたかった79の仕事の話

僕が電通を辞める日に絶対伝えたかった79の仕事の話僕が電通を辞める日に絶対伝えたかった79の仕事の話
著者:本田 亮
大和書房(2013-04-20)
販売元:Amazon.co.jp

元電通のエクゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターの本田亮さんの本。

本田さんが、「望月衛介の音楽と広告」というラジオ番組に出演した時の話も公開されているので、こちらも参照願いたい。

アマゾンの表紙写真は、本田さんの手書きメモを紹介したものだが、本屋に並んでいる本には、次のようなカバーがついている。

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エクゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターというのがどういう役職なのかわからないが、電通のクエイエイティブ職のトップクラスなのだろう。本田さん自身の作品としては、「ピッカピカの小学生」や「こだまでしょうか?(AC)」などがある。





この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応しているので、ここをクリックして目次を見ていただきたい。

肩ひじ張らない内容で、仕事の上での「気づき」を与えてくれると思う。


日本のクリエイターを代表する知人

筆者は以前、博報堂とのIT関係の合弁会社に居た関係で、博報堂のクリエイティブの人は何人か知っている。そのなかでも特に有名なのが、宮崎晋(顧問)チーフクリエイティブオフィサーだ。

きさくな人で、たまたま筆者のいた会社の博報堂側の担当役員だった関係で、社員向けに講演していただいた。

「入社以来定期券は持ったことない」とか、「通勤に使っている山手線は、その時の気分で内回りに乗ったり、外回りに乗ったりする」とかいった話が記憶に残っている。

毎日新しいことを探して町をほっつき歩いているから、定期券は持たない。また山手線の内回り・外回りにこだわらないのも、一つの見方に執着せず、常に違う見方がないか探すという心構えなのだ。

宮崎さんの作品はいくつもカンヌの国際広告賞を受賞している。たとえばカップヌードルの「ハングリー?」というシリーズだ。





そのほか、宮沢りえの「Santa Fe」という写真集の表紙で使ったドアを持ってきて撮影した豊島園のCMもある。

Santa Fe 宮沢りえSanta Fe 宮沢りえ [大型本]
著者:篠山 紀信
出版:朝日出版社
(1991-11)


雑誌の「ナンバー」も宮崎さんの作品だ。「ナンバー??」と毎号タイトルが変わるので、雑誌を認可している文部省(?)が難色を示したという話をされていた。ちなみに「ナンバー4」の表紙は、パンチを受けて腫れ上がった試合翌日の具志堅用高の写真だったのを覚えている。

具志堅用高








出典:ウェブ画像検索

Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2013年 7/11号 [雑誌]Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2013年 7/11号 [雑誌] [雑誌]
出版:文藝春秋
(2013-06-27)


宮崎さんは、博報堂の役員を務めながらクリエイティブの現場にも復帰された。復帰作が黄桜の有名な江川と小林が出演するCMと、全日空のロマンあふれるCMだ。





話が博報堂にそれたが、この本で参考になった点をいくつか紹介しておこう。

02 プレゼンはかっこよくなくていい

電通に入って一番意外だったことは、「おもしろい企画」を出せば誰もが「おもしろい!」と言ってくれるのだと思ったら、そうではなかったことだ。「おもしろい企画」を出すことは仕事の半分だけで、残りは「おもしろい企画だと相手にわかってもらうこと」だとわかったという。

「みっともないくらいでもいいから、全身全霊で説明すること。それ以上のものでも、それ以下のものでもない」

10 人間臭さを前面にさらけ出す

クライアントに広告企画のプレゼンが終わった。女性プランナーは淡いブルーのスーツに身を包み、スマートにプレゼンして、大したものだと思っていると、クライアントの宣伝部長から突っ込みが入った。

「そんなことを言ってもね、そんなに簡単に番組が取り上げてくれるわけはないよ。われわれは、いつもそこで苦労しているんだ。」

「大丈夫です。私たちには秘策があります!」

(「大丈夫か!?、うちにそんな秘策あるのかよ?」)

