時短読書のすすめ

「あたまにスッと入るあらすじ」作者が厳選するあらすじ特選。その本を読んだことがある人は記憶のリフレッシュのため、読んだことがない人は、このあらすじを読んでからその本を読んで、「時短読書」で効率的に自己啓発してほしい。

2013年02月

それをお金で買いますか What money can't buy 考えさせられる本

それをお金で買いますか――市場主義の限界それをお金で買いますか――市場主義の限界
著者:マイケル・サンデル
早川書房(2012-05-16)
販売元:Amazon.co.jp

別ブログで紹介したベストセラー「これからの『正義』の話をしよう」の著者・ハーバード大学の政治倫理学マイケル・サンデル教授の近著。

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
著者:マイケル サンデル
早川書房(2011-11-25)
販売元:Amazon.co.jp

原題は"What money can't buy"だ。

What Money Can't BuyWhat Money Can't Buy
著者:Michael Sandel
Penguin(2013-04-04)
販売元:Amazon.co.jp

この題から絶頂期のホリエモンを思い出す。ITバブル崩壊からすこし経ったころ、ホリエモンは「金で買えないもの(モノ?)はない」と発言して世間から非難を浴びた。

その後、ホリモンはライブドアの粉飾決算を指示したことで、証券取引法違反で有罪となり、現在長野刑務所で服役中である。別ブログで紹介した「刑務所なう。」など、服役中の生活を書いた本を出版している。

少なくとも釈放される権利は金で買えない。ホリエモンも、カネで買えないものがあることがわかったと思う。

刑務所なう。刑務所なう。
著者:堀江 貴文
文藝春秋(2012-03-15)
販売元:Amazon.co.jp

この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応していないので、なんちゃってなか見!検索で、目次を紹介しておく。

広範囲にわたる具体例を取り上げて、経済合理性と倫理について議論していることがわかると思う。

序章 市場と道徳
・市場勝利主義の時代
・すべてが売り物
・市場の役割を考え直す

第1章 行列に割り込む
・ファストトラック
・レクサスレーン
・行列に並ぶ商売
・医者の予約の転売
・コンシェルジュドクター
・市場の論理
・市場VS行列
・ダフ行為のどこが悪い?
・ローマ教皇のミサを売りに出す
・フルース・スプリングスティーンの市場

第2章 インセンティブ
・不妊への現金
・人生への経済学的アプローチ
・成績のよい子供にお金を払う
・保健賄賂
・よこしまなインセンティブ
・罰金VS料金
・21万7千ドルのスピード違反切符
・地下鉄の不正行為とビデオレンタル
・中国の一人っ子政策
・取引可能な出産許可証
・取引可能な汚染許可証
・カーボンオフセット
・お金を払ってサイを狩る
・お金を払ってセイウチを撃つ
・インセンティブと道徳的混乱

第3章 いかにして市場は道徳を締め出すか
・お金で買えるもの、買えないもの
・買われる謝罪や結婚式の乾杯の挨拶
・贈り物への反対論
・贈り物を現金化する
・買われた名誉
・市場に対する二つの異論
・非市場的規範を締め出す
・核廃棄物処理場
・寄付の日と迎えの遅れ
・商品化効果
・血液を売りに出す
・市場信仰をめぐる二つの基本教義
・愛情の節約

第4章 生と死を扱う市場
・用務員保険
・バイアティカル…命を賭けろ
・デスプール
・生命保険の道徳の簡単な歴史
・テロの先物市場
・他人の命
・死亡債

第5章 命名権
・売られるサイン
・名前は大事
・スカイボックス
・マネーボール
・ここに広告をどうぞ
・商業主義の何が悪いのか?
・自治体マーケティング
・ビーチレスキューと飲料販売権
・地下鉄駅と自然歩道
・パトカーと消火栓
・刑務所と学校
・スカイボックス化

ホリエモンのような「金で買えないものはない」という経済学者や新自由主義者に対して、様々な角度から倫理的な疑問を投げかけている。

いくつか印象に残った例を紹介しておく。あなたは、”名案”と思うのだろうか、それとも”やりすぎ”と思うのだろうか。

★50万ドルをアメリカに投資した外国人は、家族とともにアメリカに2年間住むことができ、2年後にその投資によって10人以上の雇用が生まれれば、永住権(グリーンカード)をもらえる(究極のファストトラック=割り込み)。住宅市況を支えるために、50万ドル以上の家を購入した外国人にも同様の特典を与える法案もある。

★北極圏のセイウチを狩る権利を持っているイヌイットが、セイウチを撃つ権利を6,000ドルで販売する。ハンターはセイウチ猟が楽しめ、イヌイットはセイウチの肉や皮を利用する。

★新語:Incentivize(インセンティブを与えて動機づけたり励ます)は急速に普及した。新聞で登場した件数の推移は:

