時短読書のすすめ

「あたまにスッと入るあらすじ」作者が厳選するあらすじ特選。その本を読んだことがある人は記憶のリフレッシュのため、読んだことがない人は、このあらすじを読んでからその本を読んで、「時短読書」で効率的に自己啓発してほしい。

2010年01月

君の思いは必ず実現する 稲盛和夫さんの子供達へのメッセージ

君の思いは必ず実現する―二十一世紀の子供たちへ君の思いは必ず実現する―二十一世紀の子供たちへ
著者:稲盛 和夫
販売元:財界研究所
発売日:2004-04
おすすめ度:5.0
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一度は仏門に入ろうと決心した京セラ稲盛名誉会長の本。稲盛さんは今回JALのCEOに就任し、JAL再建を陣頭指揮することになった。今週JAL社長として子会社の社長だった大西さんを任命したばかりだ。

この本は子供達へ向けで、平易な内容で、ふりがな付き。ところどころマンガもある。

人生に明るい希望を持ち、努力を続ければ、必ず道は開けることを、いろいろな切り口から説いている。

稲盛さんの人生を通じて仏教の影響は強い。

中学の恩師や大学の友人、京都での独立資金を家屋敷を担保に出して調達して支援してくれた恩人。人のおかげでいまの稲盛さんがある。

中学受験に2度失敗した話とか、中学で結核となったこと、鹿児島の実家(印刷の町工場)が空襲により焼失し、戦後手作業で作った紙袋を自転車で行商した話とか、苦労した話が続く。

阪大入試も失敗し、やっと入った鹿児島大学の卒業は近づいたが、就職先が見つからない。

なんとか京都のつぶれる寸前の松風工業という碍子メーカーに就職できたが、入社した早々給料も遅配となる。

しかし自らのセラミック技術を利用して、高周波絶縁材料を開発し、ブラウン管向けとして松下電子工業に採用された。

会社でストライキが起きたときも、スト破りをして生産は続け、製品は塀を越えて投げ、向こうで待っている女子社員に届けて貰うということで、なんとか納入を続けた。ちなみにその女子社員が稲盛さんの奥さんである。

その後独立して京都セラミックスを創立。誰にも負けない努力を続けること。

仕事を好きになること。

日々、創意工夫を重ねること。

素直に喜ぶこと。

会社を好きになること。

創造性を大事にすること。

「人生の結果=能力X熱意X考え方」。

人生の目的は美しい心の人間になること等々。


寓話として印象深いのは地獄と極楽の話だ。

地獄も極楽も見た目は変わらない。釜ゆでのうどんを1メートルのはしとつけ汁で食べるのだ。

地獄では誰もが1メートルのはしを使って自分で食べようと争奪戦が起こる。

極楽では1メートルのはしを使って向かいに座っている人に食べさせる。向かいの人はお礼に自分に食べさせてくれる。誰もが穏やかに食べることができる。

みんなが思いやりを持って、利他の心でものごとをとらえることができれば、すばらしい社会が開けるはずなのだと。


平易ながらも、心に残る。感受性の強い子供にすすめても良い本だと思う。


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アメーバ経営 稲盛和夫さんの独特経営手法がよくわかる

稲盛さんシリーズで、京セラの経営の特色である「アメーバ経営」を紹介する。

サイバーエージェントの藤田さんも「アメーバ」を打ち出されているが、こちらはネット上の様々な活動や情報が、有機的にどんどん拡大してくるイメージをアメーバの成長になぞらえたもので、稲盛さんの「アメーバ経営」とは別物である。

稲盛さんは経営者としてJALの再建の方向性を正しく打ち出すのが役目だと思うので、アメーバ経営手法がJALに導入されることはないと思うが、この本を読むと稲盛さんの考え方がわかると思う。

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役
著者:稲盛 和夫
販売元:日本経済新聞社
発売日:2006-09
おすすめ度:4.0
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京セラ名誉会長の稲盛和夫さんが、5年間にわたって京セラの経営幹部に対して行ったアメーバ経営講義をまとめた本。

