時短読書のすすめ

「あたまにスッと入るあらすじ」作者が厳選するあらすじ特選。その本を読んだことがある人は記憶のリフレッシュのため、読んだことがない人は、このあらすじを読んでからその本を読んで、「時短読書」で効率的に自己啓発してほしい。

2009年05月

信用偏差値 信用力で決まる借り入れ力

いよいよ6月から改正貸金業法が段階的に施行される。国の愚民政策の表れとも言える改正内容のため、今度は消費者は自分の返済能力を超えた借り入れは事実上できなくなる。

というのはいままで消費者信用業界とか、銀行業界とかで分かれていた信用情報機関が、全業種横断的な信用情報ネットワークに統合され、全金融機関があなたの借入残高を調べることができるからだ。

この分野の第一人者の岩田昭男氏は、この点を警告する新著も出している。

あなたに貸す金はない! 国が生み出す新しい「借金地獄」 (アスキー新書)あなたに貸す金はない! 国が生み出す新しい「借金地獄」 (アスキー新書)
著者:岩田 昭男
販売元:アスキー・メディアワークス
発売日:2009-05-08
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岩田氏の「信用力格差社会」と「信用偏差値」がこの辺の事情を詳しく説明しているので、「信用力格差社会」に続いて、「信用偏差値」のあらすじを紹介する。

「信用偏差値」―あなたを格付けする (文春新書)「信用偏差値」―あなたを格付けする (文春新書)
著者:岩田 昭男
販売元:文藝春秋
発売日:2008-11
おすすめ度:3.0
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「信用力」格差社会―カードでわかるあなたの“経済偏差値”「信用力」格差社会―カードでわかるあなたの“経済偏差値”
著者:岩田 昭男
販売元:東洋経済新報社
発売日:2008-11
おすすめ度:4.5
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「信用力格差時代」は信用力が、住宅ローンなどの各種の借り入れ、クレジッドカードなど与信を左右する社会的指標になり、就職にもクレジットヒストリーが必要とされる米国のような「クレジットヒストリー万能社会」に近づきつつある日本の現状に警鐘をならす作品だった。

この「信用偏差値」では、信用力がより重視される社会で、クレジットカード業界が個人向け金融ビジネスの主役に躍り出ようとしている動きをレポートしている。

日本のクレジットカード業界は、1.改正貸金業法の影響、2.メガバンク主導による再編、3.電子マネー陣営による攻勢という逆風にさらされている。

しかし改正貸金業法の影響は、消費者金融業界・クレジットカード業界にダメージを与えたグレーゾーン金利の撤廃というネガティブなものだけではない。

改正貸金業法に基づき2009年6月には、クレジットカード業界、信販業界、消費者信用業界共通の指定信用情報機関制度が始まる。これまでは業態ごとに5つの信用情報機関にわかれていたが、今後は業態を超えた情報交換が始まる。

ちなみに改正貸金業法の概要は金融庁のホームページに公開されているので、一読をおすすめする。

今まで信用情報については、消費者金融業界が銀行やクレジットカード会社、信販会社に比べて優位に立っていた。無担保で信用力の低い人たちに貸して、ちゃんと取り立てられるという経験に基づいたすぐれた信用力管理を行っていたのだ。

それが業界を横串にする信用情報交換が始まると、消費者金融業界の優位性は薄れる。「信用力」を社会生活に不可欠なものとして確立することで、昨今台頭してきた電子マネーに対抗してクレジットカード業界が反撃に移るのである。


この本の目次

この本の目次は次の通りである。「信用偏差値」は、アマゾンのなか見検索に対応しているので、是非なか見検索で、目次を見て欲しい。

第1章 個人に「信用偏差値」を持ち込め!
第2章 電子マネー隆盛の時代
第3章 クレジットカードVS電子マネー 知られざる闘争
第4章 クレジットカード陣営の総反撃が始まった
第5章 信用社会 日米の違い
第6章 信用格差社会を生き抜くカードの使い方

各章が15前後のサブタイトルで構成されており、読みやすく頭にスッと入る構成である。


著者の岩田昭男氏はクレジットカード・電子マネーの第一人者

著者の岩田昭男氏はクレジット、消費者金融業界に精通し、業界の教科書ともいうべき「クレジット・ローン業界ハンドブック」、「電子マネー業界ハンドブック」を書かれているだけに、参考になる情報が多い。EDY、Suica/Pasmo/Icoca、QUICpay、nanaco、Waon、iDなど電子マネー業界の現状も簡単にまとめられている。