1980年代    :   48回
1990年代    :  449回
2000年代    :6,159回
2010−2011年:5,885回

クリントン、ジョージ. W.ブッシュ大統領は在任中1回しか使わなかったのに、オバマ大統領は3年間で29回使っている。
  
ThePerfectToast.comというサイトでは、質問票に入力する形で、145ドルで結婚式の乾杯の挨拶を代筆してくれる。前もって書かれた標準的な挨拶ならば、InstantWeddingToasts.comで19ドル95セントで買える。本物の挨拶と、プロが代筆した挨拶とどちらが価値があるのか。

★ガールフレンド、ボーイフレンドの誕生日に現金を贈る。相手にふさわしいもの選んで送るのは、彼が「ガールフレンドに対する愛情という個人情報を伝える」一つの方法だという。

★ギフトカードを送る。贈り物と現金の中間のようなものだ。ギフトカードを贈る人が増えているという。

★貧しくて腎臓や角膜を売る人はどうか?養子に出される赤ん坊の市場を創設することはどうだろうか?

★ローマ教皇のミサに参加するチケットを転売する。

★スイスの核廃棄物処理場の村に住む住人に、毎年補償金を払うことにしたら、誘致に賛成する人は半分に減った。

★貧しい退職者の相談に1時間当たり30ドルという割引き価格で乗ってくれるように弁護士団体に頼んだら断られたが、慈善事業としての無料相談なら承諾してもらえた。

★ウォルマートは数十万人に上る従業員に会社を受取人とする生命保険を掛けている。いままで費やした社員に対するトレーニング等のコストの埋め合わせなのだと。本人の遺族は、5000ドルもらえるだけだ。

★不治の病に冒された人から生命保険を買い取る。バイアティカル(生命保険買い取り業)という名前の市場だ。病人が長く生きれば、生命保険の収益率は減る。買い手は病人が早く死ぬことを望むのか?

★子どもが成長し、配偶者も生活の心配がなくなって、生命保険が不要になった高齢者などから、生命保険を買い取るライフセトルメント産業。高齢者は不要になった保険を有利に売り抜け、ライフセトルメント業者は高齢者が死亡した時に保険金を受け取る。上記と同じように、本人が早く死なないと収益率は減る。

★スタジアムの命名権はさらにプレーにも及ぶ。特定のスタジアムでは、ホームランは”バンクワン・ブラスト”、ピッチャー交代は”AT&Tコール”、盗塁セーフは”セーフです。ニューヨーク・ライフ”などと呼ばなければならないのだ。

★ニューヨークのブルームバーグ市長は、2003年に自治体初の最高マーケティング責任者を任命した。彼の最初の大仕事は、市内の6,000の公立学校や施設にジュースと水を独占販売する契約をスナップル社と5年間1億7千万ドルで締結した。

★学校に無料でテレビ、ビデオ機器、衛星リンクを提供する代わりに、2分間のコマーシャルを含んだ番組を学校で毎日放送するという契約を多くの州と結んだチャンネル・ワン社は、2000年には全米で12,000校、800万人の生徒を囚われのオーディンスとして抱えていた。30秒のCMが20万ドルで売れた。

★ハーシーチョコ、マクドナルド、エクソン、アメリカ石炭財団、P&Gなどは、学校に無料の教材を提供して子供たちの心に商標を刻み込もうとした。

★公立学校も体育館や講堂、実験室、校長室まで命名権を販売している。コロラド州のある学区は、通知表の広告スペースを売り出した。


「スカイボックス化」

サンデル教授が初めて経済至上主義に反対してニューヨークタイムズに投稿した時に、ハーバード大学の経済学者を含めて、多くの経済学者から反論があった。

大学時代の経済学の恩師からは、「サンデル教授の言うことはわかるが、誰から経済学の授業を受けたかは明かさないでくれ」という要望もあったという。

サンデル教授は、この本の結論として「スカイボックス化」という言葉を挙げている。資本主義を推し進めて、あらゆるものを市場化している。

かつては、野球場は金持ちも貧乏人も10ドル出せば入れるという平等の象徴だった。ところが今は、年間何十万ドルもするスカイボックスを企業が独占し、金持ちはスカイボックスでプライベートパーティを開催し、一般客はスカイボックスを見上げる。「スカイボックス化」により、野球場は格差の象徴になったのだ。

サンデル教授は、「われわれが望むのは、何でも売り物にされる社会だろうか。それとも、お金では買えない道徳的・市民的善というものがあるのだろうか。」という言葉でこの本を終えている。


どの話題も簡単には解答を出せない。むしろ正解のない問題ばかりだ。実に考えさせられる本である。


参考になれば次クリック願う。




中国大分裂 長谷川慶太郎さんの中国分裂予測

中国大分裂 改革開放路線の終焉と反動中国大分裂 改革開放路線の終焉と反動
著者:長谷川 慶太郎
実業之日本社(2012-07-12)
販売元:Amazon.co.jp