アメーバ経営は京セラグループに定着している経営手法だが、その思想や仕組みをまとめた本はなかったという。2006年9月に出版された。

アメーバ経営とは、会社の組織をアメーバと呼ばれる小集団に分け、それぞれにリーダーを置き、独自の会計基準に基づいて独立採算で運営する手法だ。

稲盛さんは筆者の尊敬する経営者というか人生の先達なので、このブログでは今まで「稲盛和夫の実学」、「高収益企業のつくり方」、「君の思いは必ず実現する」の3冊を紹介してきているが、それらの中でもアメーバ経営という言葉は幾度か出てきた。

今までばくぜんと理解したつもりだったが、この本を読んでアメーバ経営を導入する具体的手法はどういうものかわかった。

京セラやKDDIだけではなく、他にも300社以上が京セラの関連企業のコンサルティング会社の支援を受けてアメーバ経営を導入しているという。


アメーバ経営の原点

稲盛さんは大学を卒業して京都の松風工業というセラミックメーカーに就職するが、数年で辞めて京セラを創業する。創業3年目で前年に採用した高卒新入社員10名が、昇給・ボーナスを将来にわたって保証しないと辞めると団体交渉を求めてくる。

創業したての京セラに将来を保証できるはずはなく、稲盛さんは三日三晩社員と話し合って納得を得たが、このことが稲盛さんに、小さい会社でも従業員は会社に一生を託して入社してくることを痛感させる。

このことが原因で、稲盛さんは京セラの経営理念を「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」と定めた。

またあたかも自分が経営者であるように従業員が懸命に働いてくれる全員参加の経営の仕組みを考えた。それがアメーバ経営である。


アメーバ経営の三つの目的

アメーバ経営の目的は次の三つである。

1.市場に直結した部門別採算制度の確立

2.経営者意識を持つ人材の育成

3.全員参加経営の実現

この本で稲盛さんは上記の三つの目的について、わかりやすく解説している。

重要なのは、人間として何が正しいのかというフィロソフィーをに基づいた明確な意志、売上を最大に、経費を最小にする努力、そして市場変化に従いアメーバの様にダイナミックに変化する活力だ。

アメーバは、まず第一に収入と費用が切り分けられる単位であることが必要だ。

第二に、アメーバの単位は単に細かくするだけではだめで、ビジネスとして完結する単位にする必要がある。例えば、セラミック製造工程の中で、京セラは事業単位を、原料、成型、焼成とわけた。それぞれ同じ事業を行う他の会社が存在していたからであると。つまり理論的にはその部分をそっくり他社にアウトソーシングできる切り分けである。

第三に会社全体の目的、方針を遂行できる組織であることも必要である。

例えば営業の場合は、受注部門、納期管理部門、代金回収部門と分け、全体の手数料収入10%を例えば5%、3%、2%と分けることも可能だが、それだと顧客に対して一貫したサービスを提供できず、お客様第一主義という会社方針に沿った営業ができなくなるので、営業の組織を分けることはできない。

アメーバ経営は実力主義であるが、成果主義ではないと。つまり短期の成果で個人の報酬に極端な差はつけないが、長期にわたり実績を上げた人を正当に評価して処遇に反映させているのだと。


アメーバ経営を支える経営管理部門

アメーバ経営の思想、手法と仕組みを維持、発展させる重要な役割を担う部門が経営管理部門であり、その役割は次の三つである。

1.アメーバ経営を正しく機能させるためのインフラつくり

2.経営情報の正確かつタイムリーなフィードバック

3.会社資産の健全なる管理


アメーバ経営の時間あたり採算表

アメーバ経営の時間あたり採算管理といっても、今まではっきりとしたイメージがわかなかったが、この本では製造部門と営業部門の具体例が紹介されており、わかりやすい。

製造部門だと次の様な構成となる:

総出荷     : 650百万円
(社外出荷   : 400)
(社内出荷   : 250)

(−)社内買  : 220百万円

総生産     : 430百万円

(ー)控除額  : 240百万円
(原料費、電力水道代、通信費、公租公課、減価償却、旅費等)

差引売上    : 190百万円

総時間     :  35,000時間
(定時     :  30,000時間)
(残業他    :   5,000時間)

当月時間あたり :  5,430円


営業部門だと次の様な構成となる:

受注      : 360百万円
売上高     : 350百万円
受取口銭    :  28百万円

(ー)経費合計 :  12百万円
(運賃、旅費、通信費、販促費、交際費、公租公課、減価償却、金利、本社経費、間接共通費等)

差引利益    :  16百万円

総時間     :  2,000時間
(定時     :  1,800時間)
(残業     :    100時間)
(部内共通・間接共通時間 100時間)