図解 クレジット・ローン業界ハンドブック (「図解業界ハンドブック」シリーズ)図解 クレジット・ローン業界ハンドブック (「図解業界ハンドブック」シリーズ)
著者:岩田 昭男
販売元:東洋経済新報社
発売日:2008-03
おすすめ度:4.0
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図解 電子マネー業界ハンドブック (「図解業界ハンドブック」シリーズ)図解 電子マネー業界ハンドブック (「図解業界ハンドブック」シリーズ)
著者:岩田 昭男
販売元:東洋経済新報社
発売日:2008-03
おすすめ度:5.0
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筆者は知らなかったが、日本で銀行がクレジットカードを発行できない理由は、1960年代にクレジットカードが日本に上陸した時に、銀行にクレジットカードを発行させようとする大蔵省に、信販業界を管轄する通産省が民業の圧迫になるとして反対したためだ。

銀行は子会社を通してしかクレジットカードを発行できなくなった。それで生まれたのがUC,DC,ミリオン、JCB,現三井住友カードなどといった銀行系クレジットカード会社だ。


現金流通量は確実に減少

2007年の資金供給残高は2年連続マイナスで、前年比約8%減少し、88兆円になった。これからも日銀券(現金)の発行量が減少し、電子マネーやクレジットカード利用が増えるという傾向が強まると岩田氏は予想する。

岩田氏によると、経済学者のハイエクは「紙幣や貨幣を造幣するのはもはや国家の専業事業ではなく、貨幣鋳造を民営化すべし」と主張したことがあったそうだ。声高に主張されているわけではないが、事実として電子マネーやポイントの企業通貨が伸張してきており、現金の流通量を減少させている。


金融庁のポイント・電子マネー規制

このようなポイント・電子マネーの隆盛をにらんで、金融庁はサーバー型の電子マネー(ウェブマネーやビットキャッシュ)、ポイント、代金収納サービス、コンビニ払いなどに規制をかけようと多くの学者を集めて「決済に関するワーキンググループ」を組織して昨年から活動していた

結局今年1月9日の最終答申で、サーバー型の電子マネーに対して他の電子マネーと同様の規制をかけるほかは、規制強化を断念した。

逆に宅配便やコンビニ決済などは、あまりに広まっているので、もはや決済機能は金融機関だけに認められるという大原則が通用しないという結論をだしている。


クレジットスコア導入にあたっての3論点

日本でも「信用偏差値」=クレジットスコアが導入されることが予想されるので、岩田氏はクレジットスコア導入にあたっての論点を3つにまとめている。

1.クレジットレポートはともかく、クレジットスコアまで導入すべきかどうか。

2.クレジットレポートやスコアを金融機関がマーケティングの道具としてどこまで使えるか。(たとえば新規顧客勧誘に使えるのか?)

3.金融事業者以外の一般企業がクレジットレポートなどの信用情報をおおっぴらに活用することを認めるかどうか。(たとえば不動産業界や人材派遣業界が使えるのか?)

アメリカのサブプライム問題の根本原因は信用力格差にある。もともと住宅ローン審査に通らないサブプライム層に、住宅価格が上昇することを見越して、ローンを貸し出した金融業界が、不動産バブルの崩壊で自滅したのだ。

だから岩田氏は、アメリカをモデルとせず、日本でクレジットスコアを導入する場合は上記3点の議論をつくすべきだと主張する。

筆者はクレジットレポートの現物を見たことがなかったが、この本では日本版クレジットレポートの実物の写真も掲載されているので興味深い。


クレジットスコア時代を生き抜く最強の2枚のカード

信用偏差値が導入された場合は、サブプライム層になるとクレジットカードもつくれず、ローンも借りられなくなる恐れがある。だから、なんとしてもプライム層にのこるべく、自らのクレジットカードの使い方を見直して信用力を高める使い方をマスターする必要がある。

ライフスタイル別にどのクレジットカードを持ったらよいのか、岩田氏が選んだ「最強の2枚のクレジットカード」の組み合わせが推薦されているので興味深い。

岩田氏によると史上最強の組み合わせはアメリカンエクスプレスのセンチュリオンカード(年会費約36万円のいわゆるブラックカード)とレクサスカードだという。

どちらも欲しくても持てるわけではない。

レクサスカードはビザのプラチナカードサービスが利用でき、車両購入時のキャッシュバック6%、オプションや整備代はポイントが倍になるという。

筆者はハリアーハイブリッドに乗っているが、これが次モデルからはレクサスRXとなることが今週発表された。

アメリカでは元々ハリアーはレクサスRXとして当初から販売されていたので、日本もレクサスの商品群に加えるようだ。

ハリアーからレクサスになると、ほぼ自動的に150万円ほど値段が上がる。

レクサスカードが持てるようになるかもしれないが、車両価格が約150万円上がってもその分中古車価格が上がる保証はなく、レクサスディーラーは自宅から離れた場所にあることでもあり、複雑な気持ちである。


簡単に読めて、現在のクレジットカード、電子マネー業界の動き、それから自分の信用力を守るためにはどうしたらよいのかスッと頭に入る。

クレジットカードの第一人者である岩田氏が、史上最強の組み合わせ以外にも、その人にあった2枚のカードの組み合わせを各種紹介しているので、是非本を手にとってみることをおすすめする。