85歳になった今でも、「大局を読む」シリーズなど、するどい状況分析に基づく政治・経済予測を毎年出している長谷川慶太郎さんの近著。

先日決行された北朝鮮の3回目の核実験をはっきり予想している。長谷川さんの見方が正しかったことが証明された結果となった。

その他の論点についても論理の筋道が立っており参考になる。

この本と同じ路線の「2014年、中国は崩壊する」も読んでみた。

こちらは元マイカル法務部でマイカル大連などの出店経験があるという現国会新聞社編集次長の宇田川 敬介さんが書いたものだ。

北京駅の荷物検査場には手りゅう弾を爆発されるための円筒形のコンクリートの箱があったとか、一人っ子政策に反して生まれた戸籍のない人=黒子が車に轢かれても、警官は死体を崖下に投げ落とすのを見た。さらに黒子の遺族は、車の運転手に器物損壊で訴えられたというような話が宇田川さんの本では載っている。

中国人にとってメンツがいかに重要かという宇田川さんの議論はよくわかったが、上記のような話は、いくらなんでもあり得ないのではないかと思う。

2014年、中国は崩壊する (扶桑社新書)2014年、中国は崩壊する (扶桑社新書)
著者:宇田川 敬介
扶桑社(2012-06-01)
販売元:Amazon.co.jp


この本で長谷川さんが予想しているシナリオは次の通りだ。

1.中国ではいままで毛沢東の系譜を継ぐ文革路線の人民解放軍と、胡錦濤・温家宝らが推進する改革開放路線の中国共産党の対立があった。人民解放軍は毛沢東思想を信奉し革命を推し進めるという立場だが、中国共産党は革命を放棄している。

2.人民解放軍の7つある軍区のうち最大の勢力は瀋陽軍区だ。瀋陽軍区には核兵器はないが、ロシアと国境を接しているので5つの機械化軍団のうち4軍団を傘下におき、最強の軍事力を誇っている。

中国の軍区は次の図の通りだ。

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出典:本書4−5ページ

3.2012年に毛沢東派の薄煕来・重慶市共産党書記・党中央政治局員が、収賄と妻の英人ビジネスマン殺人容疑により失脚し、中国共産党トップの9人の政治局常務委員には人民解放軍の代表はいなくなった。薄煕来は、重慶市に行く前は遼寧省省長や大連市長を歴任した瀋陽軍区の出世頭だった。

4.北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)は瀋陽軍区の傀儡で、先日のミサイル発射もすべて瀋陽軍区の命令を受けて金正恩が実施している。北朝鮮の軍事パレードには瀋陽軍区が貸し出した武器が使われている。

5.北朝鮮は3度目の核実験を近いうちに必ず実施する。瀋陽軍区は核兵器を持っていないため、北朝鮮に核兵器を開発させ、それを瀋陽軍区の切り札として北京政府を恫喝したいからだ。

6.北朝鮮が3度目の核実験を行うと、国連はいままでの経済制裁では効果がないとして、武力制裁を決議する可能性が高い。そうすると常任理事国の中国は、武力制裁に同意せざるをえない。

そうなると北朝鮮の実質支配者である瀋陽軍区が北京政府に叛旗を翻し、中国は分裂状態になる。最終的には中国は、7つの軍区に分かれた連邦制になると長谷川さんは予想している。

7.こういった情勢をわかっていないのは日本だけで、米国は中国が分裂状態になることを予想している。その際に北京政府が米国に助けを求めてくる可能性もあるとみて、2011年に第7艦隊の空母を2隻に増やした。それがトモダチ作戦で活躍した空母ロナルド・リーガンだ。



沖縄にオスプレイを配備して海兵隊の機動性を増したのもその戦略の一環である。



昨年の反日デモでは、暴徒が毛沢東の肖像画を掲げているのが目についた。



毛沢東の主導した文化大革命がいかに悲惨なものだったかは、このブログで紹介した「私の紅衛兵時代」で紹介した通りだ。

長谷川さんの見立てが正しいかどうかわからないが、中国が混乱に陥る可能性はあるのではないかと思う。

そのほか参考になった点をいくつか紹介しておく。

★パナソニックは主力のマレーシアのコンプレッサー工場が、中国のメーカーとの競争に負けて閉鎖に追い込まれた。パナソニックの中国のテレビなどの工場も赤字で閉鎖したいが、中国政府が閉鎖を認めないので、操業中止状態にある。

★中国では輸出不調と不動産価格下落のため失業者は1億人いる。銀行が不動産融資を絞ったため、不動産価格は暴落している。不動産価格は2011年末時点で前年比半額以下になったという。

★中国には預金保険制度がないので、銀行はみんな粉飾決算をしている。中国政府は必死に銀行をテコ入れしている。

★高速鉄道網建設は、総延長8万キロの予定が実績は2万キロしか建設できていない。2011年1年間では300キロしか建設できていない。建設資金が滞ったことと、乗客が少ないためだ。2011年7月の浙江省温洲の高速鉄道事故では、あれだけの大事故なのに死者は40名だけだった。乗客が少なかったからだ。

★中国の富裕層の海外移住で一番人気はカナダだ。固定資産と流動資産160万カナダドルを持ち込むと国籍が買える。カナダのマンションを、香港の財界人の李嘉誠は多く開発し、中国人の富裕層に売っているという。