当月時間あたり :  8,000円

ちなみに営業部門の収入は生産金額の10%を口銭として受け取るルールとしており、製造と営業の仕切価格は認めていない。さらに製造がいくつかのアメーバに分かれている場合には、各アメーバが公平に負担する。

アメーバ経営の特長は、人はコストではなく付加価値を生み出す源泉であるという考え方だ。だから労務費は経費としては扱わない。

これによって各アメーバの時間あたり採算が計算できるので、アメーバの時間あたりの採算が実際の労務費を上回れば黒字、下回れば赤字となる。


アメーバごとの年度計画(マスタープラン)

採算管理と並んで重要なのが経営計画だ。各アメーバは経営の最小単位なので、会社全体の方針や事業部に於ける方針や目標を受けて、三年ごとのローリングプランと年度ごとのマスタープランを作成する。これによってリーダーの意志を示すことになる。

具体的な売上、総生産、時間あたり採算などの経営目標も、アメーバ単位で設定され、年度計画(マスタープラン)に基づく月次計画が作成される。

明確な目標を設定して、全従業員のベクトルをあわせるのだ。そして毎月マスタープランに対しての進捗を確認し、部門長以下の関係者は、もし遅れていればキャッチアップのためのアクションを取らなければならない。


アメーバ経営はリーダーを育成し、全従業員の経営者意識を高める究極の教育システムであると稲盛さんは結論づける。

経営の基本を抑え、採算と費用をわかりやすく把握し、人材を育てるアメーバ経営がよくわかる本である。


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稲盛和夫の実学 京セラの経営を支える会計思想

今回JALのCEOに就任する稲盛和夫さんの著書のあらすじを紹介する。

稲盛和夫の実学―経営と会計稲盛和夫の実学―経営と会計
著者:稲盛 和夫
販売元:日本経済新聞社
発売日:2000-11-07
おすすめ度:4.5
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一時期は稲盛和夫氏の本を集中的に読んでいた。この本もその一冊であり、『会計がわからんで経営ができるか?』という稲盛氏の言葉が本の帯にもなっている。

筆者もまさに同感で、いい年になって恥ずかしながら通信教育で、簿記3級を取得した。

稲盛氏の言っている会計は京セラ独自の会計基準であり一般会計原則とは異なる。

もともとこの本も京セラの経理部長だった故・齋藤明夫氏が後進のためにまとめたものをベースとしている。

稲盛氏は他の著書でも
1.売上を最大に、経費を最小に、
2.値決めは経営、
3.会計がわからなければ真の経営者になれない
と言っているが、この本は京セラの7つの会計原則を説明するとともに、盛和塾での質疑応答でケーススタディを行っている。

前置きとして常識に支配されない判断基準例として設備の減価償却をあげている。セラミック加工機械は摩耗が激しく、5年程度でダメになってしまうので、10年の法定耐用年数によらず、自主耐用年数を定め、有税で償却していると。

また銀行が定期預金を担保として貸し出す歩積み両建ても常識的におかしいとして、稲盛氏は拒否したが、結局世の中みんながやめた。

京セラの会計原則とは次の7つである。

詳しい説明は省くが、基本は会計原則にとらわれず、物事の本質をとらえて、キャッシュの動き、モノの動き、余計な物は持たず、採算単位ごとの厳しい管理をするというシンプルな原則である。

この通りJALでも経営できるのか、それが今回のJAL再建劇の見所である。

1.キャッシュベースでの経営ーお金の動きに焦点をあてて物事の本質に基づいたシンプルな経営 儲かったお金はどうなっているか?

2.1対1の対応を貫く モノの動きと伝票の対応

3.筋肉質の経営 中古品で我慢、健全会計、固定費の増加を警戒、投機はやらない、当座買いの精神

4.完璧主義をつらぬく マクロとミクロ両方 100%達成でないと価値を認めない 厳しいチェックでパーフェクトを目指す

5.ダブルチェックによって会社と人を守る 人と組織を守る保護メカニズム

6.採算の向上を支えるーアメーバ経営の時間あたり採算制度 付加価値測定
時間あたり採算と会計との関連

7.透明な経営を行う 公明正大

手法はともかく、基本となっている『会計がわからんで、経営ができるか』という一言。肝に免じて経営に取り組む必要がある。


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