参考になれば次クリックお願いします。



大前研一 ロシア・ショック 日本にとって極めて重要な国ロシア

今週のプーチン首相来日で、7月の日ロ首脳会談で北方領土問題を含む様々な日ロ間の懸案と経済協力が話し合われることとが確実となった。

ロシアと中国は国境問題をめぐって過去に流血事件まで起こしているが、現在は領土問題は存在せず、突っ込んだ軍事・経済協力をしている。

これ以上解決に時間が掛かることは、日ロ両国にとって国益を損ねるので、是非親日派プーチンが実権を持っている間に、領土問題を過去のものとすべきではないだろうかと思う。

そんな期待も込めて、ロシア及び旧CISに注目している大前研一氏の著書のあらすじを紹介する。

ロシア・ショックロシア・ショック
著者:大前 研一
販売元:講談社
発売日:2008-11-11
おすすめ度:4.5
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日本人よ、今こそロシアとの新しい関係を構築せよ!と呼びかける大前研一氏の最新作。

グラフ等も多く資料としてもすぐれており、世界金融危機発生後の10月頃に書き終えた本なので内容も最新だ。

読んだ本しか買わない筆者が2008年に買った6冊目の本だ。

前回紹介したように発刊前に図書館で予約したので、2008年11月11日の発売の本を11月16日に手に入れ、先週読み終えた。

いま日本が最も注目すべき国はどこかと聞かれれば、大前氏は悩むことなくロシアと答えるという。これからの世界の潮流のなかで、最もインパクトを持って台頭してくるのがロシアであり、そして実は日本と最も相性が良く、関係を大事にしていかなければならない国がロシアなのだと。


大前さんのロシア原体験

ロシアは日本の面積の45倍、時差は11時間ある。人口は日本よりやや多い1億4千万人だが減少しつつある。

大前さんはMITの学生生活の最後の年、1970年にソ連時代のロシアを訪問して、それ以来40年間ロシアの変貌を見てきたという。

大前さんの最初の訪問では、ビザを持っていたにもかかわらず、シェレメチェボ国際空港の係員に空港から外にでることを禁じられ、まるで収容所のようなターミナルに閉じこめられたという。

空手のふりを見せ、係員と交渉してJALのチケットをアエロフロートのチケットに代えることで(これで係員はドルが入る)、モスクワの町に行くことができ、リムジンに案内係付きでモスクワを観光したという。

暗殺されたアンナ・ポリトコフスカヤの「ロシアン・ダイアリー」のあらすじで書いたが、筆者も1993−4年にロシアを訪問したので、シェレメチェボ国際空港はよく覚えている。

今はさすがに変わっているのではないかと思うが、そのころはシェレメチェボ国際空港をはじめ、ほとんどのロシアの空港は右ウィングと左ウィングに分かれていた。

片方が外国人とCIS国民向け、もう片方がインド(?)、キューバやアフリカなどの同盟国からの出稼ぎ労働者向けだったと思う。どちらも人でごった返していたが、出稼ぎ労働者ウィングはターミナルで寝起きしている人も多く、まるで家畜小屋だと言われていた。

そして中央部が「代議員ホール」と呼ばれる特権階級しか利用できないところで、日本企業の駐在員・出張者はそこを利用できていた。

当時は飛行機はターミナルには直づけはせず、ターミナルから飛行機までバスか歩きで行ったので、こんな風にターミナルが分けれていたのだ。

大前さんはたぶん出稼ぎウィングに押し込められたのだと思う。


ロシアは日本の最良のパートナー

ソ連が崩壊して、ロシア国民はどん底を経験したが、プーチン政権での最近の劇的な経済の復活、社会の変化には目を見張るばかりだ。

ロシアは生産量・埋蔵量ともに世界第1位の天然ガスと、世界2位の生産量の石油があり、外貨準備は潤沢で経済成長が著しい。なにより教育水準がBRICsのなかではずば抜けて高く、ITや先端技術の人材も豊富である。

エネルギー資源がなく、人材も不足している日本にとってロシアは最良のパートナーである。

柔道家のプーチンの日本好きは有名だが、一般のロシア人でも無条件に日本のことが好きだという。日本の製品があれば最優先で買い、オタク文化まで愛してくれるという。これほど無条件に日本の事を好きなのは、世界の中でロシアとインド、そしてトルコぐらいのものだと大前氏は語る。

ロシアは日本にとって極めて重要な国なのだ。


プーチンのロシア

ゴルバチョフのソ連時代からエリツィンのロシア時代まで経済成長率はずっとマイナスで、エリツィン大統領初年度の1992年には最悪のマイナス15%を記録した。

ところがプーチンが大統領代行になった1999年からプラス成長に転じ、大体6%前後の成長を続けてきた。

一つの要因は、それまで12〜30%の累進課税で年収5,000ドル以上は30%の税率だったため脱税や地下経済が盛んだったが、税率をすべて13%のフラットタックスにすることで、アングラマネーが表に出てきた。2001年、2002年には個人所得はそれぞれ約25%増加し、国家財政は好転した。