★上海のブランドショップは店員が偽物をつかませるという噂がある。だから中国人は東京に来てブランド物を買うのだ。

★中国の不穏な動きに敏感に反応したミャンマーは中国離れをして、中国のプロジェクトの多くは中止となった。しかし西側の経済進出で活気を呈している。

★韓国の朴正煕大統領は一切蓄財をしない立派な大統領だったという。娘の朴さんが今回大統領になったが、2DKのマンションに住んで質素な生活をしているという。

★米国の陸・海・空軍は米国議会の上院下院の本会議で戦争決議が成立しないと軍事行動をとれないが、海兵隊は例外で大統領の命令で戦闘行動がとれる。

だから朝鮮半島になにか事が起これば、沖縄の海兵隊がオスプレイで飛ぶのだ。沖縄の海兵隊がいなければ、韓国の国防は成立しない。

★尖閣列島は、人民解放軍の南海艦隊が勝手に動いていて、北京政府は後追いで追認している。先軍政治色が強くなっている。

★中国では電圧もコンセントの形状も地域によってバラバラだ。北京と天津を結ぶ高圧電線もない。

★中国の原子炉はいろいろな国の技術のつぎはぎで、安全性には大きな疑問がある。しかし、すでに15基の原子炉が稼働している。

★日本のメタンハイドレードの開発技術はカナダから導入している。カナダのハドソン湾にもメタンハイドレードが大量に埋蔵されており、その開発技術を使っている。

★アメリカ経済の立役者となるシェールガス革命によりロシアの相対的発言力は低下している。プーチンは日本に天然ガスを買ってもらいたいと思っている。

カナダもインドネシアも天然ガスを売りたいので、日本は有利に交渉を進めることができる。

上記のように様々な情報をポンポン紹介している。しかし、真偽のほどは筆者はまだ確かめていない。まずは未確認情報としておいていただきたい。


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個を動かす ローソン新浪社長のローソン改革10年

個を動かす  新浪剛史、ローソン作り直しの10年個を動かす 新浪剛史、ローソン作り直しの10年
著者:池田信太朗
日経BP社(2012-12-13)
販売元:Amazon.co.jp

ローソン新浪社長のローソン改革10年を描いた本。筆者のアルゼンチン駐在時代の友人の元三菱商事の人に紹介されて読んでみた。その友人は食品部門で新浪さんの先輩だった。

この本の著者の池田信太朗さんは、日経ビジネスデジタルの編集長で、現在は日経の香港支局の特派員だ。

新浪さんはマスコミに登場する機会も多い。安倍内閣が、経済再生のブレーンとして設置した産業競争力会議のメンバーにも選ばれている


日本型コンビニの生みの親はセブンの鈴木さん

コンビニ業界については、セブン・イレブンCEOの鈴木敏文さんの「商売の原点」、「商売の創造>」、「本当のようなウソを見抜く」のあらすじを、別ブログで紹介している。

鈴木敏文 商売の原点 (講談社+α文庫)鈴木敏文 商売の原点 (講談社+α文庫)
著者:緒方 知行
講談社(2006-04-21)
販売元:Amazon.co.jp

鈴木敏文 商売の創造 (講談社+α文庫)鈴木敏文 商売の創造 (講談社+α文庫)
講談社(2006-05-19)
販売元:Amazon.co.jp

鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」―セブン‐イレブン式脱常識の仕事術 (日経ビジネス人文庫)鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」―セブン‐イレブン式脱常識の仕事術 (日経ビジネス人文庫)
著者:勝見 明
日本経済新聞出版社(2008-07)
販売元:Amazon.co.jp



セブンとローソン

コンビニエンス業界ナンバーワンは依然としてセブンイレブンだ。セブンの売上高は3兆円弱、これに対してローソンは1.8兆円。セブンの一店舗の平均日販は62万円。これに対してローソンの平均日販はで、セブンを10万円ほど下回る。他のチェーン店も同様に、セブンとは10万円以上の差がある。

この本を読むまでは、セブンが効率的で、かつ顧客もセブンを好んでいると思っていた。しかし、よく考えると、セブンは47都道府県のうち、いまだに出店ゼロの県があり、都市圏に集中している。

一方、ローソンは47都道府県すべてに出店しており、田舎の店も多い。人口の多い都市に集中的に出店していれば、おのずと平均日販も上がる。だから、セブンの方が日販額が多いから、それをもって消費者がセブンの方を好んでいるということにはならない。

筆者は以前はセブンの方が格上と感じていたが、最近はローソンに行くようになった。

オサイフケータイのiD決済をいち早く取り入れたこと。品ぞろえ、欠品率(筆者の自宅の近くのセブンは土日の1時過ぎに行くと、サンドイッチやおにぎりに欠品が目立つ)、駐車場の利用しやすさなどからローソンの方が便利と感じている。

