以前からガンで闘病中だったアップルの創業者・スティーブン・ジョッブスが本日亡くなった。

元々すい臓ガンだったので、余命短いと医者から言われていたが、手術が可能な珍しいタイプのすい臓ガンであることがわかり、手術をしてビジネスに復帰した。

2009年には肝臓移植手術を受けるなど、ガンと闘いながら、アップルのiPhone, iPadなどの新製品開発を先頭に立って指揮した不屈の精神は、みんなの模範になるものだ。

スティーブン・ジョッブスの伝説の2005年スタンフォード大学卒業式のゲストスピーチについてふれているインターウォーズ吉井社長のコラムと本を紹介する。

インターウォーズの吉井さんのコラムに、アップルCEOのスティーブン・ジョッブスが、2005年のスタンフォード大学の卒業式で行った"Stay hungry, stay foolish"と呼びかける伝説のスピーチが字幕付きで紹介されている。

インターウォーズ吉井さんコラム






実に感動的なスピーチだ。筆者も何回も聞いてしまった。もともとの「字幕」というサイトが閉鎖されたので、YouTubeの英文キャプション付きの映像を紹介する。前篇だけなので、後篇はYouTubeのサイトで見てほしい。



ちなみに、キャプションなしのスピーチ全文は次の通りだ。



次は吉井さんの本のあらすじだ。

「新規事業」はどうすれば育つのか

リクルート出身で企業内起業の支援を専門とするインターウォーズ社長の吉井信隆さんの起業心得。

知人が吉井さんの会社に入ったので、この本を読んでみた。

筆者も昨年まで従業員40名程度の創業数年目の会社に出向し、システムそして営業を担当していた。

4年半の出向だったが、大変良い経験になった。知人もその会社の同僚だったが、先日会ったときに、もっと前にこの本を読んでいればまた違ったのにと言っていた。

インターウォーズの企業内起業支援は30社の支援実績がある。いわゆるハンズオン型で経営チームの人材を紹介し、知恵も出し、お金も出すという。

吉井さんが居たリクルートではRING(リクルート・イノベーション・グループ)と称する社内公募による新規事業インキュベーションにより、2,000億円を超える売上高を創り出したという。

フロムA、ゼクシィ、ホットペッパー、タウンワーク、R25らはすべてこのRINGから生まれた新規事業である。

江副さんの「リクルートのDNA」という本のあらすじはこのブログで紹介しているが、「自ら機会をつくり出し、機会によって自らを変えよ」というスローガンで、社内にPC(プロフィットセンター)と呼ぶマネージメントチームをつくり、企業内起業で起業家を育てるしくみをつくった。


企業内起業家の条件

企業内起業家にはマネジメント力より気力・体力が必要だと吉井さんは語る。経営者と起業家は求められる資質が違う。経営はマネジメントであり、合理的判断によって効率よく人を動かし、組織を運営し、利益を上げるかが求められる。

一方、起業家に必要なのは、情熱、挑戦するスピリッツ、パッションを伴った行動力である。自分の理想や夢を信じる力と言っても良い。だから吉井さんは、起業家になりたいという人と会うとき、その人がどんな優れたマネジメント力をもっているかより、強い信念や理想の下に気力と体力がみなぎっているかに注目するのだと。

吉井さんは候補となる人に次の質問をするという。

1.今の仕事を達成することに負けないほど、物事に改良を加えたいという望みを常に抱いているか?
2.風呂に入っているときに、新しい仕事のアイデアについてについてあれこれ思いをめぐらせ、わくわくしているか?
3.新しいアイデアを実現される方法を考える際に、どんな行動を起こすか具体的に思い浮かべることができるか?
4.ときどき、権限を逸脱したことをしようとしてトラブルを起こしているか?
5.仕事が失敗しそうという厳しい状況を、うまく乗り切ったことがあるか?
6.あなたは、支持者と批判者の両方が人一倍多いほうか?
7.頼りにできる仕事上の人脈ネットワークを持っているか?
8.他人があなたのアイデアの一部を実行しようとしてもたついているのを見ると、すぐにイライラしてくるほうか?
9.何でも自分でやらなければ気が済まないという気持ちを抑えて、チームのメンバーと一緒に、あなたのアイデアに取り組むよう努力することができるか?
10.もし成功した場合に相応の報酬が受けられるなら、あなたのアイデアを試してみるチャンスと引き替えに、多少の減俸も辞さない覚悟があるか?