1999年に1バレル10ドル程度に下落していた原油価格が、2000年代を通じて上昇したことも大きい。原油高が経済を押し上げ、ロシアは債務国から債権国に転じ、外貨準備は急増し2008年7月末で中国、日本に次ぐ世界第3位の約6,000億ドルになっている。

プーチンは2期目になると年金改革を行い、年金額を徐々に上げたので高齢者の人気も高まり、2007年には支持率は92%という驚異的なものとなった。プーチンの後を継いだメドベージェフもプーチン人気を受け継ぎ、今年5月に政権が誕生したときの支持率は70%強だった。

支持率が高い最大の要因は、プーチンが強いロシアを復活させたからだ。

プーチンは自分でジェット戦闘機を操縦して地方に行き、柔道では5段の猛者だ。YouTubeにプーチンが山下泰裕氏と一緒に撮った柔道のプロモーションビデオが載っているので紹介しておく。



2007年グアテマラで開かれたIOC総会で、プーチンは冬季オリンピック開催をソチに招致するために流ちょうな英語とフランス語で演説を行い、冬ソナで有名な平昌(ピョンチャン)を押すライバルの韓国のノムヒョン大統領の演説とは雲泥の差だったという。

YouTubeにも収録されているが、説得力ある英語の演説はたいしたものだ。



プーチンはまだ56歳と若いので、側近のメドベージェフに4年間大統領をつとめさせた後に、再度大統領として登場し2012年から2020年まで大統領となると大前さんは予測している。


高学歴人材が最大の資産

ソ連の残した最大の遺産が人材だ。ロシアの大学以上の進学率は72%で、ブラジルや中国の20%台とは圧倒的な差がある。

人口はインドの1/8だが、ロシアはインドと同じ毎年20万人の大卒IT技術者を輩出している。

道徳教育の質も高い。松下幸之助の「道をひらく」には、ソ連の「生徒守則」に「年上のものを尊敬せよ。親のいうことをきき、手助けをし、弟妹のめんどうをみよ」と書かれていることを紹介している。

道をひらく道をひらく
著者:松下 幸之助
販売元:PHP研究所
発売日:1968-05
おすすめ度:5.0
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こういった一般国民に対する道徳教育の面では他のBRICs諸国とは比較にならないほど、ロシアがすぐれているのではないかと思う。

モスクワで1,500人の宇宙工学のエンジニアを雇用するボーイングや、ロシア各地で3,000人のエンジニアを雇用するインテルの話を紹介している。

インテルについては面白い話を紹介している。インド人のプログラマーは、「まず、スペックを見せてくれ」という。ロシア人のプログラマーは、「どこが問題なのか?何を解決してもらいたいのか?」と聞くという。彼らは元々プログラマーではない。科学者なのだ。

この本ではロシア地場のレクソフトルクソフト(Luxoft)とか、データアート、ベラルーシのIBAなどのロシアIT企業を紹介している。

勿論アメリカと競った宇宙技術や軍事技術は世界トップクラスであり、他のBRICs諸国とは比較にならない。だからボーイングも進出してきたのだ。


ロシア型格差社会

ロシアの一人当たりGDPは2007年で9,000ドル程度だが、地域格差が大きく、自然条件は厳しいが油田のあるネネツは52,000ドルと高い。上位は油田やガス田地帯だが、資源のない地方は平均以下だ。

所得格差も大きく、2006年で人口の93%が年収1,200ドル以下。一方年収約15億ドルを超える人が60人いて、かれらだけで国全体のGDPの16%を占めている。

ロシアの資産家はフォーブスのビリオネアランキングに87人ランキング入りしており、アメリカに次ぐ数だという。

アルミ世界最大手のUCルサールのデリバスカ氏、イギリスのサッカーチームチェルシーのオーナーの石油王アブラモビッチ氏、鉄鋼王セベルスターリのモルダショフ氏、金融・小売コングロマリットのアルファグループのフリードマン氏などが有名だ。

ロシアで格差が広がったのは、国営企業民営化で12歳以上の全国民に1万ルーブル相当の国営企業の株券バウチャーが配布されたが、ほとんどの人は意味がわからずバウチャーを売り払った。それを大量に買い集めた人がオリガルヒと呼ばれる大富豪になったのだ。

ロシア人の平均寿命は59歳と短いこともあり、お金があれば貯蓄でなく消費にまわす傾向が強く、消費ブームが起こっている。嗜好もかわりつつあり、いまやアル中を生み出すウォッカではなく、ビールが人気なのだという。