新浪さんが2002年にローソン社長に就任した当時は、セブンをベンチマークして研究していたが、やがてセブン追随はやめた。ローソンはセブンにはなれない。それが現実だと気がついだのだと。


新浪さんの経歴

新浪さんは横浜出身。マリノスや横浜FCのホームグラウンドの三ツ沢球技場のあるあたりで、高校は翠嵐高校。高校時代はバスケットボール部のキャプテンとして部活を熱心にやった。チームは関東大会3位まで行き、新浪さんは優秀選手として国体選手に選ばれたが、膝を壊して選手生命を断たれてしまう。

東大法学部受験に失敗して慶応大学の経済学部に入る。体育会の器械体操部のマネージャーとして裏方をやり、在学中にスタンフォード大学に交換留学生として留学する。三菱商事には1981年に入社した。

三菱商事では砂糖部に配属された。企業派遣留学生を目指すが、留学申請を出しても上司のOKが取れなかったり、2年続けて重役面接に落ちたりして、なかなか留学できなかった。

新浪さんは会社のOKが出る前に、自分で試験勉強して、勝手に入学試験を受け、会社のOKが出た直後にハーバードの合格通知が来たという。

言いだしたら聞かない新浪さんの性格がわかるエピソードだ。この本では新浪さんの子供のころの話も紹介されている。

ハーバードビジネススクールでは、楽天の三木谷さんや、マイクロソフトの樋口さんなどと同じころに学んだ。東大よりいい大学を卒業することで、東大に対するコンプレックスがなくなったようだと新浪さんの友人は語っている。


ハーバードMBAで経営に目覚める

MBAを取ることで、新浪さんは経営という仕事を明確に理解した。

MBAで学んだことを活かし、新浪さんは帰国後、給食会社を買収し、売上高100億円の規模にまで育てる。

その頃ダイエーの創業者中内功さんが主催する若手勉強会に出ていたところ、ローソン株の購入を持ちかけられる。

ダイエーと縁が深い丸紅との競合の上、上司の小島・現三菱商事会長の支援を得て、ローソン株を購入する。

ローソン株は2000年1月に三菱商事が購入後(単価7,400円/株)、ITバブルがはじけて株価が暴落し、三菱商事は巨額の含み損を抱えるようになる。

三菱商事でも一度に償却すると決算ができないほどの巨額の含み損だったので、評価損は出さない決算処理を続けていたことも思い出す。


まずはおにぎりで成功

2002年に新浪さんはローソン社長に就任して、まず「一番うまいおにぎりを作ろう」とローソン社内に呼びかけた。

玄人の商品部(仕入れ担当)を外して、素人ばかりの研究グループをつくり、価格は高いがうまいおにぎりを作り出した。これを「おにぎり屋」のブランドで売り出したところ、大ヒットした。

新潟のコシヒカリは冷めてもおいしいので、ブランド米のコシヒカリを使った。

サケは従来はフレークを使っていたのを、切り身とした。フレークを使っていた理由は、骨が入らないようにということだったので、人件費の安いタイで加工することで費用削減して1個160円前後で売り出した。

それまではおにぎり1個100円前後だったので、おにぎりとしては高額だったが、大ヒットした。

おにぎりの成功で、それまでは「いずれ三菱商事に帰る人」と見られていた新浪さんの求心力が高まり、ローソン改革が順調に進むことになった。

ちなみに3.11のあと、東北地方の店舗では「手作りおにぎり」を自分の店舗でつくって販売している。


セブンは中央集権。ローソンは支店・支社経営

セブンイレブンでは毎週開かれる(現在は隔週となっている)全国のOFC(Operation Field Counselor)を集めた会議が有名だ。上記の「商売の原点」と「商売の創造」は1,300回を超えるOFC会議の記録をまとめたものだ。

OFC会議の中心はCEOの鈴木さんだ。

全国のOFCからの情報を整理して本部方針を出し、OFCが全国に散らばって、会議で打ち出した方針を各店舗に伝え、新規商品の販売を進めるという中央集権的な運営だ。

これに対し、ローソンは7支社、76支店に権限を委譲しての経営だ。

さらにサブ・フランチャイザーを認めて、MO(マネジメント・オーナー)と呼ばれる複数店オーナーにサブライセンシングを認めている。

新浪さんは、「一緒に、オーナーの地位を高めようよ」と、オーナー福祉会理事長に言っていたという。

まさにセブンとは正反対の考え方だ。


フランチャイズロイヤルティー料率変更

コンビニチェーンのロイヤルティー料率は次の通りだった。

        店舗オーナーが土地・建物調達  チェーン本部が土地・建物調達
セブンイレブン   43%固定          56〜76%スライド制

ローソン      34%固定          50%、45%固定

ローソンの方が日販が低いので、上記のようなセブンより低い利率で出店者を集めなければならなかった。

チェーン本部が土地・不動産を調達する場合の料率を、セブンと同じスライド制に変更できたのは、2012年3月になってからだった。


ミステリーショッパー(MS)導入

ダイエーがローソンを経営していた時代に、ダイエーの余剰人員にローソン店長をやらせる自社店舗を700店も出していた。しかしこれらはほとんど赤字店だったので、新浪さんが社長に就任してすぐに整理した。