「土下座です!」「最後はこの手しかありません。私が土下座してお願いしてきます!」

この思わぬ超アナログ兵器に会場中が大爆笑となり、仕事も勝ち取ったという。

18 企画は必ず、冷蔵庫に入れる

アイデアは考えるときは頭がホットなほうがいいけど、チェックするときは頭がクールなほうがよい。自分の手を離れたアイデアは、時間とともに他人のアイデアになっていく。

自分の企画に冷たく接することができるようになったときに、初めていい企画を作れるようになるのだと。

なお、どうでもよいことながら、28などで出てくる「決済」は「決裁」だ。やや誤字が多いのが気になる。

38 人生はジグザグに歩いたほうが長い
「直線の人生よりジグザグ人生のほうがはるかに長い線になる」。

39 努力できる才能を持つ宮里藍さん

宮里藍は非常に忙しいので、CM撮影のための時間は、1年のうちでもほんの数時間しかもらえないという。この時もオーストラリアのゴルフ場で、なんとか3時間もらって2本のCMを撮影した。

「午後はどんな予定が入っているんですか?」

「練習です」。 毎日毎日が練習ばかりなのだ。

藍ちゃんの凄いところは、「努力できる心」を持っていることなのだと。

このブログで紹介した「不動心」で、松井が言っている「努力できることが才能だ」という、言葉そのものだ。

不動心 (新潮新書)不動心 (新潮新書) [新書]
著者:松井 秀喜
出版:新潮社
(2007-02-16)


43 どんなときも、他人は見ている

仕事の評価は上司やクライアントの間だけで成り立っているとは思ってはいけない。まったく関係ない人に対してどう接しているかということが、意外とその人の仕事の評価にもつながっている。

44 マイク・ベルナルドに見た礼儀正しさ

あるときK1格闘家のマイク・ベルナルドをキャラクターに起用して、ニュージーランドでロケを行った。マイクのカットは順調に撮影が終わったが、商品カットに時間がかかりすぎてレストランに着いたのは10時近くだった。

マイクは先にホテルに帰るので、夕食の時に声をかけてくれと言っていた。コーディネーターが迎えに行くと、5時間も前にホテルに帰っていたマイクは食事をせずにじっと待っていた。

「みなさんの仕事が終わらないのに、食べることなんてできません」。

「えっ……本当に!?」その一言でスタッフ全員がマイクのファンになってしまった。

有名だったり地位が高かったり立場の強い人が謙虚に行動すると、すごく大きなインパクトを与える。マイクの礼儀正しさと優しさに「謙虚でいること」「頭を下げること」ってカッコいいことだと教えられたという。


49 一目置かれる営業マン

仕事で同じ能力のある2人の人間がいたとしたら、おもしろそうな人と仕事がしたいと思うのは当たり前のことだと思う。遊びも自分のセールスポイントにしたほうがいい。


50 自分が聞かれたことは、自分の口で返す

本田さんは、今や社長や専務になってしまった人の平社員だったころを知っている。

ひと言で言うと「矢面」だと。クライアントからも社内からも集中攻撃されて、全身に矢が刺さっているというイメージだ。

仕事の最前線にいると、ストレスも大きいけど、「矢面」に立つ姿が、クライアントからも社内からも信頼される存在になる。サラリーマンの仕事のだいご味が味わえるのだと。

本田さんは、自分にかかってきた電話や質問は、他人に振らないで自分の口で返すようにしている。情報が集中してくると、その人が仕事のハブとなり、その人なしでは仕事は進まなくなってくる。

55 遠距離通勤オフィス

本田さんは会社の仕事がものすごく忙しく、いくつかの雑誌に連載を抱えていたため、毎日が地獄のように忙しかったという。そんな本田さんの時間の作り方は、「電車企画室」だ。

通勤時間の1時間半を使って企画する。電車は意外と企画に向いている空間なのだ。雑誌の見出しを見れば、世の中の動きがわかる。中吊り広告には表現のヒントがある。乗客は企画の登場人物に見立て、窓の風景はシチュエーションのヒントになる。情報がたくさんあるのに、誰も干渉してこないところは、図書館にも似ている。

今でも本田さんは、企画に詰まると、「ちょっと電車に乗ってくる」といって、山手線一周して帰ると、仕事の5つや6つは片付いているのだと。

上記で紹介した博報堂の宮崎さんと似た発想だ。毎日通勤時間を「電車読書室」にしている筆者も、わが意を得たりという気がする。

長くなりすぎるので、この程度にしておく。気軽に読めて、仕事の「気づき」を与えてくれる、参考になる本である。


参考になれば次クリック願う。

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