無条件に日本が好きなロシア人

ロシアでは寿司が評判になり、モスクワでは市内に600軒もの日本料理屋があるという。プーチンも週に1回は寿司屋に行くという。

意識調査によるとロシア人の74%は日本が好きと答えており、日本人の82%のロシアに親しみを感じないと答えているのと好対照だ。

反日感情の強い中国の21%は別にしても、他のBRICsのブラジルの68%、インドの60%に比べても高い。

ロシアのPR会社の社長は、「現在のロシア社会で、日本ほど魅力的なブランドの国はない」と言い切る。「日本はまだこのことに気が付いていない」と。

ユニクロが最近モスクワ進出を発表したが、このことにユニクロの柳井さんは気が付いたのだろう。

ソ連時代からアメリカ嫌いが染みついているロシア人は、日本製品がアメリカ市場を席巻したり、アメリカの企業を買収したりしているのをみて、日本はスゴイと敬意を持つようになっているという。


日本企業のロシア進出

日本のロシアに対する直接投資は2007年末でわずか3億ドルに過ぎないが、電化製品など売れて売れてしょうがない状態で、各社ものすごく儲かっているという。

ロシアで一番大きなビジネスをしているのはJTで、ロシアのタバコ市場の34%のシェアを持ち、大きな利益を上げているという。

自動車メーカーもロシア市場向けの販売を伸ばしており、三菱自動車はセクシーカーという評判で、ロシア市場で人気が高い。トヨタとニッサンはサンクトペテルブルグの周辺で工場を稼働中だ。

トヨタのサンクトペテルブルグ進出は同市出身のプーチンの肝いりと言われているが、トヨタ元会長の奥田碩さんはたしか柔道六段で、山下泰裕氏と対談本を出しているほどなので柔道がとりもった仲かもしれない。

武士道とともに生きる武士道とともに生きる
著者:奥田 碩
販売元:角川書店
発売日:2005-04-25
おすすめ度:3.0
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日本のロシアに対する最大の投資はサハリンIサハリンIIの石油・天然ガスプロジェクトだが、日本ではロシア政府の横やりで権益を奪われたというマスコミ報道だった。

ところが大前さんが話を聞いた当事者の一社の三菱商事の担当者は冷静で、「とんでもないことをやられている」と思われるだろうが、事業会社の株式譲渡はノーマルでフェアなビジネスだと語っている。

もともとホストカントリーの事情変更で、ガスプロムが入ってくることは予想していた。ガスプロムが過半数の51%を握ったが、その評価を下すのはまだ早いと語っている。

たしかに株を売った三菱商事や三井物産からの、恨みつらみというのは筆者が記憶するかぎりなかったと思う。

日本側としては株を適正価格で売却し、プロジェクトのリスクを取り除き、ガスの引き取り権は失わずにすんだ「うまい話」の範疇に入るのだと大前さんは説明している。


ロシア進出の十大心得

この本で大前さんは、インシアード大学のスタニスラフ・ジェクシューニア教授が、外資30社のトップにインタビューした結果のロシア版「十戒」を紹介している。

1.ロシア人とともに、ロシアのために働く(ロシアはアジアでもヨーロッパでもない)
2.ロシアのルールを尊重しつつも、自分の流儀を忘れない
3.政府や各種行政機関との関係を構築し、人脈作りに励む
4.核心に対しては断固たる態度で、枝葉末節には柔軟に対応する
5.窮地に活路を見出す術を学べ
6.腐敗は生活の一部。うまく対処する術を身につけよ
7.権威主義ではなく、本物のリーダーシップを発揮すべき
8.権限委譲は難しいが重要。それゆえ段階的に実施すべし
9.海外企業の個性が強調されたワンカンパニーを確立すべし
10.早期警戒管理体制を敷く

大前さんは、中国は全体主義、共産主義の国であり、これからは矛盾があちこちに出てくるリスクがあるが、ロシアは資本主義国であり、一度地獄を味わっているので逆に強いと評価している。

経済面では中国は地方分権だが、ロシアは依然として中央集権で官僚制度が温存され許認可など昔のままという問題がある。また原油価格がピークの1/3になったこともあり、一本調子でロシア経済が伸びていくかどうかはわからないが、共産中国対資本主義ロシアというのが21世紀の構図である。


21世紀のパラダイム変換

中国とロシアは永年ウスリー川の国境問題をかかえ、一時は流血の衝突があったが、2008年7月に4,300キロにおよぶ国境を確定している。

ロシアは欧州ロシア、中央部のシベリア、極東の3地区に大きく分けられるが、極東は開発が遅れ、人口も660万人しかいない。隣の中国の東北3省だけで人口は1億人いるので、潜在的に中国に対して恐怖心を持っているという。

そんな状況なので、日本もここで北方四島をめぐるトゲを抜いて、メドベージェフ大統領に点を稼がせ、資源国ロシアと工業国日本の互恵関係をつくることを大前さんは提案する。