その代り、余った人材をMS(ミステリー・ショッパー)として、店のサービス品質向上の仕組みをつくった。

MSが客のふりをして店で購入して、様々な観点から店のサービスを評価する。MSの年間運営費は30億円にも上るというが、これでローソンのサービスは格段に向上した。


個客をとらえる

この本のタイトルが「個を動かす」となっているように、ローソンの戦略は「個」の創造力を磨き、「個客」の消費を捕捉し、「個店」の集合体を作り上げることだという。

その主要なツールが共通ポイントプログラムのPontaだ。

2010年3月にスタートしたPontaの会員売上比率は現状では50%弱にとどまるが、従来POSで男女年齢をレジ係が判断して登録していた時代は終わった。

Pontaを使えば、個人を特定でき、その人の購買履歴がわかるようになってきた。この本では、「ひるぜん焼そば」という新製品の購入者データを分析した例が紹介されている。

ローソンにおける「ビッグデータ」時代の幕開けだ。Pontaに会員登録するときは、住所や結婚・未婚データも登録する必要がある。一方、セブンのNanacoは住所も結婚未婚も不要だ。Ponta会員売上比率が上がれば、こういった属性データが生かせる場面が来るだろう。

LINEの企業アカウントを使って、Lチキのクーポンを配信したところ、クーポンの引換率は7%にも上ったという。ほかの媒体の場合、3%なので、圧倒的な動員力だ。

ローソンのLINEアカウントを登録しているユーザー数は412万人、ツイッターのフォロワーが21万人。

セブン、ファミマと比べてローソンのSNS展開の方が明らかに一日の長がある。

こういったデジタルマーケティングと組み合わせると、Pontaの販促機能がうまく活かせるだろう。

ちなみに、別ブログでは、世界最高といわれる英国TESCOの、ポイントカードを使った顧客管理を紹介している

Tesco顧客ロイヤルティ戦略Tesco顧客ロイヤルティ戦略
著者:C. ハンビィ
海文堂出版(2007-09)
販売元:Amazon.co.jp

コンビニで買うものは少ないので、マーケットシェア30%超の英国ナンバーワンスーパー・Tescoのように、高度な顧客分析はできないだろう。しかし、ローソンの場合、ケータイ対応することで、コンビニならではの効率的な販促が可能になると思う。

たぶん鍵は来店ポイントだろう。Pontaには来店ポイントはないと思うが、ローソンカードにはもともと来店ポイントがあった。ヤマダ電機のように、来店ポイントを払う代わりに販促メールを受け取ってもらうようにすれば、かなり有効な販促ができると思う。


改革を続けるローソン

ローソンではBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)を行い、本社業務の多くを、アクセンチュアが運営する大連のコールセンターに移植した。

大連の従業員は東京のコールセンターで、3週間ローソンの担当者からジョブトランスファーを受ける。

東京のコールセンター長は、自宅に中国人社員を招いてバーベキューパーティをやってケアしている。中国人に「あの人のメンツをつぶさないように、頑張ろう」と思わせたいのだという。

BPRは単にコールセンターだけではない。いままで三菱商事のグループ会社が独占していたパッケージ材や、物流についても、入札方式にして競争原理を働かすという。


ポスト新浪

ローソンの主要事業は次の3事業だ。

1.国内コンビニ事業
2.海外コンビニ事業
3.Eコマース、エンターテインメント等の事業(ローソンはHMVジャパンを買収している)

元ファーストリテーリング社長の玉塚元一さんがCVSグループCEO、元USENの加茂正治さんがエンタテインメント・ECグループCE、ほかにローソンの各地の支社長が次代のリーダー格だ。新浪さんが海外事業グループCEOを兼任している。

新浪さんは、自分の後任として3人を競争させている。

「僕はずっと、社長の顔色を見るんじゃなくて、『ミッション(使命)』で人が動く会社にならないと駄目だと思っていました。支社制、支店制を入れたのもそのためです。(中略)ミッション・オリエンテッドに会社を変えていくということです」と語っている。


ローソンの今後の発展

EC(eコマース)については、コンビニのマーチャンダイジングが、ネットというインフラに乗れば面白いと語る。

楽天などのモール事業者は販売者責任を負っていないので、マーチャンダイジングはできない(アマゾンは自分で仕入れているものもあるので、分野によってはできている)。

コンビニはその人にとって「新たな生活」ライフパターンをつくっているのもので、それを便利に届けることができる。ローソンに来てくれる顧客に、ECによりもっと豊富な賞品を紹介できれば、アマゾンに勝てるという。


新浪さんの働きぶり

この本の最後で、部下を徹底的に鍛える新浪さんの三菱商事時代の働きぶりが紹介されている。また、オーナーではない若手経営者仲間として、スクウェア・エニックス社長の和田洋一さん(野村証券出身)が、新浪さんのことを評している。