6つ以上当てはまった場合、その人物はすでに企業内起業家としてのキャリアに向けて、意識の中で行動し始めていると言えるという。

企業内起業で役員の支援の役割は大きい。

担当役員は人物を見抜ける目利きか?担当役員はプロデューサーであり、インキュベーターであるという。リクルートからオールアバウトをジョイントベンチャーとして社内起業した江幡哲也さんは、リクルートの役員が後ろ盾になっていたという。

その他、経営トップ、メンター、インキュベーターの役割も述べられている。吉井さんの同僚には、インキュベーションマザーとも呼べる北條夏旭さんが居るという。彼女の言葉が勇気を与えた例としてペットウィズの柿本社長が挙げられている。

インターウォーズには企業内起業家向けの専用ブースがあるという。いわば「出島」として本社とは距離を置いて活動するのだ。

資本構成は母体企業に、時にはノーと言える様に、アライアンス先や金融会社から1/3以上は出資して貰う形が理想だという。

なるほどと思う。

インターウォーズのインキュベーション応募フォーマットが紹介されている。これには、次のようなチェックポイントが記載されている。

1.事業プラン
(どのような事業なのかを簡潔にまとめて、できるだけ30文字以内で表現してください)
2.事業基本フレーム
3.商品・サービス
4.ターゲット
5.マーケット
6.マーケット(これだけ2回出てくる)
7.初期投資と中期目標
8.競合・優位性
9.実現に向けて
10.課題
11.リスク
12.その他


起業が適当かどうか、スクリーニング基準シート、事業開発のフェイスシート、事業化の歳のチェックポイントなど、実戦的なシートが紹介されている。

事業コンセプトを固めるにあたって、スタート時から撤退基準を決めておくことも重要だ。

たとえばリクルートでは「3年以内に単年度黒字にならないと撤退する」という考えがあったが、通信回線リセールのINS事業とスーパーコンピューターの時間貸し事業はズルズル言ってしまい、もっと早い段階で撤退していたら、リクルートの今日の姿は違っていたかもしれないという。

社内関係者たちからの熱を冷ますような圧力の例として、売上に対するプレッシャーが挙げられている。例えばサントリーの「伊右衛門」は大ヒット商品になっているが、商品開発には何度も失敗して5年掛かっているという。

サントリーの鳥井さんの有名なせりふ「やってみなはれ」という企業風土もあったと思うが、「減点主義」のはびこる大企業が多い中で、長期スタンスで経営陣がよく待ったことに吉井さんは感心している。

3年継続すれば成長ラインに乗るケースが多いと。

「この事業はなんとしてもやり抜く」という気概を持って、ゆるがないコアコンピタンスを持ち、「燃える人間集団」をつくることだと吉井さんは語る。

吉井さん自身もリクルートで首都圏営業部長から企業内起業で、新規事を立ち上げ、以来12年間で30社あまりのインキュベーションに携わったという。

1社でも多くインキュベーション支援することによって創造し、雇用を生み出すことで日本を元気にしたいという思いから吉井さんはインターウォーズ事業に乗り出したという。

本だけではなかなか伝えられない部分が多いが、ベンチャーにも最も重要なメンタルなコーチングも含め、様々な企業内起業支援のノウハウが吉井さんの会社には詰まっていると感じる。

吉井さんの片腕であるインキュベーションマザーの北條夏旭という人もどんな人なのか興味がある。

企業内起業を考えている人は、吉井さんのインターウォーズに相談されることを是非おすすめする。


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