旧ソ連諸国や東欧諸国は、様々な事情でロシア離れをしており、EUやNATOに接近をしている。大前さんは、この流れがさらに進み、プーチンの第二期政権?の終わる2020年にはロシアもEUに加盟しているのではないかと予想する。

ジェトロのEUでの意識調査によると、EUの人たちの65%はEUに入るのはロシアがトルコより先と考えているという。

通貨ユーロが強くなっているが、ユーロ導入にあたっては厳しい規律があり、財政赤字はGDPの3%以下、政府債務残高はGDPの」60%以下。物価上昇率と金利変動も一定以下が求められている。輪転機を回せば済むドルや円とは規律が違うからユーロは強くなるのだという。


日ロ関係の未来図

最後に「日ロ関係の未来図」として、大前さんは長谷川毅氏の「暗闘」という第二次世界大戦で日本が降伏に至るまでの過程を描いた作品を紹介し、トルーマンとスターリンの駆け引きで、北海道を南北に分割せよとのスターリンの要求を退ける案としてアメリカが北方領土の領有を認めたという説を紹介している。

暗闘―スターリン、トルーマンと日本降伏暗闘―スターリン、トルーマンと日本降伏
著者:長谷川 毅
販売元:中央公論新社
発売日:2006-02
おすすめ度:5.0
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この本には興味を持ったので、近々読んであらすじを紹介する。

北方領土は日本固有の領土と言っても、戦後処理でソ連領となったわけでもあり、いまさら間宮林蔵を持ち出しても話は進まない。

実はロシアにとってみれば北方領土四島はそれほど重要ではない。しかし返すためにはインセンティブが必要なので、ロシア国民を納得させる理屈を考えて、物事を進めるべきだと提案する。

1997年の橋本龍太郎・エリツィン会談では、ロシア側は二島先行返還、二島継続協議という案を示したが、これはまさに佐藤優ラスプーチンの外交成果だった。

ロシアは外貨準備が積み上がり、ロシアのSWF(政府系ファンド)である「安定化基金」は世界最大規模のアブダビを抜いて百兆円以上にもならんとしている。もはや少し金を出せば手放すといった「鈴木宗男的発想」はまったく通用しなくなっている。

むしろロシアのあり余る金を使って、日本がアジア諸国と一緒に経済開発を技術的に手伝う、ロシアの原子力発電所建設やシベリア鉄道高速化などで手助けすることが感謝されると大前さんは語る。

大前さんは以前からロシア沿海州と日本の日本海側で地域経済圏をつくれとか、斬新な提案をしているが、この本では日ロ賢人会議で検討するとか、怒る人がいることを承知で、国連信託統治領のような方法を考える手もあるのではないかと語る。

旧島民の気持ちも理解できるが、北方領土が返ってきても、利権の巣窟となり、不要な護岸工事や道路工事が相次いで、納税者の立場からいえば返ってこなかった方が良かったという事態にもなりかねないと大前さんは危惧する。

大前さんが提案するのは、日ロが平和協定を結び、極東やシベリアを共同で開発することだ。サハリンの天然ガス以外でも森林・地下資源・観光資源を開発する。たとえばカムチャッカは最高の釣りレジャー地区となるだろうという。

これからの十数年で世界が体験する「ロシア・ショック」は極めて大きく、日本にとって最大のチャンスにもピンチにもなりうる。

今のロシアは日本人が抱いている冷戦時代のイメージから大きく変化している。いずれロシアとEUが一体となり、世界の極となろうとしている。こうした時代に日本だけが、北方領土問題にこだわり続けていいはずがないと大前さんは語る。


データも最新で大変参考になる。冒頭に書いたとおり筆者が今年読んでから買った本の一つだ。是非一読をおすすめする。


参考になれば次クリックお願いします。


暗闘 スターリンとトルーマンの日本を降伏に追い込むための競争 

旧ソ連の秘密資料も最近になって公開されるようになり、米国の秘密資料と日本の資料の3つの視点から歴史が書ける時代となってきた。

とはいっても、ロシア語(ロシア語は大変難しいらしい)と英語そして日本語が出来る人はごく限られており、第一級の歴史書はまだ少ないが、その中でもこの本は米国在住の日本人ロシア史専門家による本ということで優れた資料である。

大前研一氏も絶賛しているので、あらすじを紹介する。

暗闘―スターリン、トルーマンと日本降伏暗闘―スターリン、トルーマンと日本降伏
著者:長谷川 毅
販売元:中央公論新社
発売日:2006-02
おすすめ度:5.0
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在米のロシア史研究家、長谷川毅カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の終戦史再考。

大前研一の「ロシア・ショック」で取り上げられていたので読んでみた。

ロシア・ショックロシア・ショック
著者:大前 研一
販売元:講談社
発売日:2008-11-11
おすすめ度:4.5
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この本を読んで筆者の日本史の知識の欠如を実感させられた。