新浪さんは、「信じる」ことで物事を動かしていくタイプの経営者なのだと。

新浪さんは、落下傘でローソンに下りたち、最初はアセットの「本質」が何かということをじっくり見極めて、戦略をつくった。

社内をじっと見て「こいつらの価値って何だろうか」ということから戦略が成り立っている。それが新浪さんの経営の神髄だと、和田洋一さんは評している。


いままで知らなかった、セブンとは違うローソンの経営戦略がわかる。参考になる本である。


参考になれば次クリック願う。



零の遺伝子 国産戦闘機「心神」 vs F22の攻防 次期FXはまだ終わっていない

零の遺伝子: 21世紀の「日の丸戦闘機」と日本の国防 (新潮文庫)零の遺伝子: 21世紀の「日の丸戦闘機」と日本の国防 (新潮文庫)
著者:春原 剛
新潮社(2012-07-28)
販売元:Amazon.co.jp

日経新聞編集委員の春原 剛(すのはら つよし)さんの本。春原さんは先日の日経・CSISシンポジウムでアーミテージ・ナイ鼎談の進行役を務めていた。

1990年代の次期支援戦闘機FSX商戦では、自主開発を求める自衛隊の制服組や三菱重工業などの産業界を、米国との外交関係を重視した日本政府が押し切り、F16をベースとした共同開発に決着した経緯がある。

たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)
著者:手嶋 龍一
新潮社(2006-06)
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これにより、日本の開発したアクティブ・フェーズド・アレイ・レーダー技術と炭素複合材を使った軽量主要成型技術が米国に召し上げられ、生産分担分も米国に持って行かれるという結果となり、日本の航空エンジニアは2重の屈辱を味わった。

FSXをトラウマとして抱える防衛省・自衛隊の関係者は、いつしか日本の独自開発で戦闘機を作る夢を持ち続けた。それが現在も開発が進められている先進技術実証機ATD−X、コードネーム「心神(しんしん)」と呼ばれる国産ステルス戦闘機で、これを支援したのが「防衛庁の天皇」と呼ばれ、事務次官を異例の4年も続けた守屋事務次官だった。


守屋次官の政治力

山田洋行の過剰接待を受けた収賄罪で起訴され、現在は懲役刑で服役している「防衛庁の天皇」と言われた守屋武昌次官は、かつて「日米キャデラック・カローラ論」を掲げていたという。第5世代戦闘機としてはF22がキャデラックであり、カローラに相当するのが、日本の「心神」である。

実際、F22が推力15トンのF119エンジン2基を搭載するのに対して、推力5トンのIHI製のXF5エンジンを2基使った「心神」はたしかにカローラのようなコンパクト機となる。日本にも推力10トン以上の自主開発エンジンの計画があるが、費用は1兆円を超えるので、なかなか踏み切れないのだ。

セロ戦もライバルF6Fヘルキャットのエンジンが2,000馬力超に対し、当初の栄エンジンは1,000馬力以下だった。非力なエンジンを使ったので、軽量で敏捷な戦闘機ができたことから、この本ではセロ戦と「心神」の類似性をタイトルに使っている。

ちなみに、このブログで守屋さんの「普天間交渉秘録」のあらすじを紹介しているので、興味ある方は参照してほしい。淡々と事実を説明しており、わかりやすい本だった。

守屋次官は、小泉純一郎首相に気に入られていたので、米軍再編問題で外務省が打ち出していた「スモール・パッケージ」(横田基地の米軍司令部のグアム移転だけ受け入れて、米陸軍第1軍司令部の座間移転は拒否する)に対抗して、米軍のグローバル再編に協力する「トータル・パッケージ」として小泉首相に説明し、「トータル・パッケージはおもしろいじゃないか」という言葉を引き出すことに成功する。

「トータル・パッケージ」とは、1.米海軍厚木基地の艦載機部隊を海兵隊岩国基地へ移転、2.普天間飛行場の移転、3.相模補給廠や牧港補給地区など使用頻度の低い遊休施設の返還などを含んだ防衛省の独自プランだ。

2004年9月の小泉・ブッシュ会談のために、小泉首相は守屋次官に発言要旨メモをまとめるよう指示し、ここで日米交渉の主導権は外務省から防衛省に移った。


「機体はつくるな」という指令

防衛庁幹部には、米国の印象を悪くするような「新・国産戦闘機プロジェクト」を声高に進めるのは賢明でないという考えがあったので、「心神」開発は「高運動飛行制御システム」という名目で始められた。2004年前後に130億円の予算を確保したが、「機体はつくるな」とクギを刺されていたという。

そこで防衛省の技術開発本部は「心神」の実物大のモックアップ模型をつくって、フランスの仏国防整備庁の設備でステルス性能を試した。このことはYouTubeの次の映像で報じられている。




もともとF22が欲しかった防衛庁

防衛庁は国産開発の「心神」をもとから欲しかったわけではない。第5世代戦闘機のトップに位置する米軍のF22が導入希望のトップだった。F22のステルス性能は、自動車ぐらいの大きさのものが、レーダーではゴルフボールくらいにしか映らないという驚異的なものだ。