終戦秘話といえば、大宅壮一(実際のライターは当時文芸春秋社社員だった半藤一利氏)の「日本のいちばん長い日」や、終戦当時の内大臣の「木戸幸一日記」、終戦当時の内閣書記官長の迫水(さこみず)久常の「機関銃下の首相官邸」などが有名だが、いずれも読んだことがない。

「日本のいちばん長い日」は映画にもなっているので、さまざまな本や映画などで漠然と知っていたが、この本を読んで知識をリフレッシュできた。

決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)
著者:半藤 一利
販売元:文藝春秋
発売日:2006-07
おすすめ度:5.0
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木戸幸一日記 上巻 (1)木戸幸一日記 上巻 (1)
著者:木戸 幸一
販売元:東京大学出版会
発売日:1966-01
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新版 機関銃下の首相官邸―2・26事件から終戦まで
著者:迫水 久常
販売元:恒文社
発売日:1986-02
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今まで終戦史は、日本の資料かアメリカの資料をベースに何冊もの本が書かれてきたが、この本は米国在住の日本人ロシア史専門家が、友人のロシア人歴史学者の協力も得て完成させており、日本、米国、ロシアの歴史的資料をすべて網羅しているという意味で画期的な歴史書だ。

この本の原著は"Racing the enemy"という題で、2005年に出版されている。日本版は著者自身の和訳で、著者の私見や、新しい資料、新しい解釈も加えてほとんど書き下ろしになっているという。

Racing the Enemy: Stalin, Truman, And the Surrender of JapanRacing the Enemy: Stalin, Truman, And the Surrender of Japan
著者:Tsuyoshi Hasegawa
販売元:Belknap Pr
発売日:2006-09-15
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約50ページの注を入れると全部で600ページもの大作だが、日本の無条件降伏に至る太平洋戦争末期の世界の政治情勢がわかって面白い。

この本では、3つの切り口から日本がポツダム宣言を受諾した事情を描いている。


1.トルーマンとスターリンの競争

一つは日本を敗戦に追い込むための、トルーマンスターリンの競争である。

1945年2月のヤルタ密約で、ソ連が対日戦に参戦することは決まっていたが、戦後の権益確保もあり、トルーマンとスターリンはどちらが早く日本を敗北に追い込む決定打を打つかで競争していた。

ヤルタ密約は、ドイツ降伏後2−3ヶ月の内に、ソ連が対日戦争に参戦する。その条件は、1.外蒙古の現状維持、2.日露戦争で失った南樺太、大連の優先権と旅順の租借権の回復、南満州鉄道のソ連の権益の回復、3.千島列島はソ連に引き渡されるというものだ。

元々ルーズベルトとスターリンの間の密約で、それにチャーチルが割って入ったが、他のイギリス政府の閣僚には秘密にされていたという。

ルーズベルトが1945年4月に死んで、副大統領のトルーマンが大統領となった。トルーマンといえば、"The buck stops here"(自分が最終責任を持つ)のモットーで有名だ。

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出典:Wikipedia

トルーマンは真珠湾の報復と、沖縄戦で1万人あまりの米兵が戦死したことを重く見て、これ以上米兵の損失を拡大しないために、原爆を使用することに全く躊躇せず、むしろ原爆の完成を心待ちにしていた。

1発では日本を降伏させるには不十分と考え、7月16日に完成したばかりの2発の原爆を広島と長崎に落とした。

原爆の当初のターゲットは、京都、新潟、広島、小倉、長崎の5ヶ所だった。

原爆を開発したマンハッタン計画の責任者のグローヴス少将は最後まで京都をターゲットに入れていたが、グローヴスの上司であるスティムソン陸軍長官は京都を破滅させたら日本人を未来永劫敵に回すことになると力説して、ターゲットからはずさせた。

2.日ソ関係

2つめは、日ソ関係だ。

日ソ中立条約を頼りにソ連に終戦の仲介をさせようとする日本の必死のアプローチをスターリンは手玉にとって、密かに対日参戦の準備をすすめていた。

1941年4月にモスクワを訪問していた松岡外務大臣を「あなたはアジア人である。私もアジア人である」とキスまでして持ち上げたスターリンは本当の役者である。

ポツダム宣言

ポツダム会議は1945年の7月にベルリン郊外のポツダムに英米ソの3首脳が集まり、第2次世界大戦後の処理と対日戦争の終結について話し合われた。

会議は7月17日から8月2日まで開催されたが、途中で英国の総選挙が行われ、選挙に敗北したチャーチルに代わり、アトリーが参加した。

ポツダム会議はスターリンが主催したが、ポツダム宣言にはスターリンは署名しなかった。

トルーマンとチャーチルは、スターリンの裏をかいて、スターリンがホストであるポツダムの名前を宣言につけているにもかかわらずスターリンの署名なしにポツダム宣言として発表するという侮辱的な行動を取ったのである。

トルーマンは原爆についてポツダムでスターリンに初めて明かしたので、スターリンにはポツダム宣言にサインできなかったこととダブルのショックだった。

これによりスターリンはソ連の参戦の前にアメリカが戦争を終わらせようとしている意図がはっきりしたと悟り、対日参戦の時期を繰り上げて、8月8日に日ソ中立条約の破棄を日本に宣言する。

ソ連の斡旋を頼みの綱にしてた日本は簡単に裏切られた。もっともソ連は1945年4月に日ソ中立条約は更新しないと通告してきていた。

7月26日の段階で、ソ連軍は150万の兵隊、5,400機の飛行機、3,400台の戦車を国境に配備しており、ソ連の参戦は予想されたことだった。

ソ連は終戦直前に参戦することで日本を降伏に追い込み、戦争を終結させた功労者として戦後の大きな分け前にありつこうとしたのだ。

日本は1945年8月14日にポツダム宣言を受諾したが、スターリンは樺太、満州への侵攻をゆるめず、ポツダム宣言受諾後に千島、北海道侵攻を命令した。

スターリンの望みは、千島列島の領有とソ連も加わっての日本分割統治だったが、これはアメリカが阻止した。


3.日本政府内の和平派と継戦派の争い

第3のストーリーは日本政府内での和平派と継戦派の争いだ。

この本では、和平派と継戦派の争点は「国体の護持」だったという見解を出しているが、連合国側から国体護持の確約がなかったことが降伏を遅らせた。

アメリカ政府では元駐日大使のグルーなどの知日派が中心となって、立憲君主制を維持するという条件を認めて、早く戦争を終わらせようという動きがあったが、ルーズベルトに代わりトルーマンが大統領となってからは、グルーはトルーマンの信頼を勝ちとれなかった。

開戦直後から日本の暗号はアメリカ軍の海軍諜報局が開発したパープル暗号解読器によって解読されていた。この解読情報は「マジック」と呼ばれ、限定された関係者のみに配布されていた。

ところでパープル解読器のWikipediaの記事は、すごい詳細な内容で、暗号に関するプロが書いた記事だと思われる。是非見ていただきたい。

日本の外務省と在外公館との通信はすべて傍受されて、日本の動きは一挙手一投足までアメリカにつつ抜けだった。

広島に8月6日、長崎に8月9日に原爆が投下された。ソ連は8月8日に日ソ中立条約の破棄を通告し、8月9日には大軍が満州に攻め込んだ。関東軍はもはや抵抗する能力を失っていた。

こうして8月14日御前会議で、ポツダム宣言受諾の聖断が下りた。

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出典:Wikipedia

最後まで戦うべきだと主張する阿南惟幾(これちか)陸軍大臣を中心とする陸軍の抵抗を、原爆やソ連参戦という事態が起きたこともあり高木惣吉ら海軍中心の和平派が押し切った。

天皇の玉音放送が流れた8月15日に阿南陸相は自刃し、象徴的な幕切れとなった。

ちなみにWikipediaの玉音放送の記事の中で、玉音放送自体の音声も公開されているので、興味がある人は聞いてほしい。

8月15日には天皇の声を録音した玉音盤を奪おうと陸軍のクーデターが起こるが、玉音盤は確保され、放送は予定通り流された。

しかし千島列島では戦争は続いた。最も有名なのは、カムチャッカ半島に一番近い占守島の激戦で、8月21日になって休戦が成立した。

スターリンはマッカーサーと並ぶ連合国最高司令官にソ連人を送り込もうとしたが、これはアメリカに拒否され、結局北海道の領有はできなかった。


歴史にIFはないというが…

長谷川さんはいくつかのIFを仮説として検証している。

1.もしトルーマンが日本に立憲君主制を認める条項を承認したならば?

2.もしトルーマンが、立憲君主制を約束しないポツダム宣言に、スターリンの署名を求めたならば?

3.もしトルーマンがスターリンの署名を求め、ポツダム宣言に立憲君主制を約束していたならば?

4.もしバーンズ回答が日本の立憲君主制を認めるとする明確な項目を含んでいたら?

5.原爆が投下されず、またソ連が参戦しなかったならば、日本はオリンピック作戦が開始される予定になっていた11月1日までに降伏したであろうか?

6.日本は原爆の投下がなく、ソ連の参戦のみで、11月1日までに降伏したであろうか?

7.原爆の投下のみで、ソ連の参戦がなくても、日本は11月1日までに降伏したであろうか?


歴史にIFはないというが、それぞれの仮説が長谷川さんにより検証されていて面白い。


日、米、ソの3カ国の一級の資料を集めて書き上げた力作だ。500ページ余りと長いがダイナミックにストーリーが展開するので楽しめるおすすめの終戦史である。



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