フランスでの「心神」のステルス性能テスト結果は、上記のビデオでは「中型の鳥よりは小さいが、虫よりは大きい」と防衛庁幹部が語っている。「せいぜいサッカーボールぐらい」だったという。



現代の戦闘機は戦闘機だけで行動するわけではない。強力なレーダーを持つ早期警戒機や地上・海上のレーダーと一体化した高速データリンクの中で、敵を攻撃する役割が与えられている。だから敵の「脳」ともいえる早期警戒機を撃墜できる能力があり、また「敵地深くに入り込み、爆撃する能力」を持つステルス戦闘爆撃機は、「核にも匹敵する戦略兵器」と言われるのだ。

F22は燃料を大量に消費するアフターバーナーを使わず超音速飛行ができるので航続距離も長く、グアム島から北朝鮮に侵入して、電撃爆撃し、北朝鮮軍機とドッグファイトをしてグアム島に帰還することが可能という。航空自衛隊のF15だと、日本から北朝鮮の往復飛行がやっとで、ドッグファイトすると「片道切符」になるという。

F15があれば、F22は要らない」と言っていた航空自衛隊は、2007年に沖縄で行われた航空自衛隊のF15対米軍F22の共同訓練で、双方が早期警戒機を導入していたにもかかわらず、完全に「お手上げ」の状態だったことから、F22導入希望に変わったという。

これに先立ち2004年に行われたインドと米軍の合同軍事演習で、F15がSU30に惨敗したという情報を自衛隊は得ていた。この時は、早期警戒機なしのデータリンク抜き、自動追尾ミサイルなしのドッグファイトだった。

次のビデオを見れば、SU30の驚異的な運動性能がわかると思う。まるで風に舞う木の葉のようだ。



2009年5月に自民党の新・国防族を代表する浜田靖一防衛大臣は、ワシントンを訪問して当時のゲーツ国防長官と面談した時に、次期主力戦闘機にF22を有力候補として位置付けていることを強調した。しかし、ゲーツ長官はF35を「良い戦闘機」だと勧める発言をした。




F22は打ち切り、F35は大増産

F22は1983年にコンセプトをつくり、2005年に実戦配備が始まった。ところがあまりにカネがかかり、しかも飛ぶごとに毎回お化粧直しが必要ということもあり、メインテナンスもバカにならない。

このため米国では183機で生産中止が決まっている。米国議会の輸出禁止決議もあり、日本がF22を購入することは不可能となった。

一方F35は、同じ生産ラインから空軍仕様、海軍仕様、海兵隊のSTOVL仕様が一括生産でき、米空軍1,800機、米海軍400機、米海兵隊600機、英国空軍150機に加え、NATO諸国、イスラエルも導入し、日本も2011年末にF35を導入決定した戦闘機のベストセラーだ。

F22,F35と並ぶ第5世代戦闘機としては、ロシアのPAK FAと呼ばれるSU50や中国の殲20がある。






第6世代戦闘機

米軍の中では、第6世代戦闘機は、いよいよ無人機になると言われている。映画「ステルス」もAIを搭載した無人機が、隊長を自らの意思で救出するというストーリーだ。同じようなことが次世代の戦闘機では起こる可能性があるという。



次世代戦闘機の特性は"morphing”(変形)というコンセプトだという。なにやら映画「ターミネーター2」のT−1000のような印象があるが、「しなり」に近いものを機体に持たせるものとみられているという。



ちなみに航空自衛隊は、早くから無人飛行機の研究を続けており、F104の無人機を10機以上生産した。

パイロット訓練用の逃げ回るターゲットとして考えられていたが、運輸省との論争で航路が限定されたため、すぐに撃ち落とされるようになり、結局岐阜県の航空自衛隊第2補給処に死蔵されているという。


F35は空軍、海軍、海兵隊が同じ戦闘機を使う初めてのケースで、その意味ではいままで米軍戦闘機が抱えていたインターオペラビリティの問題を抜本的に解決した戦闘機である。(いままでの米軍の戦闘機はF15、F−16は空軍だけ、F14、F−18は海軍だけ、ハリヤーは主に海兵隊が使っており、ミサイル、弾薬、燃料、潤滑油、レーダー、タイヤに至るまで装備品の仕様が異なっていた)。

平和の配当で、どの国も防衛予算を削減している流れのなかで、F35は世界各国が参加した文字通りの"Joint Strike Force"といえる共同開発機種である。

日本もライセンス生産という形で、その開発に加わることになるので、いまさら日本独自で「心神」戦闘機を開発するということになるとは考えにくい。それゆえ「心神」はせいぜい試作機にとどまるのではないかと思うが、今後の動きに注目したい。

問題点がよく整理された本である。もともと2009年に単行本として出版され、2012年に文庫化された。春原さんの本をいろいろ読んでみて、この本が一番よくまとまっていると思う。


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